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産褥期の生理と子宮復古

母性看護学 / 産褥期・授乳

解説

産褥期とは、分娩終了後から母体が妊娠前の状態に戻るまでの期間で、一般に分娩後6〜8週間を指します。今回は産褥期の生理と子宮復古について解説します。

子宮復古の生理

子宮復古とは、妊娠・分娩によって大きく伸展した子宮が、妊娠前の大きさと状態に収縮・回復していく過程をいいます。復古を促す中心的なホルモンがオキシトシンです。児が乳頭を吸啜する刺激は視床下部を介して下垂体後葉に伝わり、オキシトシンが分泌されます。オキシトシンは乳腺の筋上皮細胞を収縮させて射乳反射を起こすと同時に、子宮平滑筋を収縮させて子宮復古を促進します。一方、下垂体前葉からはプロラクチンが分泌され、乳汁産生を担います。つまり授乳は母乳育児と子宮復古の両方を同時に促進する重要な行為です。

子宮底高の経日的変化

子宮底高は復古の進行を判断する重要な指標です。分娩直後には臍下2〜3横指に触れ、産褥1日には臍高または臍下1横指まで上昇したのち、産褥3日には臍下3横指、産褥5日には臍と恥骨結合の中央、産褥10日頃には恥骨結合上で触れなくなり骨盤腔内に下降します。産褥6週でほぼ妊娠前の大きさに戻ります。

子宮底長の測定手順

正確に測定するには、まず排尿・排便を済ませて膀胱と直腸を空にします。次に仰臥位とし、膝を立てて腹壁を弛緩させた状態で子宮体部を触診し、子宮底の位置と硬度を確認します。その後、膝を伸展させ、恥骨結合上縁から子宮底の最高点までをメジャーで計測します。

悪露の経時変化

悪露は子宮内腔から排出される分泌物で、性状は時期とともに変化します。産褥1〜3日は赤色悪露、4〜10日頃は褐色悪露、10日〜3週は黄色悪露、3〜4週から6週にかけて白色悪露へと移行します。

子宮復古不全

子宮復古不全は、復古の進行が遅延・停止する状態です。要因には、胎盤や卵膜の子宮内遺残、多胎・羊水過多・巨大児による子宮筋の過伸展、長時間分娩による子宮筋疲労、子宮内感染、膀胱・直腸の充満による物理的圧迫、授乳不良によるオキシトシン分泌不足などがあります。異常サインとしては、子宮底が高位にとどまる、子宮硬度の低下、悪露の量増加・悪臭・血塊・赤色悪露の持続がみられます。治療では超音波で遺残の有無を確認し、抗菌薬や子宮収縮薬の投与、必要に応じて子宮内容除去術が行われます。

復古促進ケアと後陣痛

復古を促すケアとして、頻回授乳、早期離床、膀胱・直腸の充満を避ける排泄ケア、子宮底の輪状マッサージ、保温が有効です。産褥早期にはオキシトシンによる子宮収縮で後陣痛が生じ、経産婦でより強く感じられます。

授乳と排卵抑制

プロラクチンは授乳により高値に維持され、排卵と月経を抑制します。ただし授乳中でも排卵は起こり得るため、避妊指導が必要です。

まとめ

産褥期は母体が妊娠前の状態へ回復する重要な時期です。オキシトシンを介した子宮収縮と授乳の関係を理解し、子宮底高・硬度・悪露の観察を通して復古の進行と異常を的確に把握することが看護の基本となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    産褥期とは分娩後週間の母体回復期間である。

  2. 2.

    児の乳頭吸啜刺激により下垂体後葉からが分泌され、子宮復古を促進する。

  3. 3.

    分娩直後の子宮底高は臍下横指に触れる。

  4. 4.

    産褥5日の子宮底高は、臍との中央に位置する。

  5. 5.

    産褥10日頃には子宮底は上で触れなくなる。

  6. 6.

    子宮底長の測定では、測定前にを済ませ、膀胱と直腸を空にする。

  7. 7.

    産褥1〜3日にみられる悪露は悪露である。

  8. 8.

    産褥4〜10日頃にみられる悪露は悪露である。

  9. 9.

    産褥早期にオキシトシンによる子宮収縮で生じる痛みをといい、経産婦で強い。

  10. 10.

    下垂体前葉から分泌されるは乳汁産生を担い、排卵・月経を抑制する。

産褥期の生理と子宮復古」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。