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乳歯と永久歯

小児看護学 / 小児の成長・身体発達

解説

今回は乳歯と永久歯について解説します。ヒトの歯は一生のうちに二度生え変わり、子ども時代の乳歯と、その後の永久歯の2セットを経験します。乳歯の萌出時期、本数、永久歯への交換時期は小児の発達指標として国試で繰り返し問われる重要事項です。

乳歯の発達

乳歯とは、生後に最初に生えてくる歯のことで、別名「脱落歯」とも呼ばれます。乳歯の歯質は、胎児期から少しずつ作られています。具体的には妊娠14〜19週ごろ(妊娠4〜5か月ごろ)に、エナメル質や象牙質の石灰化が始まり、出生時には乳切歯の歯冠の一部がすでに完成しています。そのため妊婦のカルシウム・リン・ビタミンD・タンパク質などの栄養状態が、児の歯質の質に影響します。なお、テトラサイクリン系抗菌薬は胎児や乳幼児の歯に黄褐色の着色を起こすため、妊婦や小児への投与は原則禁忌です。

萌出と生え揃う時期

乳歯は通常、生後6〜8か月ごろに下の前歯(下顎乳中切歯)から生え始めます。その後、上の中切歯、側切歯、第一乳臼歯、犬歯、第二乳臼歯の順に萌出していき、2〜3歳ごろまでに上下合わせて20本が生え揃います。乳歯の本数は上下それぞれ10本ずつで、左右対称に並びます。乳歯は永久歯に比べてエナメル質や象牙質が薄く軟らかいため、う蝕(むし歯)が進行しやすく、歯髄にも早く達してしまう特徴があります。

永久歯の発達

永久歯とは、乳歯が抜けた後に生えてくる歯、および乳歯の後方に新たに生えてくる大臼歯の総称です。永久歯は、親知らずを含めない場合は28本、親知らず(第三大臼歯)を含めると32本となります。

萌出開始は6歳

永久歯の萌出はおおむね6歳ごろから始まります。最初に生えてくるのは、乳歯の最も奥にあたる位置に新しく萌出する第一大臼歯であり、これはちょうど6歳前後で生えてくることから6歳臼歯と呼ばれます。6歳臼歯は、乳歯と交換するのではなく、顎の成長に伴って後方に「追加」される歯である点が特徴的です。これと前後して、下の乳中切歯から乳歯が抜け始め、永久歯への生え変わりが本格化します。

混合歯列期と完成時期

6〜12歳ごろは、口の中に乳歯と永久歯が混在する時期で、これを混合歯列期と呼びます。前歯から大臼歯にかけて順次乳歯が永久歯に交換され、12歳前後には第二大臼歯が萌出して、第三大臼歯を除く28本の永久歯がほぼ生え揃います。第三大臼歯(親知らず)は17〜21歳ごろに生えることがありますが、生えない人や埋伏している人も多くみられます。

う蝕予防と看護

乳歯と6歳臼歯はいずれもう蝕になりやすく、特に第一大臼歯は永久歯の咬合の中心となるため早期に失うと影響が大きいとされています。う蝕予防には、保護者による仕上げ磨き、甘味摂取の制限、フッ素塗布、奥歯の溝を埋めるシーラント処置などが有効です。また、う蝕の原因菌であるミュータンス菌は保護者の唾液を介して乳幼児に伝播する母子感染の側面があり、家族全体の口腔衛生も重要です。夜間授乳の継続による哺乳瓶う蝕にも注意が必要です。

まとめ

乳歯は胎児期に石灰化が始まり、生後6〜8か月ごろに下顎中切歯から萌出を始め、2〜3歳までに20本が生え揃います。永久歯は6歳ごろに第一大臼歯(6歳臼歯)の萌出から始まり、12歳前後で第二大臼歯までの28本が生え揃い、第三大臼歯を含めると32本となります。6〜12歳の混合歯列期は乳歯と永久歯が共存する時期で、フッ素塗布や仕上げ磨きによるう蝕予防が看護の重要なポイントとなります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    乳歯は生後ごろに下顎乳中切歯から生え始める。

  2. 2.

    乳歯が上下合わせてすべて生え揃う時期はごろである。

  3. 3.

    乳歯の本数は全部で本である。

  4. 4.

    乳歯のエナメル質や象牙質の石灰化はから始まる。

  5. 5.

    永久歯の萌出は歳ごろから始まる。

  6. 6.

    永久歯として最初に萌出し、6歳臼歯とも呼ばれる歯はである。

  7. 7.

    永久歯は親知らず(第三大臼歯)を含めない場合本である。

  8. 8.

    乳歯と永久歯が口腔内に混在する6〜12歳ごろの時期をという。

  9. 9.

    小児のう蝕予防に有効で、歯質を強化する目的で行われる処置をという。

乳歯と永久歯」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。