後陣痛とオキシトシン作用
母性看護学 / 産褥期・授乳
解説
今回は後陣痛とオキシトシン作用について解説します。
オキシトシンの分泌経路と作用
オキシトシンは視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。児の吸啜刺激が乳頭の知覚神経を介して視床下部に伝わり、反射的に分泌が増加します。標的器官は子宮平滑筋と乳腺の筋上皮細胞で、それぞれを収縮させます。
作用としては、分娩後の子宮収縮(子宮復古)の促進と、射乳反射による乳汁の排出があります。乳汁の産生はプロラクチンが担い、オキシトシンは「射乳と子宮収縮」を担う、と役割を整理して覚えましょう。
後陣痛のメカニズムと経過
後陣痛とは、分娩後の子宮収縮にともなう疼痛のことです。産褥1〜3日目に最も強く感じられ、その後徐々に軽減していきます。経産婦では子宮筋が伸展しているため収縮痛が強まる傾向があり、また授乳中のオキシトシン分泌により増強します。
後陣痛への対応
バイタルサインが安定し子宮復古も順調であれば、医師に相談のうえ鎮痛薬を検討します。母乳移行を考慮してアセトアミノフェンやロキソプロフェンなどが使用可能です。腹部の温罨法や体位の工夫も有効で、授乳継続を支援することが大切です。
子宮復古と悪露の経過
分娩直後の子宮底は臍下2〜3横指、分娩12時間後には臍高、産褥1日で臍下1〜2横指、産褥10日頃には触知不能となります。悪露は**血性(産褥1〜3日)→褐色(4〜7日)→黄色(10日頃)→白色(3週間頃)**と変化します。
臨床応用と副作用
オキシトシン製剤(アトニン-Oなど)は陣痛促進や弛緩出血時の止血に使用されます。副作用として過強陣痛、子宮破裂、水中毒に注意が必要です。
産褥期の心理:赤ちゃん返り
同胞出生後の上の子にみられる正常な反応で、自分でできていたことを甘える、赤ちゃんを拒むなどの行動が現れます。数週間〜数か月で落ち着きます。対応は、否定せず、上の子と二人だけの時間をつくり、一緒にお世話してもらい感謝を伝え、できていたことを褒めることです。
看護のポイント
子宮底高・硬度・悪露の観察、バイタルサインと痛みの評価が基本です。早期母子接触と頻回授乳はオキシトシン分泌を促し、子宮復古を助けます。疼痛緩和は母乳育児の継続と母子愛着形成にもつながります。
確認問題(穴埋め)
空欄をタップすると答えが表示されます。
- 1.
オキシトシンはで産生され、下垂体後葉から分泌される。
- 2.
オキシトシンは児の刺激により分泌が増加する。
- 3.
オキシトシンは子宮平滑筋と乳腺のを収縮させる。
- 4.
乳汁の産生を担うホルモンはである。
- 5.
後陣痛は産褥日目が最も強い。
- 6.
後陣痛はで強くなりやすい。
- 7.
母乳移行を考慮した後陣痛の鎮痛薬としてが使用される。
- 8.
分娩直後の子宮底高はである。
- 9.
悪露は血性→褐色→黄色→へと変化する。
- 10.
オキシトシン製剤の副作用として過強陣痛、子宮破裂、に注意する。
