小児の消化器と必要水分量
小児看護学 / 小児の成長・身体発達
解説
今回は小児の消化器と必要水分量について解説します。
小児の消化器の特徴
新生児の胃はやや縦長で容量が小さく、噴門部の下部食道括約筋機能が未熟であることが特徴です。そのため授乳後に胃内容物が容易に食道へ逆流しやすく、溢乳がしばしばみられます。看護師としては、授乳後に縦抱きでゲップを促し、その後は右側臥位または上体挙上で休ませることで逆流予防を図ります。
なお、生理的な溢乳と病的な**胃食道逆流症(GERD)**との鑑別は重要であり、体重増加不良や反復する嘔吐、誤嚥性肺炎を伴う場合は精査が必要です。
消化酵素と腸内細菌叢
乳児期は消化酵素の多くが未熟ですが、母乳・人工乳に含まれる成分により消化吸収が補われます。腸内細菌叢は母乳栄養児でビフィズス菌が優位となり、感染防御に寄与します。
1日の必要水分量
体重1kg当たりの水分必要量は年齢が低いほど多くなります。新生児は約60〜150mL/kg/日、乳児(1か月〜1歳未満)は約120〜150mL/kg/日、幼児は約80〜100mL/kg/日、学童は約60〜80mL/kg/日、成人は約30〜40mL/kg/日が目安となります。乳児では成人の約3〜5倍の水分が必要です。
乳児が水分を多く必要とする理由
乳児は体重当たりの体表面積が大きく不感蒸泄が多いこと、腎機能が未熟で尿濃縮力が低いこと、代謝が活発であること、そして体水分量の割合が高く約70〜80%(特に細胞外液比率が大きい)であることが挙げられます。
脱水徴候と看護のポイント
乳児の脱水徴候としては、大泉門の陥凹、皮膚ツルゴール低下、尿量減少、活気低下、涙が出ない、口腔粘膜の乾燥などがあります。乳児は急速に脱水が進行するため早期発見・早期対応が不可欠です。
哺乳量、尿回数、体重変化を継続的に観察し、嘔吐や下痢時には**経口補水液(ORS)**を活用します。水分管理は乳児看護の最重要項目の一つです。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
新生児の胃はややで容量が小さく、噴門部の下部食道括約筋機能が未熟なためを起こしやすい。
- 2.
授乳後の逆流予防のため、ゲップをさせた後はまたは上体挙上で休ませる。
- 3.
母乳栄養児の腸内細菌叢ではが優位となる。
- 4.
乳児(1か月〜1歳未満)の1日水分必要量は体重1kg当たり約mLである。
- 5.
成人の1日水分必要量は体重1kg当たり約mLである。
- 6.
乳児は体重当たりの体表面積が大きくが多い。
- 7.
乳児は腎臓のが低いため水分を多く必要とする。
- 8.
乳児の体水分量の割合は約%で、特に細胞外液比率が大きい。
- 9.
乳児の脱水徴候として、頭頂部にあるの陥凹がみられる。
- 10.
嘔吐や下痢による脱水時には、水分と電解質を補給するため(ORS)を活用する。
