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ナルコレプシーの4主徴を押さえよう

看護師国家試験 第113回 午前 第65問 / 精神看護学 / 精神疾患・障害の特徴と看護

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第65問

Aさん(30歳、男性)は、昼間の過剰な眠気を主訴に来院した。会社の会議ではいつも寝てしまい、居眠り運転で交通事故を起こしたこともある。笑ったときに脱力してしまうことや、入眠時に誰もいないのに人影が見えたり、睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなることがある。 最も考えられる疾患はどれか。

  1. 1.ナルコレプシー(narcolepsy)
  2. 2.レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)
  3. 3.睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)
  4. 4.レストレスレッグス症候群<むずむず脚症候群>(restless legs syndrome)

対話形式の解説

博士 博士

30歳男性の過剰な眠気の症例じゃ。鍵となる所見はどこじゃろう?

サクラ サクラ

会議中も眠ってしまう強い眠気と、笑ったときに脱力するという描写が目につきます。

博士 博士

そうじゃ。その脱力は情動脱力発作、いわゆるカタプレキシーと呼ばれるものじゃ。

サクラ サクラ

さらに入眠時に人影が見えるのは幻覚ですよね。

博士 博士

入眠時幻覚じゃな。加えて体が動かせなくなるのは睡眠麻痺、いわゆる金縛りじゃ。

サクラ サクラ

4つの特徴が揃っていますね。これはナルコレプシーで間違いなさそうです。

博士 博士

その通り。この4主徴が揃うのはナルコレプシーの典型例じゃ。視床下部のオレキシン神経の低下が関わるとされておる。

サクラ サクラ

レム睡眠行動障害との違いは何でしょう?

博士 博士

レム睡眠行動障害は夢に伴って暴れるなど行動化するもので、高齢男性に多い。日中の眠気や脱力発作は主症状ではないのじゃ。

サクラ サクラ

睡眠時無呼吸症候群では眠気が出ますが、どう違いますか?

博士 博士

SASは夜間のいびきや無呼吸が軸で、情動脱力や入眠時幻覚は出ないのが鑑別点じゃ。

サクラ サクラ

レストレスレッグス症候群は下肢のむずむずでしたね。

博士 博士

そうじゃ、女性や鉄欠乏・透析患者に多い。Aさんの像とは合わん。

サクラ サクラ

治療は薬だけですか?

博士 博士

モダフィニルなどの薬物療法と合わせて、短時間仮眠や生活リズムの調整も大事じゃ。運転業務への配慮も忘れてはいかんぞ。

POINT

本問はナルコレプシーの4主徴を問う典型例です。睡眠発作、情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺の4つがそろえばナルコレプシーを強く疑います。レム睡眠行動障害やSAS、むずむず脚症候群と混同しないよう、発症年代・性差・随伴症状から鑑別する視点が重要です。薬物療法と生活指導、安全管理を含めた包括的な支援を理解しておきましょう。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:Aさん(30歳、男性)は、昼間の過剰な眠気を主訴に来院した。会社の会議ではいつも寝てしまい、居眠り運転で交通事故を起こしたこともある。笑ったときに脱力してしまうことや、入眠時に誰もいないのに人影が見えたり、睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなることがある。 最も考えられる疾患はどれか。

解説:正解は1のナルコレプシーです。日中の耐え難い眠気(睡眠発作)、感情刺激で筋力が抜ける情動脱力発作(カタプレキシー)、入眠時幻覚、睡眠麻痺というナルコレプシーの4主徴がAさんの症状に揃って認められます。視床下部のオレキシン神経系の機能低下が病態背景とされ、思春期から若年成人期に発症することが多い疾患です。

選択肢考察

  1. 1.  ナルコレプシー(narcolepsy)

    日中の過剰な眠気、笑いで脱力する情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺の4主徴が揃っており、典型的なナルコレプシーの臨床像です。30歳男性という発症年齢も矛盾しません。

  2. × 2.  レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)

    REM睡眠時の筋緊張抑制が破綻し、夢の内容に沿って暴れるなどの異常行動を起こす疾患です。50歳以降の男性に多く、日中の眠気やカタプレキシーは主症状ではありません。

  3. × 3.  睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)

    睡眠中の無呼吸・低呼吸の反復により夜間睡眠が分断され日中に眠気が出ます。強いいびきや起床時頭痛が特徴で、情動脱力発作や入眠時幻覚は通常みられません。

  4. × 4.  レストレスレッグス症候群<むずむず脚症候群>(restless legs syndrome)

    夕方から夜間に下肢の不快感が生じ、動かすと軽減する疾患で、中年以降の女性や鉄欠乏・透析患者に多く見られます。Aさんの症状像とは合致しません。

ナルコレプシーの治療はモダフィニルやメチルフェニデートなどの精神刺激薬で眠気を、三環系抗うつ薬やSNRIでカタプレキシーをコントロールします。規則的な睡眠習慣と短時間の計画仮眠(パワーナップ)も有用で、運転業務への配慮が安全上重要です。

ナルコレプシーの4主徴(睡眠発作・情動脱力発作・入眠時幻覚・睡眠麻痺)を把握し、他の睡眠障害と鑑別できるかを問う設問です。