母乳育児継続の退院指導
看護師国家試験 第103回 午前 第111問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
Aさん(25歳、初産婦)は、妊娠40週0日に3,600gの女児を正常分娩した。出血量は250ml、持続した出血はない。分娩後、Aさんは児を見て「かわいい」と言い、授乳している。乳管口の開口数は左右1本ずつである。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で、硬度は良好であった。
産褥5日。母児ともに経過は順調で、本日、退院予定である。Aさんの乳汁分泌は良好で自律授乳をしており、1回の授乳時間は15分である。児は3,690g、昨日は排尿8回、排便4回であった。Aさんは「家に帰っても、このまま母乳で育てたい」と言う。 このときの看護師のAさんへの説明で正しいのはどれか。
- 1.1日6回の授乳にする。
- 2.昼間は乳房に冷湿布をする。
- 3.蛋白質を多く含む食品を摂る。
- 4.児の排尿は1日1回あればよい。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
産褥5日・母乳育児継続を希望する初産婦への退院指導として、母乳産生を支える栄養指導の要点を問う問題です。
解答・解説
正解は3です
問題文:産褥5日。母児ともに経過は順調で、本日、退院予定である。Aさんの乳汁分泌は良好で自律授乳をしており、1回の授乳時間は15分である。児は3,690g、昨日は排尿8回、排便4回であった。Aさんは「家に帰っても、このまま母乳で育てたい」と言う。 このときの看護師のAさんへの説明で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。産褥期の母体は、分娩で消費したエネルギーや出血で失われた成分を補い、子宮復古を促し、さらに母乳産生に必要な栄養を確保する必要があります。母乳の主成分はラクトアルブミンやカゼインなどの蛋白質であり、母乳1日分泌量約800mLを維持するには非妊時より多くのエネルギーと蛋白質が求められます。授乳婦の付加量はエネルギー約350kcal、蛋白質約20gとされ、肉・魚・卵・大豆製品などの良質な蛋白質を意識的に摂取することが、母乳育児継続と褥婦自身の体力回復の双方に寄与します。
選択肢考察
- ×1. 1日6回の授乳にする。
母乳育児の確立期には授乳回数の制限はせず、児が欲しがる時に欲しがるだけ与える自律授乳が原則です。回数を6回に制限すると吸啜刺激が減少し、プロラクチン分泌が低下して乳汁産生も減るため不適切です。
- ×2. 昼間は乳房に冷湿布をする。
冷湿布は乳房緊満や乳腺炎などの炎症性トラブルがある場合の対症療法です。Aさんは乳汁分泌が良好でトラブルもなく、冷罨法はかえって乳汁分泌を抑制するため適応にはなりません。
- ○3. 蛋白質を多く含む食品を摂る。
母乳産生の材料となる蛋白質は授乳期に約20g/日の付加が推奨されます。肉・魚・卵・大豆製品など良質な蛋白質を摂取することは、母乳育児の継続と産褥期の組織修復・血液再生にも必要であり適切です。
- ×4. 児の排尿は1日1回あればよい。
生後5日の新生児は1日10回前後、生後1週ごろまでには15回以上の排尿がみられます。1日1回では明らかな脱水・哺乳不足を疑う所見であり、母乳が足りているかの目安としても誤った説明です。
授乳期の食事指導では『付加350kcal・蛋白質+20g・水分多め』『カルシウム・鉄・葉酸も意識』が基本です。1日10回以上の排尿、便回数3〜5回、体重増加が順調であれば母乳量は充足していると判断します。覚え方は『母乳のもとは血、血のもとは蛋白』。
産褥5日・母乳育児継続を希望する初産婦への退院指導として、母乳産生を支える栄養指導の要点を問う問題です。
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