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4歳児への採血、嘘も脅しもダメ。プレパレーションの正解は?

看護師国家試験 第114回 午後 第59問 / 小児看護学 / 検査・処置を受ける子どもと家族への看護

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第59問

標準的な成長・発達をしている4歳の男児に対して採血を行う。看護師が男児に採血についてのプレパレーションを実施した。その後に伝えることで適切なのはどれか。

  1. 1.「痛くないよ」
  2. 2.「すぐに終わっちゃうよ」
  3. 3.「何か聞きたいことはないかな」
  4. 4.「やらないと病気になっちゃうよ」

対話形式の解説

博士 博士

今日はプレパレーションについて学ぶぞ。小児看護の核となる技法じゃ。

サクラ サクラ

プレパレーションってどんな意味ですか?

博士 博士

もとは「準備すること」じゃが、小児医療では子どもが検査や処置に心理的に備えられるように、発達段階に応じて説明や遊びを通して支援することを指す。

サクラ サクラ

4歳の男の子だと、どのくらい説明できるんでしょうか?

博士 博士

ピアジェの発達段階でいうと前操作期じゃな。言葉や象徴を使って物事を理解し始める時期で、絵本や人形、採血キットの模型を使った説明がよく合う。

サクラ サクラ

プレパレーションをした後、看護師が伝える言葉として適切なのは?

博士 博士

「何か聞きたいことはないかな」と問いかけるのが正解じゃ。子どもが自分の不安や疑問を言葉にできる機会を作るのじゃ。

サクラ サクラ

「痛くないよ」と伝えるのはダメなんですか?

博士 博士

採血は実際に痛みを伴う。嘘をつけば子どもは「大人は嘘をつく」と学んでしまい、次回からの医療への信頼が崩れる。「ちくっとするよ」と正直に伝えるのが基本じゃ。

サクラ サクラ

「すぐ終わるよ」というのも?

博士 博士

幼児の時間感覚は大人と違って未熟じゃ。「すぐ」と言われても長く感じれば不信感につながる。「3つ数えるくらいで終わるよ」など具体的に伝える方が良いのじゃ。

サクラ サクラ

「やらないと病気になっちゃうよ」は脅しっぽいですね。

博士 博士

その通り。脅しは子どもの自尊心を傷つけ、医療を恐怖の対象にしてしまう。プレパレーションは安心と肯定感を育てるのが目的じゃから真逆の対応になる。

サクラ サクラ

プレパレーションの基本原則を教えてください。

博士 博士

正直に伝える、発達段階に合わせる、遊びを取り入れる、感情表出を促す、肯定的に取り組めるよう支援する、家族と協働する。この6つを覚えておくとよい。

サクラ サクラ

処置後はどうすればいいですか?

博士 博士

ディストラクションといって注意をそらす方法や、頑張ったねとシールやスタンプで認める。家族の同伴も大きな安心になる。

サクラ サクラ

ロールプレイも効果的ですか?

博士 博士

人形に採血する真似をしたり、絵本を一緒に読んだりすると、子ども自身の対処能力が引き出される。これがプレパレーションの本質じゃ。

サクラ サクラ

子どもを尊重して、安心と納得をつくる関わりが大切なんですね。

POINT

プレパレーションは、子どもが医療体験に心理的に備え、自分なりの対処方略を持てるよう発達段階に応じた説明や遊びを通じて支援する小児看護の重要な技法です。説明後には「何か聞きたいことはないかな」と問いかけて子どもの理解度や不安、疑問を確認し、感情表出の機会を保障することが核心となります。「痛くないよ」「すぐ終わるよ」といった嘘や、「やらないと病気になる」といった脅しは信頼関係や自尊心を損ねるため避けます。4歳の前操作期では絵本・人形・採血キットの模型を使ったロールプレイ、終了後のディストラクションと頑張りの承認、家族の同伴などが効果的です。プレパレーションの実践は子どもの医療体験を肯定的なものに変え、その後の医療への信頼や対処能力を育てる土台となります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:標準的な成長・発達をしている4歳の男児に対して採血を行う。看護師が男児に採血についてのプレパレーションを実施した。その後に伝えることで適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。プレパレーションは、子どもが処置・検査・入院などの医療体験に対し心理的に準備でき、自分なりの対処方略を持てるよう、年齢・発達段階に応じた説明や遊びを通して支援する小児看護の重要な技法である。説明後には子どもの理解度や不安・疑問を確認することが欠かせず、「何か聞きたいことはないかな」と問いかけることで、子どもが自分の気持ちを表出する機会を保障し、納得して処置に向かえるよう支援できる。4歳児はピアジェの認知発達理論では前操作期にあり、自我が育ち言葉で表現する力も伸びるため、こうした問いかけが特に有効である。

選択肢考察

  1. × 1.  「痛くないよ」

    採血は実際に痛みを伴う処置であり、嘘の情報提供は子どもの信頼を損ない、その後の医療体験への不安や恐怖を増幅させる。「ちくっとするよ」など事実に即した正直な説明が望ましい。

  2. × 2.  「すぐに終わっちゃうよ」

    幼児は時間感覚が未熟で「すぐ」の感じ方が大人とは大きく異なる。実際にかかる時間より長く感じれば不信感につながり、プレパレーションの目的にそぐわない。

  3. 3.  「何か聞きたいことはないかな」

    子どもの理解度・不安・疑問を確認し、自分の気持ちを表出する機会を保障する声かけ。納得して処置に臨めるよう支援するプレパレーションの本質に合致する。

  4. × 4.  「やらないと病気になっちゃうよ」

    脅しや恐怖に基づく説明は子どもの自尊心を傷つけ、医療への信頼を損なう。プレパレーションは安心と肯定的な感情を育てるアプローチであり、こうした表現は禁忌である。

プレパレーションの基本原則は「正直に伝える」「発達段階に合わせた方法を選ぶ」「遊びを取り入れる」「感情表出を促す」「肯定的に取り組めるよう支援する」「家族と協働する」などである。4歳の前操作期では、絵本・人形・採血キットを使ったロールプレイが有効で、針は実物大の写真や注射器の模型を見せ、「ちくっとするけど、終わったら頑張ったねってシール貼ろうね」など具体的かつポジティブに伝える。採血後はディストラクション(注意をそらす)と頑張りを認める言葉かけ、保護者の同伴も子どもの安心感を高める重要な要素となる。

プレパレーションの目的(不安軽減・対処能力の引き出し)と原則(正直・発達段階に応じる・感情表出を促す)を理解しているかを問う問題。脅しや嘘の説明はプレパレーションに反することを押さえる。