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ルービンの母親役割獲得、ロールプレイはどれ?

看護師国家試験 第107回 午前 第55問 / 母性看護学 / 母性看護の基盤

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第55問

ルービン、R.( Rubin,R. )による母親役割獲得過程におけるロールプレイはどれか。

  1. 1.友人の出産体験を聞く。
  2. 2.人形で沐浴の練習をする。
  3. 3.購入する育児用品を考える。
  4. 4.看護師が行う児の抱き方を見る。

対話形式の解説

博士 博士

母性看護学の定番、ルービンの母親役割獲得過程じゃ。5つの心理的操作を言えるかの?

サクラ サクラ

模倣、ロールプレイ、空想、取り込みー投影ー拒絶、そして悲嘆作業、です。

博士 博士

おみごと。では模倣とロールプレイの違いは?

サクラ サクラ

模倣は『見て真似る』、ロールプレイは『実際に演じてみる』…ですか?

博士 博士

そのとおりじゃ。模倣は他者の行動を観察して取り入れる段階で、ロールプレイはそれを自分の身体を使って試行する段階じゃ。

サクラ サクラ

選択肢4の『看護師の抱き方を見る』は?

博士 博士

それは『見る』までなので模倣の段階。もし妊婦さん自身が人形で抱っこを実際にやってみたらロールプレイに格上げされる。

サクラ サクラ

選択肢1と3はどうなりますか?

博士 博士

『友人の出産体験を聞く』『購入する育児用品を考える』は、頭の中で自分の出産や育児を思い描く段階、すなわち空想じゃ。

サクラ サクラ

ということは、残る選択肢2『人形で沐浴の練習』がロールプレイですね。

博士 博士

そのとおり。人形を赤ちゃんに見立てて実際に沐浴動作を演じる、これが典型的なロールプレイじゃ。

サクラ サクラ

『取り込み―投影―拒絶』は何ですか?

博士 博士

自分の母親や先輩母親の行動を観察し、良い部分は取り入れ(取り込み)、自分ならこうする(投影)、自分には合わないものは捨てる(拒絶)という吟味の過程じゃ。

サクラ サクラ

悲嘆作業というのは…?

博士 博士

妊娠・出産で『独身の自分』『仕事中心の自分』など、これまでの自己像を一度手放す必要がある。その喪失を悲しみ、受容する心の作業が悲嘆作業じゃ。

サクラ サクラ

母親になるって、ただ嬉しいだけじゃなくて、喪失体験も含まれているんですね。

博士 博士

深い気づきじゃ。看護師はその両価的感情を理解して寄り添う必要がある。

サクラ サクラ

産後の時期区分もルービンでしたよね?

博士 博士

そうじゃ。『受容期(産褥1〜2日)』『保持期(産褥3〜10日)』『解放期(産褥10日以降)』。受容期は母親が依存的で、自分の体験を繰り返し語る時期。看護師は傾聴に徹する。

サクラ サクラ

保持期になると自分で育児を始めるんですね。

博士 博士

そう、この時期に技術指導が効果的じゃ。解放期では新しい母親としての自己が統合されていく。

サクラ サクラ

ルービンを発展させた理論家もいるんですか?

博士 博士

マーサーが『母親役割獲得(maternal role attainment)』として概念化し、後に『母親になること(becoming a mother)』へ発展させておる。

POINT

ルービンの母親役割獲得過程は『模倣・ロールプレイ・空想・取り込み投影拒絶・悲嘆作業』の5つの心理操作で構成され、『見て真似る(模倣)』『実際に演じる(ロールプレイ)』『頭で思い描く(空想)』の区別が国試の定番です。人形での沐浴練習は身体を使った試行練習のためロールプレイにあたります。産褥期は受容期・保持期・解放期の3段階で表現され、看護師は各期の心理的特徴に応じて関わりを変えることが求められます。母親になる過程には喪失と再統合が含まれるという視点も、妊産婦支援の基盤となる重要な考え方です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:ルービン、R.( Rubin,R. )による母親役割獲得過程におけるロールプレイはどれか。

解説:正解は2の『人形で沐浴の練習をする』です。ルービン(Reva Rubin)は母親役割獲得過程を『模倣(mimicry)』『ロールプレイ(role play)』『空想(fantasy)』『取り込み―投影―拒絶(introjection-projection-rejection)』『悲嘆作業(grief work)』という5つの心理的操作で説明しました。このうちロールプレイとは、母親役割の行動を実際に自分で演じてみる試行的な練習段階で、人形を赤ちゃんに見立てて沐浴・抱っこ・オムツ交換を実際にやってみるのが典型例です。頭の中のイメージではなく、身体を使って役割を試すのが特徴です。

選択肢考察

  1. × 1.  友人の出産体験を聞く。

    他者の体験を聞いて自分の出産や育児を思い描くのは『空想(fantasy)』にあたります。まだ行動として試してはいません。

  2. 2.  人形で沐浴の練習をする。

    人形を赤ちゃんに見立てて実際に沐浴動作を演じるのは、母親役割を身体で試行する典型的なロールプレイです。

  3. × 3.  購入する育児用品を考える。

    生まれてくる子との生活を頭の中で描いている段階で、これは『空想』にあたります。実際の行動には移っていません。

  4. × 4.  看護師が行う児の抱き方を見る。

    見て手本を取り入れる段階は『模倣(mimicry)』です。自分で実際にやって初めてロールプレイになります。

ルービンは産褥期の母親行動を『受容期(taking-in:産褥1〜2日、依存的・受動的)』『保持期(taking-hold:産褥3〜10日、自立へ向かう)』『解放期(letting-go:産褥10日以降、新しい自己の統合)』の3段階で表現したことでも有名です。マーサー(Mercer)はルービンの理論を発展させ『母親役割獲得(maternal role attainment)』として概念化しました。

ルービンの母親役割獲得過程における5つの心理的操作の定義、特に『模倣』と『ロールプレイ』『空想』の違いを識別させる問題です。