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高齢者と経口薬の薬効

看護師国家試験 第111午後56

国試問題にチャレンジ

111午後56

高齢者に経口薬の薬効が強く現れる理由はどれか。

  1. 1.骨密度の低下
  2. 2.胃酸分泌の減少
  3. 3.消化管運動の低下
  4. 4.血清アルブミンの減少

対話形式の解説

博士博士
今回は高齢者で薬効が強く出やすい理由を考えよう。
サクラサクラ
同じ量の薬なのに効き方が違うんですか?
博士博士
そうなんだ。加齢で薬物動態が大きく変化するからね。
サクラサクラ
薬物動態とは何ですか?
博士博士
吸収・分布・代謝・排泄の4つの過程のこと。これらが加齢で変化する。
サクラサクラ
正解は何番ですか?
博士博士
正解は4の血清アルブミンの減少だよ。
サクラサクラ
アルブミンと薬効にはどんな関係が?
博士博士
薬物の多くはアルブミンと結合して運ばれるが、結合している間は作用しない。遊離型だけが薬効を発揮するんだ。
サクラサクラ
アルブミンが減ると遊離型が増えるのですね。
博士博士
そのとおり。相対的に活性型が増え、薬効や副作用が強く出やすい。
サクラサクラ
選択肢1の骨密度低下は?
博士博士
骨密度は薬物動態に直接関与しないので誤り。
サクラサクラ
選択肢2の胃酸分泌減少と選択肢3の消化管運動低下は?
博士博士
吸収速度や発現時間に影響することはあるが、薬効を強く増強する主因ではない。
サクラサクラ
特に注意すべき薬はありますか?
博士博士
ワルファリンやフェニトインなど、アルブミン結合率が高い薬剤は要注意。出血や中毒症状に直結する。
サクラサクラ
ポリファーマシーも問題ですね。
博士博士
高齢者では薬剤見直しが重要で、Beers基準やSTOPP/STARTなどのツールを活用するんだ。
サクラサクラ
高齢者の服薬管理は慎重さが求められますね。

POINT

加齢による薬物動態(吸収・分布・代謝・排泄)の変化、特に血清アルブミン低下と遊離型薬物増加の関係を理解しているかを問う問題です。

解答・解説

正解は4です

問題文:高齢者に経口薬の薬効が強く現れる理由はどれか。

解説:正解は 4 です。加齢により肝合成能が低下して血清アルブミンが減少すると、薬物と結合するアルブミンが少なくなり、薬効を発揮する遊離型薬物の血中濃度が相対的に上昇します。その結果、経口薬の薬効が強く現れやすくなります。

選択肢考察

  1. ×1.  骨密度の低下

    骨密度の低下は加齢変化ですが、薬物の吸収・分布・代謝・排泄のいずれにも直接影響しないため薬効増強の理由にはなりません。

  2. ×2.  胃酸分泌の減少

    胃酸分泌の減少は一部薬剤の吸収速度に影響しますが、薬効を強く発現させる主要因ではなく、むしろ酸性薬物の吸収を遅らせる場合もあります。

  3. ×3.  消化管運動の低下

    消化管運動の低下は吸収速度や効果発現時間に影響を及ぼすことがありますが、薬効の強さを決定的に増強する機序ではありません。

  4. 4.  血清アルブミンの減少

    アルブミンと結合した薬物は不活性ですが、結合できずに遊離した薬物が作用を発揮します。アルブミン減少により遊離型の割合が増えるため、薬効や副作用が強く出やすくなります。

高齢者では肝血流量減少・CYP活性低下による代謝低下、腎機能低下(GFR低下)による排泄遅延、体脂肪率上昇・体水分量減少による分布容積の変化も起こります。ワルファリンやフェニトインなどアルブミン結合率の高い薬剤は特に注意が必要です。ポリファーマシー対策として薬剤の定期的見直し(Beers基準、STOPP/START)が推奨されます。

加齢による薬物動態(吸収・分布・代謝・排泄)の変化、特に血清アルブミン低下と遊離型薬物増加の関係を理解しているかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。