知的障害とは何か?発達期に始まる「2つの障害」を整理しよう
看護師国家試験 第114回 午前 第71問
国試問題にチャレンジ
知的障害<精神遅滞>(intellectual disability<mental retardation>)について正しいのはどれか。
- 1.成人期に発症する。
- 2.退行現象の1つである。
- 3.統合失調症(schizophrenia)が原因となる。
- 4.知的機能と適応機能が障害される。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
知的障害(精神遅滞)の定義そのものを問う基本問題。発症時期(発達期)と、知的機能・適応機能の両方が障害されることがキーワード。
解答・解説
正解は4です
問題文:知的障害<精神遅滞>(intellectual disability<mental retardation>)について正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。知的障害(精神遅滞)は、DSM-5やICD-11において、おおむね18歳までの発達期に始まり、知的機能(推論・問題解決・計画・抽象的思考・学習・経験からの判断など)の明らかな制約と、適応機能(コミュニケーション、対人関係、自己管理、家庭生活、地域社会への参加、学業や就労など)の制約という二領域の障害が認められる状態と定義される。両領域の障害がそろって初めて知的障害と診断され、重症度は軽度・中等度・重度・最重度に分類される。
選択肢考察
- ×1. 成人期に発症する。
知的障害は発達期、おおむね18歳未満に発現する障害である。成人期に新たに知的機能が低下する場合は認知症など別の病態として扱われる。
- ×2. 退行現象の1つである。
退行とは一度獲得した行動様式が一時的に未熟な段階に戻る現象で、心理的防衛機制の一つ。発達期に生じる持続的な知的・適応機能の制約である知的障害とは性質が異なる。
- ×3. 統合失調症(schizophrenia)が原因となる。
統合失調症は思春期以降に発症する精神疾患であり、知的障害の原因疾患ではない。知的障害の原因は染色体異常、遺伝子異常、周産期障害、出生後の脳炎・外傷など多岐にわたる。
- ○4. 知的機能と適応機能が障害される。
知的障害の診断基準そのもので、知的機能(IQで評価)と適応機能(日常生活上のスキル)の両方の制約が発達期に認められることが要件となる。
知的障害の重症度は、かつてはIQの数値で判定されていたが、現在のDSM-5では適応機能の障害の程度を重視して分類される。原因としては、ダウン症候群やフェニルケトン尿症などの先天性疾患、胎児性アルコール症候群、低酸素性虚血性脳症、髄膜炎後遺症などが知られる。看護では本人の理解度に合わせた具体的で分かりやすい言葉、視覚的支援、繰り返しの説明、家族支援が基本となる。
知的障害(精神遅滞)の定義そのものを問う基本問題。発症時期(発達期)と、知的機能・適応機能の両方が障害されることがキーワード。
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