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産褥早期の子宮復古と授乳

母性看護学 / 産褥期・授乳

解説

産褥期とは、分娩終了後、妊娠・分娩で変化した母体が非妊時の状態に戻るまでの期間であり、通常6〜8週間を指します。今回は、産褥早期に観察される子宮復古の経過と、授乳・乳房の変化について解説します。

子宮復古の経過

子宮復古とは、妊娠・分娩によって増大した子宮が、産褥期を通じて非妊時の大きさに戻る生理的過程をいいます。観察の指標となるのが子宮底長で、臍を基準として何横指上下にあるかで評価します。分娩直後は臍下2〜3横指、分娩12時間後には一時的に臍高まで上昇し、産褥1日には臍下1〜2横指、その後1日に約1横指ずつ下降して、産褥10日ごろには恥骨結合上で触れなくなります。子宮の硬度は良好(硬く触れる)であることが正常です。

子宮復古不全とその対応

子宮底の下降が遅れ、硬度が軟らかい状態を子宮復古不全といいます。原因には胎盤・卵膜遺残、子宮内感染、膀胱や直腸の充満、授乳不足などがあります。看護介入としては、子宮筋を刺激して収縮を促す輪状マッサージ(子宮底を円を描くようにマッサージする手技)が直接的かつ有効です。あわせて、授乳によるオキシトシン分泌促進、冷罨法、排尿・排便の促しを行います。オキシトシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンで、子宮収縮と射乳反射を同時に引き起こします。

乳汁分泌と乳房の変化

分娩後数日間に分泌される黄色く粘稠な乳汁を初乳、産褥3〜7日ごろの移行乳を経て、産褥10日以降は白色の成乳となります。乳管口の開口数は授乳の進行とともに増え、左右4本程度まで開通すると分泌が安定します。

乳房緊満

産褥3日前後、急激な乳汁産生に対して排乳が追いつかず、両側乳房の腫脹・熱感・疼痛をきたす状態を乳房緊満といいます。授乳後に腫脹が軽減するのが特徴で、片側性で発熱を伴う乳腺炎とは鑑別されます。対応は、頻回授乳、授乳前の温罨法や軽い搾乳で射乳を促し、授乳間には冷罨法で疼痛を緩和します。

授乳期の栄養

母乳の主成分は蛋白質(ラクトアルブミン、カゼイン)であり、1日約800mLの母乳産生のため、授乳婦にはエネルギー約350kcal、蛋白質約20gの付加が推奨されます。良質な蛋白質や水分、鉄・カルシウム・葉酸を意識的に摂取するよう指導します。

まとめ

産褥早期の看護では、子宮底の高さと硬度から子宮復古を評価し、復古不全には輪状マッサージと授乳促進で対応します。乳房緊満は両側性で授乳後に軽減することが鑑別の鍵となり、頻回授乳が基本対応です。母乳育児継続のためにはエネルギー・蛋白質の付加が必要であることをおさえておきましょう。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    子宮復古の指標として用いられる、臍を基準とした子宮底の高さは産褥1日で臍下横指程度である。

  2. 2.

    子宮底が下降せず硬度も軟らかい状態をという。

  3. 3.

    子宮復古不全に対し、子宮筋を直接刺激して収縮を促す看護介入をという。

  4. 4.

    授乳によって下垂体後葉から分泌され、子宮収縮と射乳反射を引き起こすホルモンはである。

  5. 5.

    産褥3日前後に乳汁産生が排乳を上回り、両側乳房に腫脹・疼痛をきたす状態をという。

  6. 6.

    乳房緊満は授乳後に腫脹がするのが特徴である。

  7. 7.

    授乳婦に推奨されるエネルギー付加量は約kcalである。

  8. 8.

    授乳婦に推奨される蛋白質付加量は約gである。

  9. 9.

    分娩後数日間に分泌される黄色く粘稠な乳汁をという。

産褥早期の子宮復古と授乳」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。