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男児の採尿バッグ、正しく貼れる?小児看護の基本手技

看護師国家試験 第106回 午前 第79問 / 小児看護学 / 検査・処置を受ける子どもと家族への看護

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第79問

排泄が自立していない男児の一般尿を採尿バッグを用いて採取する方法で正しいのはどれか。

  1. 1.採尿バッグに空気が入らないようにする。
  2. 2.採尿口の下縁を陰茎の根元の位置に貼付する。
  3. 3.採尿バッグを貼付している間は座位とする。
  4. 4.採取できるまで1時間ごとに貼り替える。
  5. 5.採取後は貼付部位をアルコール綿で清拭する。

対話形式の解説

博士 博士

今回は小児看護の実技問題じゃ。排尿が自立していない男児の一般尿を採尿バッグで取る方法を問うておる。

サクラ サクラ

採尿バッグって、使い捨てのビニール袋みたいなやつですよね?

博士 博士

そうじゃ。接着面付きのビニール袋で、陰部に貼り付けて自然な排尿を待って採尿する。

サクラ サクラ

選択肢1の『空気が入らないようにする』は正しそうな気がしますけど…

博士 博士

実は逆じゃ。空気がないと袋がぺたんこに潰れて開口部も塞がる。乳幼児の排尿は勢いが弱いから、バッグに入りきらず漏れてしまう。少し空気を入れて膨らませておくのが正解じゃ。

サクラ サクラ

なるほど、盲点でした。

博士 博士

選択肢2の『採尿口の下縁を陰茎の根元に貼付する』はどうじゃ?

サクラ サクラ

陰茎を完全に袋に入れるんですよね?

博士 博士

その通り!男児では陰茎全体が採尿口から袋内に入るように、開口部の下縁を陰茎の根元にぴったり貼り付ける。ここがずれると尿が漏れるから、隙間を作らないことが大事じゃ。

サクラ サクラ

女児の場合は?

博士 博士

女児は外陰部全体(大陰唇の外側)を覆うように貼る。会陰の形状に合わせて密着させるのじゃ。

サクラ サクラ

選択肢3の『座位を保つ』は?

博士 博士

座位に固定する必要はない。普段の体位で自然な排尿を待つのが良い。むしろ座位を強いると子どもがストレスで排尿しにくくなる。

サクラ サクラ

選択肢4の『1時間ごとに貼り替え』は?

博士 博士

頻繁な貼り替えは皮膚トラブルの原因になる。接着剤かぶれ、剥離刺激による発赤、表皮剥離などじゃ。漏れや剥がれがない限り、そのまま待つ。

サクラ サクラ

選択肢5の『アルコール綿で清拭』は?

博士 博士

乳幼児の皮膚にはアルコールは刺激が強すぎる。接触皮膚炎や発赤の原因になる。ぬるま湯や清拭タオルで優しく拭けば十分じゃ。

サクラ サクラ

じゃあ正解は2ですね。

博士 博士

正解!貼付前のコツも押さえておこう。まず陰部を清拭して乾燥させる。皮脂や水分があると接着剤がつかず漏れの原因になる。

サクラ サクラ

他に注意点はありますか?

博士 博士

細菌検査用の尿は採尿バッグでは汚染リスクが高い。カテーテル採尿や清浄な容器での採取が望ましい。一般尿と細菌検査は目的によって方法を変えるのじゃ。

サクラ サクラ

家族への説明も大切ですね。

博士 博士

その通り。採尿には時間がかかるから、家族に貼付の意味と観察のポイントを伝え、排尿があったらすぐナースコールしてもらう。協力が不可欠じゃ。

サクラ サクラ

排尿してからの取り外しも優しくですね。

博士 博士

うむ。接着部分をゆっくり剥がし、皮膚に赤みや発疹がないか観察する。赤ちゃんは皮膚が薄いから特に丁寧にのう。

POINT

採尿バッグを用いた男児の一般尿採取では、採尿口の下縁を陰茎の根元に密着させ、陰茎全体が袋内に収まるように貼付することが最も重要なポイントです。バッグには少量の空気を入れて膨らませ、排尿の受け皿として機能させます。貼付中の体位は自然なままで良く、頻繁な貼り替えや貼付部位のアルコール消毒は皮膚トラブルや刺激の原因となるため不適切です。乳幼児の採尿は時間を要するため、家族への説明と協力、皮膚状態の観察、貼付前の皮膚乾燥確認など、小児看護の細やかな配慮が求められます。細菌検査目的ではカテーテル採尿など汚染リスクの低い方法の検討も重要です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:排泄が自立していない男児の一般尿を採尿バッグを用いて採取する方法で正しいのはどれか。

解説:正解は 2 の『採尿口の下縁を陰茎の根元の位置に貼付する』です。採尿バッグは、排尿が自立していない乳幼児の一般尿(中間尿や全部採尿)を採取する際に使用する使い捨ての採尿袋で、接着面付きのビニール製です。男児では陰茎全体が採尿口(袋の開口部)の中に完全に入るように、採尿口の下縁を陰茎の根元にしっかりと密着させて貼り付けます。ずれると尿が皮膚を伝って漏れてしまうため、隙間ができないよう注意します。女児の場合は外陰部全体(大陰唇の外側)を覆うように貼ります。

選択肢考察

  1. × 1.  採尿バッグに空気が入らないようにする。

    誤り。空気を入れておかないとバッグが潰れて『開口部』が塞がり、排尿の勢いで押し広げる必要が生じる。排尿が自立していない乳幼児ではそのような勢いはなく、逆に漏れの原因となる。適度に空気を入れて袋を膨らませておくのが正しい。

  2. 2.  採尿口の下縁を陰茎の根元の位置に貼付する。

    正しい。男児では陰茎を完全にバッグ内に収めるため、採尿口の下縁を陰茎の根元に密着させて貼付する。

  3. × 3.  採尿バッグを貼付している間は座位とする。

    誤り。座位に固定する必要はなく、むしろ普段の排尿しやすい姿勢(立位・仰臥位・オムツでの通常体位)で構わない。座位に拘束すると子どもへの負担も大きく、かえって排尿を妨げる。

  4. × 4.  採取できるまで1時間ごとに貼り替える。

    誤り。頻繁な貼り替えは皮膚トラブル(接着剤かぶれ・剥離刺激による発赤・表皮剥離)を起こし、コスト面でも不適切。漏れや剥がれがあれば交換するが、時間で機械的に貼り替える必要はない。

  5. × 5.  採取後は貼付部位をアルコール綿で清拭する。

    誤り。貼付部位は医療用テープが貼られていただけで創傷や消毒必要部位ではない。むしろアルコールは乳幼児の皮膚刺激が強く、発赤・接触皮膚炎の原因となる。ぬるま湯や清拭タオルで優しく拭き取る程度が適切。

採尿バッグ使用時の看護のポイント:①使用前に陰部を清拭し乾燥させる(皮脂や水分があると接着不良になる)、②貼付前に袋に少量の空気を入れておく、③男児は陰茎を袋内に、女児は外陰部全体を覆うように、④貼付後は通常の体位・オムツで自然排尿を待つ、⑤排尿を確認したらすぐに取り外し、皮膚をぬるま湯や清拭で整える、⑥細菌検査用の中間尿採取は採尿バッグでは汚染リスクが高く、清浄な容器やカテーテル採尿を検討。乳幼児の採尿は時間がかかるため、家族への説明と協力が不可欠。

小児看護の基本手技、採尿バッグの正しい使用法を問う問題。男児では陰茎を完全に袋内に収めるように採尿口の下縁を陰茎根元に貼付するという1点を押さえる。