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精神保健福祉センターはどこに置かれる?日本の精神医療の現状を整理

看護師国家試験 第103回 午前 第71問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第71問

現在の日本の精神医療について正しいのはどれか。

  1. 1.精神及び行動の障害で入院した患者で最も多いのはうつ病(depression)である。
  2. 2.人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中では低い水準である。
  3. 3.各都道府県及び政令指定都市に精神保健福祉センターが設置されている。
  4. 4.精神障害者保健福祉手帳制度によって外来通院の医療費の給付が行われる。

対話形式の解説

博士 博士

今日は日本の精神医療の現状についての問題じゃ。入院疾患・病床数・センターの設置・手帳制度と論点が広いぞ。

サクラ サクラ

精神疾患の入院で一番多いのって、ニュースで聞くうつ病ですか?

博士 博士

意外に思うかもしれんが入院では統合失調症が最多で、約半数を占めるんじゃ。総患者数だと気分障害や認知症が多いから混同しないようにな。

サクラ サクラ

なるほど、入院と外来で分けて覚える必要があるんですね。病床数はどうですか?

博士 博士

日本の人口当たり精神病床数はOECD加盟国の中で突出して多いんじゃ。長期入院問題が背景にあって、地域移行が長年の課題になっておる。

サクラ サクラ

じゃあ選択肢2の「低い水準」は逆ですね。正解は3の精神保健福祉センターですか?

博士 博士

その通り。精神保健福祉法第6条で各都道府県と政令指定都市に設置すると定められておる。地域の相談、啓発、手帳判定、通院医療費の判定などを行う中核機関じゃ。

サクラ サクラ

選択肢4の手帳で医療費給付というのは違うんですよね?

博士 博士

そうじゃ。外来通院の医療費軽減は障害者総合支援法に基づく自立支援医療(精神通院医療)の役目で、原則1割負担になる。手帳制度は税控除や運賃割引などが中心じゃよ。

サクラ サクラ

「手帳は割引・控除」「自立支援医療は医療費軽減」と分けて覚えればいいんですね。

博士 博士

その整理でばっちりじゃ。精神保健福祉センターは医師・PSW・保健師など多職種が連携する地域精神保健の要、と覚えておくとよいぞ。

POINT

日本の精神科入院患者は統合失調症が最多で、人口当たりの精神病床数はOECD加盟国中で最も多い水準にあります。精神保健福祉センターは精神保健福祉法第6条により各都道府県および政令指定都市に必置とされ、相談・啓発・手帳判定など地域精神保健の中核を担います。精神障害者保健福祉手帳は税控除や運賃割引が主な支援で、外来医療費の軽減は自立支援医療(精神通院医療)が対応します。制度ごとの役割を区別して整理しておくことが重要です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:現在の日本の精神医療について正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。精神保健福祉センターは精神保健福祉法第6条に基づき、各都道府県および政令指定都市に設置することが義務づけられている公的機関で、精神保健の向上と精神障害者の福祉増進を目的としています。医師、精神保健福祉士、保健師、臨床心理士、看護師などの専門職が配置され、精神保健に関する相談、複雑困難なケースへの対応、地域住民への啓発、精神障害者保健福祉手帳の判定、自立支援医療(精神通院医療)の判定などの業務を担います。地域における精神保健福祉の中核的な役割を果たす機関として位置づけられている点を押さえておきましょう。

選択肢考察

  1. × 1.  精神及び行動の障害で入院した患者で最も多いのはうつ病(depression)である。

    誤り。患者調査では精神疾患の入院患者で最も多いのは統合失調症で全体の約半数を占めます。総患者数では気分障害や認知症が増加傾向にありますが、入院理由では依然として統合失調症が最多です。

  2. × 2.  人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中では低い水準である。

    誤り。日本の人口千人当たりの精神病床数はOECD加盟国の中で突出して多く、最高水準です。長期入院による社会的入院が多いことが日本の精神医療の課題とされています。

  3. 3.  各都道府県及び政令指定都市に精神保健福祉センターが設置されている。

    正しい。精神保健福祉法第6条により、各都道府県および政令指定都市に精神保健福祉センターを設置することが定められています。地域の精神保健福祉の中核機関です。

  4. × 4.  精神障害者保健福祉手帳制度によって外来通院の医療費の給付が行われる。

    誤り。医療費の給付は障害者総合支援法の自立支援医療(精神通院医療)が担います。手帳制度は税控除や公共交通機関の運賃割引などの支援が中心で、医療費給付の制度ではありません。

精神保健福祉センターは法的には必置ですが、政令指定都市は設置できる(任意設置だった経緯あり)ものの実際にはすべて設置済みです。自立支援医療は手帳の有無に関係なく利用でき、原則1割負担に軽減されます。「手帳=割引・控除」「自立支援医療=医療費軽減」と整理して覚えましょう。

日本の精神医療の現状(入院疾患の内訳・OECD比較・精神保健福祉センターの設置・手帳制度の役割)を正確に把握しているかを問う問題です。