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小児の死因統計

小児看護学 / 小児の心理発達・権利・社会

解説

今回は小児の死因統計について解説します。小児の死亡原因は年齢階級によって大きく異なり、わが国の人口動態統計では0歳、1〜4歳、5〜9歳、10〜14歳といった区分ごとに上位を占める死因が変化していきます。看護師国家試験では年齢階級と死因第1位の組み合わせが繰り返し問われるため、各年齢層の特徴と背景を整理して理解することが大切です。

人口動態統計と死因分類

人口動態統計とは、厚生労働省が出生・死亡・婚姻・離婚・死産といった人口の動きを毎年集計してまとめている統計です。小児の死因はこの人口動態統計の中で、年齢階級別に上位の順位が公表されています。死因の分類はWHOの国際疾病分類(ICD-10)に基づいて行われ、看護師国試では「先天奇形、変形及び染色体異常」「不慮の事故」「悪性新生物(腫瘍)」「乳幼児突然死症候群(SIDS)」「自殺」といったカテゴリ名で問われます。

年齢階級別の死因

0歳児の死因

0歳児の死因は、生後すぐの新生児期から乳児期にかけての出生・発達に関わる病態が中心となります。死因の第1位は先天奇形、変形及び染色体異常で、続いて周産期に特異的な呼吸障害および心血管障害、乳幼児突然死症候群(SIDS)、不慮の事故などが上位を占めます。新生児医療の進歩により先天性疾患を持つ児が乳児期を生き延びる例も増えていますが、重症例ではこの時期の死亡につながることもあります。

1〜4歳児の死因

1〜4歳児の死因はかつて不慮の事故が長年第1位を占めていました。しかし、チャイルドシートの着用義務化、製品安全基準の整備、家庭での水まわり事故予防の啓発、消費生活用製品安全法に基づくリコール体制などの普及により、事故による死亡は大きく減少しました。その結果、平成21年(2009年)以降は先天奇形、変形及び染色体異常が第1位となり、近年もこの順位が続いています。第2位は不慮の事故、第3位は悪性新生物(腫瘍)と続くのが一般的な並びです。乳児期を乗り越えた重症の先天性疾患児が幼児期に死亡へ至る例があるため、依然として先天奇形は重要な死因です。

5〜9歳児の死因

5〜9歳児では、就学に伴い行動範囲が広がる一方で、命にかかわる事故や疾患の構成が変化します。死因の第1位は悪性新生物(腫瘍)で、第2位に不慮の事故が続きます。小児がんのなかでは白血病が最多で、次いで脳腫瘍、神経芽腫、悪性リンパ腫などが多くなります。学童期から悪性新生物が第1位となる点は、年齢階級別死因の最大のポイントとして頻出です。

10〜14歳児と思春期以降の死因

10〜14歳では悪性新生物に加えて自殺が上位に入り始め、15歳以降の年齢階級では自殺が死因の第1位を占めるようになります。思春期以降のメンタルヘルス対策、いじめ・学業上の問題への支援、SOSの出し方教育などが社会的に重要な課題となっています。

1歳以上の不慮の事故の内訳

不慮の事故の中身も年齢によって変化します。0歳児では窒息(誤嚥や就寝時の気道閉塞など)が突出して多く、就寝環境の整備が予防の鍵となります。これに対し、1歳以上では交通事故が不慮の事故の主要な原因となります。5〜9歳児は登下校や外遊びで道路を横断する機会が増える一方、危険予測能力が十分に発達していないため、歩行中や自転車乗車中の交通事故が起こりやすい年齢です。通学路の安全確保、ヘルメット着用、交通安全教育、見守り活動などの対策が重要になります。

まとめ

小児の死因は年齢階級ごとに大きく異なります。0歳と1〜4歳では先天奇形、変形及び染色体異常が第1位、5〜9歳では悪性新生物が第1位となり、思春期以降は自殺が上位に入ってきます。1〜4歳でかつて第1位だった不慮の事故は、安全対策の普及で順位を下げ第2位となりました。不慮の事故の内訳では0歳児で窒息、1歳以上では交通事故が主因となります。年齢階級別の死因順位と背景にある社会的要因を結びつけて整理しておくことが、国試対策の要となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    わが国における小児の死因統計は、厚生労働省が毎年公表する統計に基づいて、年齢階級別にまとめられている。

  2. 2.

    0歳児および1〜4歳児の死因第1位はいずれもである。

  3. 3.

    1〜4歳児ではかつて第1位であったが、安全対策の普及により減少して現在第2位となっている死因はである。

  4. 4.

    5〜9歳児の死因第1位はであり、小児がんでは白血病が最も多い。

  5. 5.

    0歳児における不慮の事故の原因として最も多いのはである。

  6. 6.

    1歳以上の小児における不慮の事故の原因として最も多いのはである。

  7. 7.

    乳児期に多くみられ、それまで健康だった乳児が睡眠中などに突然死亡する病態をといい、0歳児の死因上位を占める。

  8. 8.

    10〜14歳以降の年齢階級では、悪性新生物と並んでが死因の上位を占めるようになる。

小児の死因統計」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。