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ドレーン・カテーテル合併症

成人看護学 / 周術期・救急

解説

ドレーンとは、体内に貯留した血液・滲出液・消化液などを体外へ排出するために留置する管のことで、カテーテルとは、血管や体腔内に挿入して薬液投与・栄養補給・排液などを行う管をいいます。今回はドレーン・カテーテル留置に伴う合併症について解説します。

ドレーンの目的と排液の観察

術後ドレーンの目的は、出血や消化液の貯留を体外へ誘導し、合併症の早期発見につなげることです。排液の量・色・性状・臭いを継続的に観察し、発熱や腹痛、炎症反応と合わせて評価することが基本となります。

肝切除術後の胆汁漏

肝切除術後の代表的合併症に胆汁漏があります。これは肝切離面や胆管断端から胆汁が漏れる病態で、ドレーンから黄褐色〜緑褐色の排液がみられた場合に強く疑います。放置すると胆汁性腹膜炎や敗血症に進展するため、ドレナージの継続が重要です。多くはドレナージのみで自然閉鎖しますが、遷延すれば内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)や再手術が検討されます。

膵頭十二指腸切除術後のドレーン

膵頭十二指腸切除術は膵頭部・十二指腸・胆嚢・遠位胆管を一塊として切除し、膵腸・胆管空腸・胃空腸の三吻合で再建する高度侵襲手術です。術後は膵液瘻・胆汁瘻・後出血が重大合併症となるため、これらが貯留しやすいウィンスロー孔(網嚢孔、肝十二指腸間膜の背側)にドレーンを留置します。膵液瘻の判定にはドレーン排液中のアミラーゼ値測定が用いられ、術後3日目で正常血清の3倍以上が目安となります(ISGPF基準)。排液が赤色〜暗赤色に変化すれば仮性動脈瘤破裂による後出血を疑い、迅速な対応が必要です。

中心静脈カテーテルの合併症

中心静脈カテーテル(CVC)は高カロリー輸液や薬剤投与のために上大静脈に留置するカテーテルで、鎖骨下静脈・内頸静脈・大腿静脈などから穿刺します。鎖骨下静脈穿刺の主な合併症には、気胸血胸、動脈穿刺、空気塞栓、不整脈があります。

動脈誤穿刺と遅発性血胸

鎖骨下動脈を誤穿刺した場合、直後のX線では異常がなくとも、数時間後に動脈穿刺部位からの遅発性出血で胸腔内に血液が貯留し、血胸を起こすことがあります。胸痛や呼吸困難、SpO2低下、血圧変動が出現したら血胸を強く疑います。穿刺後はX線で位置確認を繰り返し、呼吸状態を継続的に観察することが重要です。

まとめ

ドレーン管理では排液の色調から合併症を判別する力が問われます。肝切除後の黄褐色排液は胆汁漏、膵頭十二指腸切除術後のドレーンはウィンスロー孔留置で膵液瘻を監視するという基本を押さえましょう。中心静脈カテーテル挿入では動脈穿刺後の遅発性血胸に注意が必要です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    肝切除術後にドレーンから黄褐色の排液がみられた場合に最も疑われる合併症はである。

  2. 2.

    膵頭十二指腸切除術後、膵液瘻や後出血の早期発見のためにドレーンを留置する代表的部位はである。

  3. 3.

    膵液瘻の判定には、ドレーン排液中の値の測定が用いられる。

  4. 4.

    鎖骨下動脈の誤穿刺後、数時間後に胸痛や呼吸困難が出現した場合に最も考えられる合併症はである。

  5. 5.

    中心静脈カテーテル挿入時、胸膜を損傷して胸腔内に空気が漏れることで生じる合併症をという。

  6. 6.

    胆汁漏が遷延した場合に行われる内視鏡的処置を(内視鏡的経鼻胆道ドレナージ)という。

  7. 7.

    胆汁漏を放置すると胆汁が腹腔内に拡散し、を引き起こすおそれがある。

ドレーン・カテーテル合併症」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。