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おねしょは叱らない!夜尿症ケアの三原則を学ぼう

看護師国家試験 第114回 午前 第62問 / 小児看護学 / 慢性疾患・障害のある子どもと家族への看護

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第62問

一次性の夜尿症(nocturnal enuresis)で通院中の7歳の女児。 保護者への生活のアドバイスで適切なのはどれか。

  1. 1.「1日に飲む水分の量を減らしましょう」
  2. 2.「寝る直前に水分をしっかり飲ませましょう」
  3. 3.「おねしょをしても叱らないようにしましょう」
  4. 4.「夜中、決めた時間に起こして排尿を促しましょう」

対話形式の解説

博士 博士

今回は7歳女児の一次性夜尿症の保護者指導じゃ。看護師としてどんな声かけが望ましいか考えてみよう。

アユム アユム

夜中におしっこをしてしまう子に、何て言ったらいいんでしょう…。

博士 博士

まず一次性夜尿症の定義をおさえるのじゃ。生後から一度も夜尿が消失したことがなく、5歳以降に月1回以上、3か月以上続く状態をいう。

アユム アユム

生まれてからずっと続いている、ということなんですね。

博士 博士

そうじゃ。原因は本人のせいではなく、膀胱容量の未成熟、夜間の抗利尿ホルモン分泌不足、深い眠りによる覚醒困難などが絡んでおる。

アユム アユム

だから「叱らない」が大事になるんですね。

博士 博士

その通り!「あせらず・怒らず・起こさず」の三原則は国試でも頻出じゃ。叱責はストレスを増やし、夜尿を悪化させる。

アユム アユム

水分はどう調整したらいいですか?

博士 博士

1日の総量を減らすのはダメじゃ。脱水になる。日中はしっかり摂って、夕食以降の水分・塩分を控えめにする。

アユム アユム

夜中に起こしてトイレに連れていくのは?

博士 博士

それも禁物じゃ。夜中に起こすと睡眠が浅くなり、抗利尿ホルモンの分泌が低下する。結果として夜間尿量が増えて悪化するのじゃ。

アユム アユム

抗利尿ホルモンは深い睡眠中に多く出るんでしたね。

博士 博士

うむ。だから自然な睡眠を守ることが治療の一部なのじゃ。

アユム アユム

他にできる工夫はありますか?

博士 博士

就寝前の排尿習慣化、便秘予防、寝冷えを避けることなどが有効じゃ。生活指導で改善が不十分なときはデスモプレシンや夜尿アラームを検討する。

アユム アユム

改善には時間がかかるんですね。

博士 博士

自然軽快率は年に約10〜15%。だが早期治療で治癒率が高まり、子どもの自己肯定感を守れる意義は大きいぞ。

アユム アユム

看護師は子どもと家族の心も支える存在なんですね。

POINT

一次性夜尿症は生後から夜尿が連続して消失したことがない状態で、原因は膀胱機能の未成熟・夜間多尿・覚醒困難など本人の制御外の要素が中心です。生活指導の三原則は「起こさない・あせらない・怒らない」であり、保護者には叱責せず子どもの不安に寄り添う姿勢が求められます。1日の総水分量制限は脱水のリスクから不適切で、夕食以降の水分・塩分を控えめにする調整が原則です。夜間覚醒は睡眠と抗利尿ホルモン分泌のリズムを崩すため避け、就寝前排尿の習慣化や便秘予防など多面的に支援します。看護師は子どもの自己肯定感を守りながら家族全体を支えるという、慢性的な小児疾患支援の基本姿勢を学ぶ良い問題です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:一次性の夜尿症(nocturnal enuresis)で通院中の7歳の女児。 保護者への生活のアドバイスで適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。一次性夜尿症は生後から一度も連続した夜間尿失禁の消失期がない状態で、5歳を過ぎても月1回以上、3か月以上続くものを指します。原因は膀胱機能の未成熟、夜間多尿(抗利尿ホルモン分泌の日内リズム未確立)、深い睡眠による覚醒困難など本人の意思では制御できない要素が中心で、心理的ストレスは症状を悪化させます。治療と生活指導の三原則は「起こさない・あせらない・怒らない」であり、保護者には叱責せず子どもの不安に寄り添う姿勢を伝えることが最も適切な助言となります。

選択肢考察

  1. × 1.  「1日に飲む水分の量を減らしましょう」

    1日全体の水分量を減らすと小児は脱水を起こしやすい。7歳児で必要水分量はおよそ1000〜1400mL/日とされ、日中は十分に水分を摂取し、夕食以降の水分量を控える形で調整するのが原則。

  2. × 2.  「寝る直前に水分をしっかり飲ませましょう」

    就寝直前の水分摂取は夜間尿量を増やし、夜尿を悪化させる。夕食以降から就寝までは水分を控えめにし、塩分や水分を多く含む食品(スープ・果物など)にも配慮する。

  3. 3.  「おねしょをしても叱らないようにしましょう」

    夜尿は本人の努力で防げるものではなく、叱責はストレスとなり症状を悪化させる。保護者が落ち着いて対応し、成功体験を積み重ねられるよう支えることが治療上きわめて重要。

  4. × 4.  「夜中、決めた時間に起こして排尿を促しましょう」

    夜間に起こすと睡眠覚醒リズムが乱れ、抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌が低下する。結果として夜間尿量が増え、夜尿症の改善を妨げる。

夜尿症の生活指導は「あせらず・怒らず・起こさず」の三原則が基本。加えて、規則正しい生活、夕食は就寝の2〜3時間前まで、塩分・水分の摂りすぎに注意、就寝前の排尿習慣化、便秘予防、冷え対策などを組み合わせる。これらの基本的指導で改善が乏しい場合は、抗利尿ホルモン薬(デスモプレシン)やアラーム療法(夜尿センサー)などの治療が選択される。自然軽快率は年に約10〜15%とされるが、早期に治療介入することで治癒率は高まり、子どもの自己肯定感の低下を防ぐ意義も大きい。

一次性夜尿症の保護者指導の要点を問う問題。生活指導の三原則「起こさない・あせらない・怒らない」と、就寝前水分制限はあっても1日の総量制限は不要であることが鍵。