できないことより「できること」を見る、ストレングスモデルの神髄
看護師国家試験 第114回 午後 第54問
国試問題にチャレンジ
高齢者の看護におけるストレングスモデルの説明で適切なのはどれか。
- 1.自分で健康行動を判断して決められるよう支援すること
- 2.高齢者自身が健康的な生活を送るための活動を支援すること
- 3.健康課題の解決に向けて自分の能力を活かせるよう支援すること
- 4.特定の健康課題について効果的に遂行できるという自信を高めるよう支援すること
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
ストレングスモデルの定義を、エンパワメント・自己効力感・健康生成論など類似概念と区別して理解できているかを問う問題。「強みを活かす」というキーワードが解答の鍵。
解答・解説
正解は3です
問題文:高齢者の看護におけるストレングスモデルの説明で適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。ストレングスモデル(strengths model)は、対象者の「できないこと」「問題」「欠点」ではなく、本人が持つ強み(能力・興味・関心・人生経験・社会資源など)に焦点を当て、それを引き出し活用することで生活の質を高めようとする支援アプローチである。米国のラップ(C.A. Rapp)らが精神保健分野で体系化し、現在では高齢者看護や地域看護にも広く応用されている。「健康課題の解決に向けて自分の能力を活かせるよう支援すること」は、まさに本人の強みを基盤に置く支援であり、ストレングスモデルの中核を表している。
選択肢考察
- ×1. 自分で健康行動を判断して決められるよう支援すること
自己決定の尊重やエンパワメントに関する考え方であり、ストレングスモデル特有の概念ではない。両者は近接するが、強みの活用に焦点を当てるストレングスモデルとは視点が異なる。
- ×2. 高齢者自身が健康的な生活を送るための活動を支援すること
健康増進や健康生成論(アントノフスキー)に基づく一般的な健康支援の説明であり、強みの活用という視点を明示していないためストレングスモデルの本質を表しているとはいえない。
- ○3. 健康課題の解決に向けて自分の能力を活かせるよう支援すること
本人の能力・強みを活かすことを明確に述べており、ストレングスモデルの中核概念に合致する。残存機能や得意なこと、これまでの人生経験を支援に組み込む視点である。
- ×4. 特定の健康課題について効果的に遂行できるという自信を高めるよう支援すること
バンデューラの自己効力感(self-efficacy)の説明である。自信を高めること自体は重要だが、強みを引き出し活用するというストレングスモデルとは概念が異なる。
ストレングスモデルの中核は「人は誰でも強みを持っている」「環境にも資源がある」という前提に立ち、6つの原則(リカバリー志向、強みへの焦点、地域は資源の宝庫、利用者主導、援助関係の重視、地域での生活支援)に基づくとされる。高齢者看護では、長年培った職業経験・趣味・人付き合いなどを「強み」として捉え直し、ADLが低下しても残存機能やこれまで生きてきた歴史を活かしてその人らしい生活を組み立てる視点が重要である。問題志向型の医学モデルと対比して理解すると整理しやすい。
ストレングスモデルの定義を、エンパワメント・自己効力感・健康生成論など類似概念と区別して理解できているかを問う問題。「強みを活かす」というキーワードが解答の鍵。
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