呼吸音と副雑音
基礎看護学 / バイタル・フィジカルアセスメント
解説
今回は呼吸音と副雑音(ラ音)について解説します。
呼吸音と副雑音
正常な呼吸では、気管支音・気管支肺胞音・肺胞音が聴診器で聴取されます。これに異常な音が混じることがあり、まとめて副雑音(ラ音)と呼びます。副雑音は大きく連続性副雑音と断続性副雑音に分けられ、さらに胸膜炎で聴取される胸膜摩擦音があります。
連続性副雑音
気道が狭くなっている部分を空気が通るときに発生する音で、主に呼気で聴取されます。
高調性連続性副雑音(笛音/wheeze)
「ヒューヒュー」「ピーピー」と聞こえる高い音で、細い気管支の狭窄により生じます。代表的な原因疾患は気管支喘息発作、COPD、うっ血性心不全による心臓喘息などです。
低調性連続性副雑音(類鼾音/rhonchi)
いびきのような「ゴーゴー」「ボーボー」と聞こえる低い音で、太い気管・主気管支の狭窄で生じます。分泌物の貯留や腫瘍などが原因となります。
断続性副雑音
肺胞や末梢気道で生じる短く途切れた音で、主に吸気で聴取されます。
細かい断続性副雑音(捻髪音/fine crackles)
「パリパリ」「チリチリ」と聞こえる細かく高い音で、肺の硬さが増した部分で吸気時に肺胞が遅れて開く際に発生します。間質性肺炎の代表的なサインで、肺底部から聴取されます。
粗い断続性副雑音(水泡音/coarse crackles)
「プツプツ」「ボコボコ」と聞こえる粗く低い音で、気道内の分泌物が空気で弾けるときに生じます。肺炎や肺水腫などが代表的な原因疾患です。
副雑音の4分類マトリックス
副雑音は「連続性/断続性」×「高調性/低調性」のマトリックスで整理すると覚えやすくなります。連続性×高調性が笛音(wheeze)で気管支喘息、連続性×低調性が類鼾音(rhonchi)で太い気管支の狭窄、断続性×細かい(高調)が捻髪音(fine crackles)で間質性肺炎、断続性×粗い(低調)が水泡音(coarse crackles)で肺炎・肺水腫が代表的な対応となります。
胸膜摩擦音と臨床的なヒント
胸膜摩擦音は、炎症で粗くなった胸膜同士がこすれる音で、革のきしむような音が呼吸に合わせて聴かれ、胸膜炎で生じます。臨床的には、咳嗽で消えるラ音は分泌物由来、咳嗽で消えないラ音は肺実質由来と判断する目安があります。
まとめ
副雑音は連続性(呼気で聴く笛音・類鼾音)と断続性(吸気で聴く捻髪音・水泡音)に分かれ、それぞれ気管支喘息、太い気道の分泌物貯留、間質性肺炎、肺炎・肺水腫といった代表疾患と結びついています。聴診で「どの相に」「どの高さで」「どの性質の」音が聴こえるかを言語化することが、呼吸アセスメントの基本となります。
確認問題(穴埋め)
空欄をタップすると答えが表示されます。
- 1.
副雑音は連続性副雑音とに大別され、ほかに胸膜炎で聴かれる胸膜摩擦音がある。
- 2.
気管支喘息発作時に細い気管支の狭窄で生じ、「ヒューヒュー」と聴こえる高調性連続性副雑音をという。
- 3.
太い気管支の分泌物貯留や腫瘍による狭窄で生じる、「ゴーゴー」「ボーボー」といびきのように聴こえる低調性連続性副雑音をという。
- 4.
間質性肺炎の代表的なサインで、吸気時に「パリパリ」と聴こえる細かい断続性副雑音をという。
- 5.
肺炎や肺水腫で気道内の分泌物が弾けて生じ、「プツプツ」「ボコボコ」と聴こえる粗い断続性副雑音をという。
- 6.
連続性副雑音は気道狭窄による音であり、主にで聴取される。
- 7.
胸膜炎で炎症のある胸膜同士がこすれて生じる、革のきしむような音をという。
