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学童のギプス固定後の生活指導

看護師国家試験 第104回 午前 第60問 / 小児看護学 / 検査・処置を受ける子どもと家族への看護

国試問題にチャレンジ

104回 午前 第60問

A君(8歳、男児)は、先天性内反足(congenital clubfoot)の手術後、両下腿のギプス固定を行う予定である。手術前にA君に対してギプス固定後の日常生活に関する説明をすることになった。 A君に対する看護師の説明で適切なのはどれか。

  1. 1.「シャワー浴はやめておきましょう」
  2. 2.「ギプスの部分を高くしておきましょう」
  3. 3.「足のゆびを動かさないようにしましょう」
  4. 4.「ギプスを外すまでベッド上で過ごしましょう」

対話形式の解説

博士 博士

A君は8歳で先天性内反足の手術後、両下腿にギプス固定するぞ。術前指導のポイントは何かの?

アユム アユム

ギプス固定後の浮腫予防が最優先ですよね。

博士 博士

その通りじゃ。なぜ浮腫が起きやすいのかの?

アユム アユム

ギプスで下肢の静脈やリンパの還流が滞るからです。

博士 博士

だから患肢を心臓より高く挙上するのが基本指導じゃ。

アユム アユム

枕やクッションで支える具体的な方法を絵で示すと分かりやすいですね。

博士 博士

シャワー浴はどうかの?

アユム アユム

ギプスをビニールで覆うなど濡れない工夫をすれば可能です。

博士 博士

足趾を動かさないように、というのは?

アユム アユム

逆ですね。足趾運動は循環促進や拘縮予防、神経麻痺予防に有効です。

博士 博士

ギプス除去までベッド上安静というのも?

アユム アユム

活動的な8歳には負担が大きく、車椅子や松葉杖で活動範囲を広げる方がよいです。

博士 博士

ギプス装着後の観察項目を5Pで言えるかの?

アユム アユム

Pain、Pallor、Pulselessness、Paresthesia、Paralysisですね。

博士 博士

早期発見が大切なのはコンパートメント症候群じゃ。

アユム アユム

強い痛みや指先の蒼白を訴えたら速やかに医師へ報告します。

博士 博士

A君と家族の両方に分かりやすく説明することが大事じゃぞ。

POINT

ギプス固定後は静脈還流低下による浮腫やコンパートメント症候群のリスクがあり、患肢挙上が基本指導となります。シャワー浴は防水すれば可能で、足趾運動は循環促進・拘縮予防に有効、ベッド上安静の長期化は不要です。観察は5Pで早期に異常を察知し、強い疼痛や蒼白は緊急対応が必要です。学童には絵やパンフレットで発達段階に応じた説明を行い、家族と協働して安全な生活を支援します。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:A君(8歳、男児)は、先天性内反足(congenital clubfoot)の手術後、両下腿のギプス固定を行う予定である。手術前にA君に対してギプス固定後の日常生活に関する説明をすることになった。 A君に対する看護師の説明で適切なのはどれか。

解説:正解は2です。ギプス固定後は静脈還流が低下し下肢の浮腫や疼痛が起きやすいため、手術側の下肢を心臓より高く挙上することが大切です。8歳のA君にも理解しやすい言葉で挙上の必要性を伝えます。

選択肢考察

  1. × 1.  「シャワー浴はやめておきましょう」

    ギプスをビニールで覆うなど濡れない工夫をすればシャワー浴は可能です。清潔保持や気分転換にもなるため、一律に禁止する説明は適切ではありません。

  2. 2.  「ギプスの部分を高くしておきましょう」

    ギプス固定により静脈・リンパ還流が低下し下肢に浮腫が生じやすいため、心臓より高く挙上することで腫脹・疼痛・コンパートメント症候群を予防できます。学童にも分かりやすい指導内容です。

  3. × 3.  「足のゆびを動かさないようにしましょう」

    足趾の自動運動はむしろ推奨され、循環促進・拘縮予防・筋萎縮予防に役立ちます。動かさないと血流が悪化し、神経麻痺や深部静脈血栓のリスクが高まります。

  4. × 4.  「ギプスを外すまでベッド上で過ごしましょう」

    8歳の活動的な子どもをギプス除去まで臥床させ続けるのは身体的・心理的負担が大きく、医師の指示の範囲で車椅子や松葉杖を使い活動範囲を広げるのが望ましいです。

ギプス固定後の観察ポイントは循環(皮膚色・冷感・浮腫)、神経(しびれ・運動)、感覚(疼痛・かゆみ)の5Pです(Pain・Pallor・Pulselessness・Paresthesia・Paralysis)。コンパートメント症候群は早期発見が重要で、強い疼痛や指先の蒼白を訴えたら速やかに医師へ報告します。学童には絵やパンフレットを使い、本人と家族の両方に分かりやすい説明を行います。

小児のギプス固定後の日常生活指導として、患肢挙上の重要性と発達段階に応じた説明方法が問われています。