炎症の4徴候をおさえよう
看護師国家試験 第110回 午後 第85問 / 人体の構造・機能 / 生体の防御機構
国試問題にチャレンジ
炎症の4徴候に含まれるのはどれか。2つ選べ。
- 1.壊疽
- 2.腫脹
- 3.膿瘍
- 4.発赤
- 5.浮腫
対話形式の解説
博士
今日は医学の基本中の基本、炎症の4徴候じゃ。言えるかの?
サクラ
発赤、熱感、腫脹、疼痛の4つですね。
博士
お見事じゃ。ラテン語でrubor、calor、tumor、dolorと言うぞ。
サクラ
古代ローマのケルススが提唱したものですよね。
博士
よく知っておるな。後にガレノスが機能障害(functio laesa)を加えて5徴候になった。
サクラ
選択肢では腫脹と発赤が該当しますね。
博士
その通り。なぜ発赤が起こるか分かるか?
サクラ
炎症部位で細動脈が拡張して血流が増えるからです。
博士
うむ。そして血管透過性が高まり血漿が組織に漏れ出すと腫脹が起こる。
サクラ
壊疽や膿瘍は4徴候には入らないのですね。
博士
壊疽は組織が壊死した結果の病態、膿瘍は好中球が集まって膿が溜まった状態じゃ。いずれも徴候ではなく病態じゃな。
サクラ
浮腫と腫脹は似ていますが違うのですか?
博士
厳密には4徴候としては『腫脹(swelling)』という言葉が使われる。浮腫は組織間液の貯留で、炎症以外でも起きるからの。
サクラ
看護アセスメントでは発赤・熱感・腫脹・疼痛の4つを観察するわけですね。
博士
そうじゃ。皮膚・創部・関節などの観察で必ずチェックする項目じゃぞ。
サクラ
バイタル測定と合わせて記憶します。
POINT
炎症の4徴候は発赤・熱感・腫脹・疼痛で、機能障害を加えて5徴候とします。血管拡張と透過性亢進という血管反応が発赤・熱感・腫脹を、発痛物質の産生が疼痛を引き起こします。壊疽・膿瘍・浮腫は炎症に関連する病態ですが4徴候そのものではありません。看護では創部や術後の炎症徴候の観察に直結する知識です。
解答・解説
正解は 2 ・ 4 です
問題文:炎症の4徴候に含まれるのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 2 の腫脹と 4 の発赤です。炎症の4徴候は『発赤・熱感・腫脹・疼痛』で、これに機能障害を加えて5徴候とします。
選択肢考察
-
× 1. 壊疽
血流途絶による組織の壊死で、炎症の徴候ではなく重度の組織障害の結果として生じる状態です。
-
○ 2. 腫脹
炎症部位で血管透過性が亢進し、血漿成分が組織へ漏出することで生じる腫れで、4徴候に含まれます。
-
× 3. 膿瘍
好中球浸潤による膿の貯留で、化膿性炎症の結果として形成される病態であり、4徴候そのものではありません。
-
○ 4. 発赤
炎症部位で細動脈が拡張し血流量が増加することにより皮膚が赤くなる現象で、4徴候の1つです。
-
× 5. 浮腫
組織間隙に水分が貯留した状態で、腫脹と似ますが炎症の4徴候として挙げられるのは『腫脹』の方です。
炎症の4徴候はラテン語で『rubor(発赤)・calor(熱感)・tumor(腫脹)・dolor(疼痛)』と表され、古代ローマのケルススが提唱しました。後にガレノスがfunctio laesa(機能障害)を加え5徴候としました。炎症のメカニズムは、血管拡張→透過性亢進→白血球遊走→サイトカイン産生の順に進行します。
炎症の古典的4徴候を答える基本問題で、紛らわしい病態(壊疽・膿瘍・浮腫)との区別が問われます。
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