妊娠初期の妊娠週数と心理
母性看護学 / 妊娠期診断・健康管理
解説
今回は妊娠初期の妊娠週数と心理について解説します。
妊娠週数の数え方
妊娠週数は、最終月経開始日(LMP:Last Menstrual Period)の初日を妊娠0週0日として起算します。これはWHOおよび日本産科婦人科学会が定めた基準です。7日を1週とし、40週0日(280日)が分娩予定日となります。妊娠期間は3つに区分され、妊娠初期は0〜15週(妊娠4か月末まで)、中期は16〜27週、後期は28週以降となります。
分娩予定日の計算(ネーゲレ概算法)
分娩予定日は、最終月経開始日の月から3を引き、日に7を加えて算出します。例えば最終月経が3月2日なら、12月9日が予定日となります。月経周期が28日型以外であったり排卵日が不明な場合は、超音波検査によるCRL(頭殿長)計測から修正予定日を決定します。
妊娠初期の心理
妊娠初期は心身の変化が著しく、母親役割を獲得していく重要な時期です。**アンビバレント(両価性)**とは、同一対象に対して喜びと悲しみといった相反する感情が同時に存在する状態をいい、妊娠の受容過程における正常な心理反応です。
ラビンの母性役割獲得理論では、妊娠前期を受容期、中期を適応期、後期を準備期と位置づけています。仕事との両立への不安や予期せぬ妊娠への戸惑いも生じやすく、看護師は否定や安易な励ましを避け、感情を受け止めて共感的に傾聴する姿勢が大切です。母性健康管理措置や産休・育休制度の情報提供も行います。
妊娠初期のマイナートラブル
つわり(悪心・嘔吐)は妊娠5〜6週頃から出現し、12〜16週頃に軽快します。エストロゲンとプロゲステロンの増加により膣粘膜の分泌活動が亢進し、帯下(おりもの)が増加しますが、これは膣の自浄作用を高め胎児を感染から守る生理的変化です。さらに増大した子宮による膀胱圧迫で頻尿が生じ、眠気、乳房の張り、便秘も現れます。
異常帯下のサイン
黄緑色や膿性、強い悪臭、外陰部の掻痒や痛みがある場合は、カンジダやクラミジア等の感染を疑い早めの受診を勧めます。
時期別マイナートラブル
中期は腰痛、皮膚掻痒、妊娠線、動悸、貧血などが、後期は仰臥位低血圧、こむら返り、胃部圧迫感、浮腫が見られます。
看護のポイント
妊婦の心理を母親役割獲得という発達課題の視点で理解し、マイナートラブルの正常範囲と異常徴候を見極めることが重要です。あわせて母子健康手帳の交付、妊婦健康診査、産休・育休等の社会資源・制度の情報提供を行います。
確認問題(穴埋め)
空欄をタップすると答えが表示されます。
- 1.
妊娠週数は(LMP)の初日を妊娠0週0日として起算する。
- 2.
7日を1週とし、週0日(280日)を分娩予定日とする。
- 3.
妊娠初期とは0〜週までを指し、妊娠4か月末までである。
- 4.
ネーゲレ概算法では、最終月経開始日の月からを引き、日にを加えて分娩予定日を算出する。
- 5.
妊娠の受容過程で、喜びと悲しみなど相反する感情が同時に存在する正常な心理反応を(両価性)という。
- 6.
ラビンの母性役割獲得理論では、妊娠前期は期、中期は適応期、後期は準備期である。
- 7.
つわりは妊娠5〜6週頃から出現し、妊娠週頃に軽快することが多い。
- 8.
妊娠初期に帯下が増加するのは、エストロゲンとの増加により膣粘膜の分泌活動が亢進するためである。
- 9.
妊娠初期の頻尿は、増大した子宮によるの圧迫が原因である。
- 10.
帯下が黄緑色や膿性、強い悪臭を伴う場合は、やクラミジア等の感染を疑う。
