分娩所要時間は『陣痛10分から胎盤娩出まで』!起点と終点を間違えない
看護師国家試験 第114回 午後 第109問 / 母性看護学 / 状況設定問題
国試問題にチャレンジ
次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断され、入院後に分娩した。 Aさんの分娩経過を以下に示す。 2時00分 陣痛周期10分 5時30分 入院 15時00分 分娩室入室 15時30分 子宮口全開大 15時40分 自然破水 16時20分 児娩出 16時30分 胎盤娩出 18時30分 帰室 Aさんの分娩所要時間はどれか。
- 1.13時間00分
- 2.14時間20分
- 3.14時間30分
- 4.16時間30分
対話形式の解説
博士
今日は分娩所要時間の計算問題じゃ。Aさんは初産婦じゃが、まず定義を確認しよう。
サクラ
分娩所要時間って、陣痛が始まってから赤ちゃんが出るまでですか?
博士
半分正解じゃ。正確には『規則的な陣痛が10分間隔になった時点』が起点で、『胎盤娩出時点』が終点じゃ。
サクラ
胎盤まで含むんですね、知らなかったです。
博士
そう、分娩は3期に分かれるのじゃ。第1期は陣痛開始から子宮口全開大まで、第2期は全開大から児娩出まで、第3期は児娩出から胎盤娩出までじゃ。
サクラ
だから胎盤が出るまでで1セットなんですね。
博士
その通り。Aさんの記録を見てみよう。陣痛10分間隔は何時?
サクラ
2時00分ですね。
博士
胎盤娩出は?
サクラ
16時30分です。
博士
ではこの差は?
サクラ
えーと、2時から16時30分までだから…14時間30分ですね。
博士
正解じゃ。簡単じゃろう?
サクラ
選択肢に14時間20分もありますね。これは児娩出時刻と勘違いさせる引っかけですか?
博士
鋭い。16時20分は児娩出時刻で第2期の終わり。胎盤娩出(第3期終了)はその10分後の16時30分じゃ。
サクラ
13時間は分娩室入室時刻、16時間30分は帰室時刻ですね。それぞれ正解とずれていますね。
博士
うむ、時刻表を見て『どこを使うか』を意識しないと選び間違える。これは現場でも大事な感覚じゃよ。
サクラ
Aさんの所要時間14時間30分は、初産婦として普通ですか?
博士
初産婦の平均は11〜15時間じゃから、ちょうど標準範囲内じゃな。順調な経過と言える。
サクラ
逆に長すぎる場合や短すぎる場合は?
博士
30時間以上は『遷延分娩』、初産婦で4時間未満は『急速分娩』と呼ぶ。母児ともにリスクがあるので注意が必要じゃ。
サクラ
時間の長短だけでも、分娩のリスク評価ができるんですね。
博士
その通り。経過記録は単なる時刻ではなく、母児の安全を守る重要な指標なのじゃ。
POINT
分娩所要時間は規則的な陣痛が10分間隔以内になった時点から、胎盤娩出までを計測する。Aさんは2時00分に陣痛10分間隔となり、16時30分に胎盤娩出のため、14時間30分が正解となる。分娩は第1期(開口期)、第2期(娩出期)、第3期(後産期)に分けられ、これら全てを含めて所要時間を算出する点が重要である。初産婦の平均は11〜15時間、経産婦は5〜8時間程度であり、30時間を超えると遷延分娩、初産婦で4時間未満は急速分娩と評価される。分娩記録の各時刻が示す意味を正確に理解することは、母児の安全管理に直結する助産看護の基本である。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断され、入院後に分娩した。 Aさんの分娩経過を以下に示す。 2時00分 陣痛周期10分 5時30分 入院 15時00分 分娩室入室 15時30分 子宮口全開大 15時40分 自然破水 16時20分 児娩出 16時30分 胎盤娩出 18時30分 帰室 Aさんの分娩所要時間はどれか。
解説:正解は 3 です。分娩所要時間は「規則的な陣痛が10分間隔以内になった時点」を起点とし、「胎盤娩出時点」を終点として計測する。Aさんの場合、陣痛周期が10分になったのが2時00分、胎盤娩出が16時30分なので、16時30分-2時00分=14時間30分となる。分娩第1期(開口期)は陣痛開始から子宮口全開大まで、第2期(娩出期)は全開大から児娩出まで、第3期(後産期)は児娩出から胎盤娩出までを指し、これら3期を合計した時間が分娩所要時間となる。初産婦の平均は11〜15時間、経産婦は5〜8時間程度で、Aさんは初産婦の標準範囲内である。
選択肢考察
-
× 1. 13時間00分
2時00分から15時00分(分娩室入室時刻)までを計算した値。分娩室入室は時刻記録ではあるが分娩終了点ではないため誤り。
-
× 2. 14時間20分
2時00分から16時20分(児娩出時刻)までの時間。分娩所要時間の終点は児娩出ではなく胎盤娩出(後産期終了)まで含めるため誤り。
-
○ 3. 14時間30分
陣痛10分間隔(2時00分)から胎盤娩出(16時30分)までを正しく計測した値。分娩第1〜3期を合計した正規の分娩所要時間。
-
× 4. 16時間30分
2時00分から18時30分(帰室時刻)までを計算した値。帰室は分娩2時間後の経過観察を含む時刻で、分娩所要時間には含まない。
分娩は3期に分けられる。第1期(開口期)は陣痛開始から子宮口全開大まで、初産婦で10〜12時間、経産婦で5〜6時間程度。第2期(娩出期)は子宮口全開大から児娩出まで、初産婦で2〜3時間、経産婦で1〜1.5時間程度。第3期(後産期)は児娩出から胎盤娩出まで、15〜30分程度。Aさんは第1期約13時間30分、第2期約50分、第3期10分で計14時間30分となり、初産婦として順調な分娩経過。分娩所要時間が30時間を超えると遷延分娩、初産婦で4時間未満は急速分娩と判断する。
分娩所要時間の起点(規則的陣痛10分間隔)と終点(胎盤娩出)を正確に押さえる問題。分娩第1〜3期の概念を理解しているかが鍵。
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