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胆石・胆道疾患の看護

成人看護学 / 肝・胆・膵

解説

今回は胆石・胆道疾患の看護について解説します。

胆道系の基礎

胆道とは、肝臓で作られた胆汁を十二指腸まで運ぶ通路の総称です。肝臓内の毛細胆管から始まり、左右肝管、総肝管へ合流し、胆囊管を介して胆汁を一時貯留する胆囊を経由したのち、総胆管となり、膵管と合流して十二指腸のVater乳頭(大十二指腸乳頭)に開口します。胆汁は脂肪の消化吸収に必要な分泌液で、胆囊で濃縮され、食事摂取の刺激により十二指腸へ排出されます。

胆石症の病態とリスク因子

胆石症とは、胆道系に結石が形成された状態をいいます。結石の存在部位により胆囊結石・総胆管結石・肝内結石に分類されます。胆石のリスク因子は俗に4Fと呼ばれ、Fat(肥満)、Forty(40歳代以上)、Female(女性)、Fertile(多産)が代表的です。

胆石の症状は結石の位置や動きで大きく変わります。胆囊底部に静止している場合は無症状(silent stone)のことが多く、結石が胆囊管入口部に動いてはまり込むと嵌頓を起こします。嵌頓とは結石が狭い部位にはまり込んで動かなくなる状態を指し、胆汁の流出が途絶することで胆囊内圧が上昇し、右季肋部に激しい疝痛発作(胆石発作)や急性胆囊炎を引き起こします。結石が総胆管に落下して嵌頓すれば閉塞性黄疸や急性胆管炎を、Vater乳頭付近に嵌頓すれば胆石性膵炎を発症します。

急性胆管炎とCharcot三徴

急性胆管炎は、総胆管結石や腫瘍などによる胆道閉塞に細菌感染(大腸菌、クレブシエラ、腸球菌など)が加わって生じます。古典的な3症状をCharcot(シャルコー)三徴といい、①右季肋部痛、②発熱(多くは悪寒戦慄を伴う)、③黄疸の3つから成ります。これに意識障害とショックが加わったものをReynolds(レイノルズ)五徴と呼び、急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)など重症胆管炎を示唆し、緊急の胆道ドレナージ適応となります。

閉塞性黄疸の見分け方

黄疸はビリルビンの種類で3型に分類されます。肝前性(溶血性)は間接ビリルビン優位、肝性(肝細胞障害)は両方の上昇とAST/ALT著増、肝後性(閉塞性黄疸)は直接ビリルビン優位となります。総胆管結石による胆道閉塞では、直接ビリルビンが優位に上昇し、画像で総胆管拡張を認めます。

ERCPと胆道ドレナージ

ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)は、口から十二指腸ファイバーを挿入し、Vater乳頭からカテーテルを胆管・膵管に通して造影剤を直接注入するX線透視下検査です。検査前は咽頭麻酔と鎮静薬投与を行い、検査後の最も頻度の高い合併症はERCP後膵炎です。検査後は絶食とし、アミラーゼ・腹痛・バイタルを観察します。診断目的のみであれば非侵襲的なMRCPが選択されることも増えています。

胆道ドレナージには内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)や経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)があります。ENBDは鼻から体外へチューブが出るため違和感が強く自己抜去に注意が必要です。看護のポイントは、排液量・性状の観察(胆汁は黄褐色で1日300〜600mL程度)、固定部の皮膚保護、屈曲・閉塞の予防、そして逆流防止のため排液バッグを挿入部より低位に保つことです。ドレナージ留置中に右季肋部の違和感や排液量の急減があれば、ドレーンの逸脱・閉塞を疑い、固定位置と排液状況を真っ先に確認します。

まとめ

胆石・胆道疾患の看護では、結石の位置と病態(嵌頓・閉塞性黄疸・胆管炎)の関連、Charcot三徴とReynolds五徴の違い、ERCPやENBDの手技的特徴と合併症、ドレーン管理の基本を体系的に理解することが重要です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    胆石が狭い部位にはまり込んで動かなくなり、胆汁流出が途絶して胆石発作や急性胆囊炎を引き起こす状態をという。

  2. 2.

    急性胆管炎の典型的3症状であるCharcot三徴は、右季肋部痛・発熱・の3つで構成される。

  3. 3.

    Charcot三徴に意識障害とショックを加えた重症胆管炎を示唆する5徴候を五徴という。

  4. 4.

    胆石症のリスク因子であるFat、Forty、Female、Fertileを総称してという。

  5. 5.

    総胆管結石による胆道閉塞では、血液検査でビリルビン優位の黄疸を呈する。

  6. 6.

    口から内視鏡を挿入し、Vater乳頭から造影剤を胆管・膵管に注入するX線透視下検査を(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)という。

  7. 7.

    ERCP後に最も頻度の高い合併症は(ERCP後膵炎)である。

  8. 8.

    鼻から体外へ胆管ドレーンを導出し胆汁を排出する方法を(内視鏡的経鼻胆管ドレナージ)という。

  9. 9.

    ENBDの管理では、胆汁の逆流を防ぐため排液バッグを胆管挿入部よりに保つ。

胆石・胆道疾患の看護」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。