在宅小児・頸髄損傷の家族支援
小児看護学 / 小児神経・運動器・発達障害
解説
今回は在宅小児・頸髄損傷の家族支援について解説します。
小児の在宅療養の現状
医療技術の進歩により、重度の障害や医療的ケアを必要としながら在宅で生活する子どもが増えています。小児の頸髄損傷は、交通事故などにより重度の肢体不自由や呼吸障害を残すことがあり、長期にわたる在宅療養が必要になります。こうした子どもとその家族を、訪問看護・訪問リハビリ・特別支援教育などが連携して支えていきます。
在宅看護の基本姿勢
在宅看護でまず大切にされるのは、療養者本人の意向です。たとえ重度の障害があっても、本人が学校に通いたい、友達と過ごしたいといった希望を持つ場合、その意思を尊重した支援計画を立てます。 同時に、在宅療養は家族の生活と切り離せません。介護を担う家族全体への支援、特定の家族員に介護負担が集中しないような介護負担の分散が求められます。
きょうだい児(同胞)への支援
重度障害児がいる家庭では、健康なきょうだい児にも特別な配慮が必要です。両親の関心や時間が障害児に集中しやすく、寂しさや我慢を強いられることが多いためです。その結果、退行現象や腹痛・頭痛などの身体症状、問題行動が現れることがあります。近年ではきょうだいが家事や介護を担うヤングケアラーの問題とも重なります。 看護師は両親に対し、きょうだい児にもストレスが及ぶことを予防的に説明し、関心を向けるよう促す役割を担います。学校・地域・医療機関が連携した見守りも欠かせません。
利用可能な社会資源
重度障害のある小児が在宅で生活するためには、多様な社会資源を組み合わせて活用します。18歳未満でも交付される身体障害者手帳を基盤に、障害児福祉手当や特別児童扶養手当などの経済的支援、小児慢性特定疾病医療費助成や自立支援医療(育成医療)による医療費負担の軽減が受けられます。 生活面では、日常生活用具給付、訪問看護・訪問リハビリ、障害者総合支援法に基づく居宅介護や重度訪問介護、学齢期には放課後等デイサービスが利用できます。医療的ケア児支援法に基づき配置される医療的ケア児コーディネーターが、これらの資源調整を支援します。
特別支援教育と合理的配慮
就学先は通常学校・特別支援学級・特別支援学校から選択されます。医療的ケア児支援法により、学校側には合理的配慮を提供する義務があり、本人が希望する学びの場を継続できるよう環境を整えます。
看護師の役割
看護師は、本人の意向を尊重しつつ、きょうだい児を含む家族全体を視野に入れた支援を行います。多様な社会資源の情報提供と、多職種・多機関との連携調整が重要な役割となります。
まとめ
在宅で療養する重度障害児への支援では、本人の意向尊重、家族全体への支援、きょうだい児への配慮、そして社会資源の活用が柱となります。看護師は予防的な家族支援と多職種連携の要として機能することが求められます。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
在宅看護では、まずを尊重し、その上で家族全体への支援を行うことが基本姿勢である。
- 2.
重度障害児のいる家庭で、健康なきょうだいに退行現象や身体症状などのストレス反応が生じうるため配慮が必要となる存在をという。
- 3.
きょうだいが家事や障害児の介護を過度に担うことが社会問題化しており、これを問題という。
- 4.
18歳未満の児童でも交付を受けることができる、身体障害を証明する手帳をという。
- 5.
18歳未満の障害児の治療のための医療費を公費で負担する自立支援医療制度をという。
- 6.
医療的ケア児支援法に基づき、医療的ケア児と家族に対し社会資源の調整を行う専門職をという。
- 7.
医療的ケア児支援法により、学校が医療的ケア児の就学にあたり提供する義務を負う配慮をという。
- 8.
学齢期の障害児が放課後や長期休暇中に通い、生活能力向上のための訓練や社会との交流を行う障害福祉サービスをという。
