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血漿蛋白質を作る工場はどこ?

看護師国家試験 第110回 午後 第73問 / 人体の構造・機能 / 血液と体液

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第73問

血漿蛋白質の大部分を合成しているのはどれか。

  1. 1.
  2. 2.肝臓
  3. 3.腎臓
  4. 4.膵臓
  5. 5.脾臓

対話形式の解説

博士 博士

血漿蛋白質の大部分はどこで作られるか知っておるかの?

サクラ サクラ

肝臓ですよね。

博士 博士

正解じゃ。具体的にどんな蛋白質があるかのう?

サクラ サクラ

アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲンなどです。

博士 博士

例外的に肝臓以外で作られる蛋白質はなんじゃ?

サクラ サクラ

γグロブリン、つまり免疫グロブリンです。これは形質細胞で作られますね。

博士 博士

よく知っておるな。ではアルブミンの役割は?

サクラ サクラ

膠質浸透圧を保つこと、そして脂肪酸やホルモン、薬物などの輸送です。

博士 博士

肝硬変でアルブミンが減るとどうなる?

サクラ サクラ

膠質浸透圧が下がって浮腫や腹水が生じやすくなります。

博士 博士

フィブリノーゲンの働きは?

サクラ サクラ

血液凝固因子のⅠで、最終的にフィブリンになり血栓を作ります。

博士 博士

つまり肝障害で凝固能はどうなる?

サクラ サクラ

凝固因子も肝臓で作られるので、障害があると出血傾向になります。PT-INRで評価します。

POINT

血漿蛋白質の多くは肝臓で合成されており、アルブミン、フィブリノーゲン、各種凝固因子などが含まれます。免疫グロブリンだけは形質細胞で産生される例外です。肝機能が低下すると血清アルブミン低下による浮腫・腹水や、凝固因子低下による出血傾向が現れるため、血清アルブミン値やPT-INRは肝臓の合成能を評価する重要な指標となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:血漿蛋白質の大部分を合成しているのはどれか。

解説:正解は 2 です。血漿蛋白質の主なものにはアルブミン、各種グロブリン、フィブリノーゲン、各種凝固因子などがありますが、このうちγグロブリン(免疫グロブリン)以外のほとんどが肝臓で合成されます。肝臓は体内最大の代謝・合成工場であり、血漿蛋白質の約90%以上を産生しています。

選択肢考察

  1. × 1.  肺

    肺は主にガス交換を担う器官で、血漿蛋白質の合成機能はほとんど持ちません。肺胞ではサーファクタントなどの局所物質は産生されますが、全身を循環する血漿蛋白質の供給源ではありません。

  2. 2.  肝臓

    肝臓はアルブミン、α・βグロブリン、フィブリノーゲン、プロトロンビンなど大多数の血漿蛋白質を合成します。肝機能障害では血清アルブミンの低下や凝固因子の減少が起こり、浮腫や出血傾向として現れます。

  3. × 3.  腎臓

    腎臓はエリスロポエチンやレニンなどのホルモン産生や老廃物の排泄を担いますが、血漿蛋白質の合成臓器ではありません。むしろネフローゼ症候群ではアルブミンが尿中に漏出し低アルブミン血症となります。

  4. × 4.  膵臓

    膵臓は外分泌として消化酵素、内分泌としてインスリンやグルカゴンを産生しますが、血漿蛋白質の主要な合成場所ではありません。

  5. × 5.  脾臓

    脾臓はリンパ球の産生や老化赤血球の処理、免疫応答の場として機能しますが、血漿蛋白質の大部分を合成する臓器ではありません。

γグロブリン(免疫グロブリン)は形質細胞(Bリンパ球由来)で合成される点が例外です。肝硬変などで肝機能が低下するとアルブミンが減少し、膠質浸透圧の低下から腹水や浮腫を生じるため、血清アルブミン値は肝合成能の指標として用いられます。

血漿蛋白質の主要な合成臓器は肝臓であるという、人体の基本機能を問う問題です。