プライマリナーシングって何?看護提供方式を整理しよう
看護師国家試験 第114回 午後 第72問 / 看護の統合と実践 / 看護におけるマネジメント
国試問題にチャレンジ
プライマリナーシングの説明で適切なのはどれか。
- 1.業務を短時間で効率よく実施できる。
- 2.リーダーの調整力が看護チームの目標達成に影響する。
- 3.1人の看護師が1人の患者の入院から退院まで一貫して責任をもつ。
- 4.日替わりで受け持ち看護師が変わるので看護ケアの継続が難しくなる。
対話形式の解説
博士
今回は看護提供方式の代表格、プライマリナーシングを学ぶのじゃ。
アユム
プライマリ=最初の、という意味ですよね?最初に診た看護師が担当する仕組みですか?
博士
おしいぞ。プライマリは「主たる」という意味じゃ。1人のプライマリーナースが受け持ち患者の入院から退院まで一貫して看護に責任をもつ方式なのじゃ。
アユム
ずっと同じ看護師が担当するんですか?でも夜勤の時はどうするんですか?
博士
鋭い質問じゃ。プライマリーナースが不在の時間帯はアソシエートナースが、プライマリの立てた看護計画に沿ってケアを引き継ぐ仕組みになっておる。
アユム
なるほど、計画は固定で、実施を交代するんですね。
博士
その通り。だから個別性のある看護を継続的に提供できるのが大きな利点じゃ。
アユム
他にはどんな看護提供方式があるんですか?
博士
代表的なものは4つじゃ。1つ目は機能別看護方式。清拭係、与薬係、処置係というように業務ごとに分担する方法で、効率はよいが継続性に欠ける。
アユム
工場の流れ作業みたいなイメージですね。
博士
うむ。2つ目は患者受け持ち方式。勤務帯ごとに患者を受け持つので、日勤と夜勤で担当者が変わる。3つ目はチームナーシング。リーダーを中心にチームで患者を担当する方式で、リーダーの調整力がケアの質を左右するのじゃ。
アユム
4つ目がプライマリナーシングなんですね。
博士
その通り。プライマリナーシングは1970年代に米国で提唱されたもので、看護師の自律性と患者との信頼関係を最も大切にする方式じゃ。
アユム
選択肢1の「効率重視」は機能別、選択肢2の「リーダーの調整力」はチームナーシング、選択肢4の「日替わり」は患者受け持ち方式の特徴ということですね。
博士
完璧な整理じゃ。日本では実際にはこれらを組み合わせた「PNS」や「モジュール型」が多く採用されておる。それぞれの特徴を押さえておけば応用も効くのじゃ。
POINT
プライマリナーシングは、1人のプライマリーナースが患者の入院から退院まで一貫して看護に責任をもつ提供方式で、1970年代に米国で提唱されました。継続性と個別性、看護師の自律性、患者との信頼関係構築に優れる一方、看護師個人の能力に依存しやすい側面もあります。これに対し、機能別看護方式は業務効率、チームナーシングはリーダーの調整力、患者受け持ち方式は勤務帯単位という特徴をもち、それぞれメリット・デメリットが異なります。実際の臨床ではこれらを組み合わせた折衷型(PNSやモジュール型)が主流となっており、看護管理の理解には各方式の特徴を比較しながら整理することが重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:プライマリナーシングの説明で適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。プライマリナーシングは、1人のプライマリーナースが受け持ち患者の入院から退院(さらには退院後の継続支援)までの看護全体に責任をもち、24時間を通じた一貫したケアを計画・評価する看護提供方式である。1970年代に米国のマンソープらによって提唱され、看護の自律性と継続性、患者との信頼関係の構築に優れる。プライマリーナースが不在の時間帯はアソシエートナースが計画に沿ってケアを実施する。
選択肢考察
-
× 1. 業務を短時間で効率よく実施できる。
業務を清拭・与薬・処置などの業務単位に分割し、各看護師が担当業務を効率的にこなすのは「機能別看護方式」の特徴である。プライマリナーシングは効率より継続性・個別性を重視する。
-
× 2. リーダーの調整力が看護チームの目標達成に影響する。
リーダーが複数のメンバーを束ねてチームで看護を提供する「チームナーシング」の特徴。プライマリナーシングは個々のプライマリーナースが主体となる。
-
○ 3. 1人の看護師が1人の患者の入院から退院まで一貫して責任をもつ。
プライマリナーシングの本質的特徴。同じ看護師が継続的に関わることで個別性の高い看護計画と信頼関係を築くことができる。
-
× 4. 日替わりで受け持ち看護師が変わるので看護ケアの継続が難しくなる。
受け持ちが日替わりとなるのは患者受け持ち方式や機能別方式での課題。プライマリナーシングは担当を固定することでこの問題を解決する方式である。
看護提供方式には主に、機能別看護方式(業務単位で分担)、患者受け持ち方式(勤務帯ごとに患者を受け持つ)、チームナーシング(リーダーを中心にチームで担当)、プライマリナーシング(1人の看護師が入院から退院まで一貫担当)、モジュール型継続受け持ち方式(プライマリと固定チームの折衷)などがある。日本の急性期病院では、プライマリナーシングと固定チームナーシングを組み合わせた「PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)」や「モジュール方式」を採用することが多い。
看護提供方式の代表であるプライマリナーシングの定義と特徴を、他の方式(機能別・チームナーシング)と区別して理解しているかを問う問題。
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