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老年看護の基本姿勢

老年看護学 / 老年看護総論・その他

解説

老年看護の基本姿勢とは、加齢変化や慢性疾患を抱えながら生活する高齢者に対し、その人らしい暮らしの実現とQOLの向上を目指して支援する看護の考え方です。今回は老年看護の基本姿勢について解説します。

目標志向型思考

高齢者看護では、目標志向型思考が重視されます。これは対象者の残存機能、強み、意欲、そして本人が望む暮らしに焦点を当て、その実現を目標として支援を組み立てる考え方です。高齢者は複数の慢性疾患や不可逆的な加齢変化を抱えていることが多く、すべての健康問題を解消することは困難な場合が少なくありません。そこで、「できないこと」を補うだけでなく「できること」「したいこと」から計画を組み立て、生活全体を豊かにする方向へケアを展開します。

問題解決型思考と目標志向型思考はどちらも必要であり、場面に応じて重点が変化します。救命を要する急性期では問題解決型が中心となりますが、慢性期、高齢期、終末期では目標志向型へとシフトしていきます。世界保健機関が提唱する**ICF(国際生活機能分類)**も、心身機能・身体構造、活動、参加という生活機能の側面から人を捉える発想であり、目標志向型思考と親和性があります。

ストレングスモデル

ストレングスモデルは、対象者の問題や欠点ではなく、能力、興味、関心、人生経験、社会資源といった本人の強みに焦点を当て、それを引き出し活用してQOL向上を図る考え方です。米国のラップらが精神保健分野で体系化し、現在では高齢者看護や地域看護にも広く応用されています。長年培ってきた職業経験、趣味、人付き合いなどを強みとして捉え直し、健康課題の解決に向けて本人の能力を活かせるよう支援することが中核となります。問題志向型の医学モデルと対比して理解しておくことが大切です。

入院中の高齢者への支援

入院した高齢者に対しては、急性期治療と並行して退院後の生活を見据えた情報収集を行います。入院当日から、本人の希望、家族の介護力、住環境、利用可能な社会資源、かかりつけ医、経済状況などを把握し、退院支援につなげます。

安静臥床や環境変化、栄養低下、多剤併用などにより入院中にADLが低下する入院関連機能障害の予防が重要です。また、見当識を促す環境整備として時計やカレンダーを設置し自然光を取り入れること、家族の面会を促進すること、不要な身体拘束を避けることなどにより、せん妄の予防に努めます。

まとめ

老年看護では、問題解決型に偏らず、本人の強みと望む生活を起点に支援を組み立てる目標志向型思考とストレングスモデルが基盤となります。さらに入院中は退院後の生活を見据えた情報収集と、入院関連機能障害やせん妄の予防が欠かせません。高齢者の尊厳とQOLを支える姿勢を理解しておきましょう。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    対象者の残存機能や強み、意欲、希望する暮らしに焦点を当て、望む生活像の実現に向けて支援を組み立てる考え方をという。

  2. 2.

    救命を要する急性期では型思考が中心となり、慢性期や高齢期、終末期では目標志向型思考へとシフトしていく。

  3. 3.

    心身機能・身体構造、活動、参加という生活機能の側面から人を捉える、WHOが提唱した分類を(国際生活機能分類)という。

  4. 4.

    対象者の問題や欠点ではなく、能力や興味、人生経験などの強みに焦点を当ててQOL向上を図る考え方をという。

  5. 5.

    ストレングスモデルは、米国のらが精神保健分野で体系化した。

  6. 6.

    入院中の安静臥床や環境変化、多剤併用などによって生じるADL低下をという。

  7. 7.

    時計やカレンダーの設置、自然光の取り入れ、家族との面会促進、不要な身体拘束の回避は、高齢者の予防に有効である。

  8. 8.

    入院した高齢者に対しては、入院当日から退院後の生活を見据え、本人の希望や家族の介護力、、利用可能な社会資源などを把握する。

老年看護の基本姿勢」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。