膵頭十二指腸切除術のドレーン留置部位 〜ウインスロー孔を制す者は術後管理を制す〜
看護師国家試験 第114回 午前 第52問
国試問題にチャレンジ
膵頭十二指腸切除術においてドレーンを留置する場所で正しいのはどれか。
- 1.Magendie<マジャンディー>孔
- 2.Winslow<ウインスロー>孔
- 3.Luschka<ルシュカ>孔
- 4.Monro<モンロー>孔
対話形式の解説
博士
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博士POINT
膵頭十二指腸切除術の解剖学的位置関係を理解し、術後合併症(膵液瘻・胆汁瘻・出血)の貯留しやすい部位=ウインスロー孔を選べるかが問われている。
解答・解説
正解は2です
問題文:膵頭十二指腸切除術においてドレーンを留置する場所で正しいのはどれか。
解説:正解は 2 です。膵頭十二指腸切除術(PD・SSPPD・PPPD)は、膵頭部・十二指腸・胆嚢・遠位胆管・所属リンパ節を一塊として切除し、空腸を用いて膵腸吻合・胆管空腸吻合・胃空腸(または十二指腸空腸)吻合の三吻合再建を行う高度侵襲手術である。術後は膵液瘻・胆汁瘻・出血が重大合併症となるため、これらが貯留しやすい部位にドレーンを留置する。Winslow(ウインスロー)孔は肝十二指腸間膜の背側、大網嚢と腹腔をつなぐ孔で、肝門部や膵腸吻合部の背側に位置するため、術後合併症の早期発見に最適な留置部位とされる。
選択肢考察
- ×1. Magendie<マジャンディー>孔
第4脳室と脳脊髄液腔(くも膜下腔)をつなぐ正中の孔。脳脊髄液の循環経路にかかわる解剖構造であり、腹腔内のドレーン留置部位ではない。
- ○2. Winslow<ウインスロー>孔
肝十二指腸間膜の背側にあり、網嚢(大網嚢)と腹腔をつなぐ孔。膵腸吻合部や胆管空腸吻合部に近く、膵液漏・胆汁漏・術後出血が貯留しやすいため、膵頭十二指腸切除術ではここに情報ドレーンを留置するのが標準である。
- ×3. Luschka<ルシュカ>孔
第4脳室の左右両側にある外側口で、脳脊髄液をくも膜下腔へ流出させる孔。中枢神経系の解剖構造であり、腹部手術のドレーン留置部位ではない。
- ×4. Monro<モンロー>孔
側脳室と第3脳室をつなぐ室間孔。脳室ドレナージ時の頭蓋内圧の基準点として使われるが、腹部のドレーン留置部位とは無関係である。
膵頭十二指腸切除術後のドレーンは、ウインスロー孔のほか、膵腸吻合部前面・胆管空腸吻合部付近に複数本留置することが多い。膵液瘻の早期発見にはドレーン排液の性状観察と、排液中アミラーゼ値の測定(術後3日目で正常血清の3倍以上が膵液瘻判定の目安:ISGPF基準)が重要である。排液が赤色〜暗赤色に変化する場合は仮性動脈瘤破裂による後出血の可能性があり、迅速な対応が必要となる。
膵頭十二指腸切除術の解剖学的位置関係を理解し、術後合併症(膵液瘻・胆汁瘻・出血)の貯留しやすい部位=ウインスロー孔を選べるかが問われている。
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