尿道形成術後の退院指導 腹ばいはなぜダメなのか
看護師国家試験 第106回 午前 第102問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂( hypospadias )の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂( distal hypospadias )と診断され
、1歳3か月のとき尿道形成術を受けた。 A君は、手術を受けて1週が経過した。全身状態が安定したため、尿道カテーテルが抜去された。医師から母親に「3日間、経過を観察し、問題がなければ退院できます。退院1か月後に外来を受診してください」と説明があった。 退院から外来受診までの日常生活の留意点に関して看護師が母親へ指導することになった。指導で適切なのはどれか。
- 1.「水分は控えましょう」
- 2.「入浴は避けましょう」
- 3.「1日1回導尿をしましょう」
- 4.「腹ばいの姿勢は避けましょう」
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
尿道形成術後の退院指導において、創部保護のために「何をしないように」伝えるかを問う問題。創部治癒に必要な期間と幼児特有の姿勢の関係を理解しているかがポイント。
解答・解説
正解は4です
問題文:、1歳3か月のとき尿道形成術を受けた。 A君は、手術を受けて1週が経過した。全身状態が安定したため、尿道カテーテルが抜去された。医師から母親に「3日間、経過を観察し、問題がなければ退院できます。退院1か月後に外来を受診してください」と説明があった。 退院から外来受診までの日常生活の留意点に関して看護師が母親へ指導することになった。指導で適切なのはどれか。
解説:正解は 4 です。尿道形成術の創部が完全に安定するまでには3〜4週間を要する。退院時点は術後約2週間であり、創部の瘢痕はまだ脆弱で機械的な擦過や圧迫に弱い。腹ばい(うつ伏せ)の姿勢は陰茎が布団や衣類に直接押し付けられ擦れる刺激となり、縫合部の離開・瘻孔形成・感染の誘因となるため、退院後も回避するよう指導することが最も重要である。
選択肢考察
- ×1. 「水分は控えましょう」
水分を控える医学的根拠はない。むしろ十分な水分摂取は尿を希釈して尿路感染を予防する効果があり、制限はむしろ逆効果となる。
- ×2. 「入浴は避けましょう」
カテーテルも抜去され創部の状態が安定していれば、入浴して清潔を保つことが感染予防につながる。おむつかぶれや便汚染を避けるためにも入浴は有用。
- ×3. 「1日1回導尿をしましょう」
カテーテル抜去後に自然排尿ができているからこそ退院の見通しが立っている。家族による定期導尿は適応外であり、排尿困難があれば受診するよう伝えるのが正しい。
- ○4. 「腹ばいの姿勢は避けましょう」
術後約2週間では創部の瘢痕形成が不十分で、腹ばい姿勢による陰茎の屈曲・圧迫・擦過は縫合不全や感染の原因となる。外来受診までの1か月間は特に注意が必要。
尿道下裂術後の家庭での注意点は、(1)創部を清潔に保つ(入浴可、おむつ交換をこまめに)、(2)陰茎への機械的刺激を避ける(腹ばい・またがるおもちゃ・硬い服装を避ける)、(3)排尿状況の観察(尿線の向き・尿勢・排尿時の泣きなど)、(4)感染徴候の観察(発赤・腫脹・発熱・膿)が柱となる。合併症として尿道皮膚瘻、尿道狭窄、尿道憩室があり、排尿時の異常を早期発見することが重要。1か月後の外来受診は創部治癒と排尿機能の評価を目的としている。
尿道形成術後の退院指導において、創部保護のために「何をしないように」伝えるかを問う問題。創部治癒に必要な期間と幼児特有の姿勢の関係を理解しているかがポイント。
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