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変形性膝関節症と関節鏡

成人看護学 / 運動器

解説

変形性膝関節症とは、関節軟骨の退行性変化を基盤に、骨棘形成や軟骨下骨硬化、滑膜炎などを伴って慢性的に進行する関節疾患です。今回は変形性膝関節症の病態・症状・治療と、診断や治療に用いられる膝関節鏡検査について解説します。

疫学とリスク因子

変形性膝関節症は中高年に多く、特に女性に好発します。閉経後の女性ホルモン低下が軟骨代謝に影響することが一因と考えられており、日本における有病率は非常に高く、国民病とも称されます。リスク因子としては、加齢、肥満、O脚(内反変形)、過去のスポーツ歴や膝の外傷歴、女性、家族歴などが挙げられます。特に肥満は機械的負荷を直接増大させるため、強力なリスク因子です。

病態と症状

関節軟骨が摩耗すると、軟骨下骨が露出して骨硬化が進み、関節辺縁には骨棘が形成されます。滑膜は刺激を受けて炎症を起こし、関節液が過剰に貯留して関節水腫を生じます。症状の特徴は、動作開始時痛荷重時痛で、歩き始めや立ち上がりに痛みが強く、しばらく動くと軽減する傾向があります。進行すると可動域制限が明らかになり、正座や階段昇降が困難になります。さらに変形が進むと**O脚(内反変形)**が顕著となり、安静時痛や夜間痛も出現します。

診断

診断はX線が基本で、関節裂隙の狭小化、骨棘、軟骨下骨硬化、骨嚢胞を確認し、Kellgren-Lawrence分類で重症度を評価します。軟骨や半月板の評価にはMRIが、感染や結晶性関節炎の鑑別には関節液検査が有用です。

治療

治療は保存療法が第一選択です。最も基本となるのは減量で、体重を1kg減らすと膝への負担は3〜5kg軽減するとされます。次に重要なのが大腿四頭筋訓練で、膝周囲筋を強化することで関節の安定性を高めます。装具療法では足底板で内反負荷を軽減し、必要に応じて杖を用います。薬物療法ではNSAIDsを用いますが、消化性潰瘍に注意が必要です。ヒアルロン酸の関節内注入も広く行われます。保存療法で改善しない場合は、関節鏡視下デブリードマン、高位脛骨骨切り術、**人工膝関節置換術(TKA)**などの手術療法が検討されます。

膝関節鏡検査

膝関節鏡検査は、関節腔内に内視鏡を挿入する観血的検査で、半月板損傷や靱帯損傷、軟骨病変の診断と治療を同時に行えるのが特徴です。創部からの感染を防ぐため、検査当日から翌日にかけては創部を濡らさないよう入浴を控える指導が必要で、シャワー浴の可否は医師の指示に従います。合併症には感染、関節内出血、駆血帯による神経障害、深部静脈血栓症などがあり、術後は創部観察、RICE処置、段階的なリハビリテーションを行います。

看護のポイント

看護では、疼痛コントロールと並行して、正座や和式トイレを避けるなどの生活指導、肥満予防、リハビリ継続への動機づけが重要です。

確認問題(穴埋め)

空欄をタップすると答えが表示されます。

  1. 1.

    変形性膝関節症で最も好発するのはどの集団か。

  2. 2.

    変形性膝関節症で典型的にみられる下肢の変形は何か。

  3. 3.

    変形性膝関節症のX線所見で、軟骨摩耗を反映する代表的な所見は何か。

  4. 4.

    変形性膝関節症の保存療法で、膝周囲の安定性向上のために最も推奨される筋力訓練は何か。

  5. 5.

    変形性膝関節症に対し関節内に注入される代表的な薬剤は何か。

  6. 6.

    保存療法で改善しない進行例に対して行われる代表的な手術は何か。

  7. 7.

    膝関節鏡検査は関節腔内に内視鏡を挿入するため、観血的検査と非観血的検査のどちらに分類されるか。

  8. 8.

    膝関節鏡検査後、感染予防のため検査当日から翌日にかけて控える必要があるのはどの行為か。

変形性膝関節症と関節鏡」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。