看護師の業務範囲と禁止業務
基礎看護学 / 看護倫理・看護師法規
解説
今回は看護師の業務範囲と禁止業務について解説します。看護師がどこまでの行為を行ってよいかは、保健師助産師看護師法(略して保助看法)という法律で定められています。国試では条文番号や用語が直接問われるため、根拠となる法律と区分を正確に押さえることが重要です。
保助看法による看護師の業務
保助看法第5条では、看護師を「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義しています。看護師の業務は大きくこの2つに分かれます。
療養上の世話
療養上の世話とは、食事介助・清潔ケア・排泄介助・体位変換・環境整備など、患者の日常生活を支える看護独自の業務です。医師の指示がなくても看護師の判断で実施できます。
診療の補助
診療の補助とは、本来は医師が行う医行為のうち、医師の指示のもとで看護師が代わって行える行為です。保助看法第37条は「主治の医師又は歯科医師の指示があった場合のほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をなしその他医師若しくは歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない」と定めており、医師の指示が前提条件となります。
絶対的医行為と相対的医行為
医行為は法的に2種類に区別されます。
絶対的医行為
絶対的医行為とは、医師でなければ行ってはならない行為で、医師の指示があっても看護師は実施できません。具体的には診断、処方、手術、診断書の交付などが該当します。診断書の交付は医師法第19条第2項により診察した医師のみに認められた業務です。一方、看護記録や看護サマリーは看護師が作成する文書であり、混同しないよう注意が必要です。
相対的医行為
相対的医行為とは、医師の指示のもとで看護師が診療の補助として実施できる医行為です。静脈内注射は平成14年の厚生労働省通知により、診療の補助として看護師が実施できることが明確化されました。採血、点滴、導尿、気管内吸引なども相対的医行為に含まれます。
特定行為研修制度
2015年に開始された特定行為研修制度は、医師不足や在宅医療の需要増加に対応するための制度です。研修を修了した看護師は、38行為21区分の特定行為について、医師があらかじめ作成した手順書による包括的指示のもとで実施できます。その都度の具体的指示ではなく手順書に基づく包括的指示で対応できる点が特徴です。
まとめ
看護師の業務は保助看法第5条で療養上の世話と診療の補助と定められ、第37条で診療の補助には医師の指示が必要と規定されています。診断・処方・手術・診断書交付などの絶対的医行為は看護師には禁止されており、静脈内注射などは医師の指示下で行える相対的医行為です。特定行為研修を修了した看護師は手順書による包括的指示で38行為21区分を実施できます。条文番号と用語を正確に覚えることが国試突破の鍵です。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
看護師の業務範囲を定める法律はである。
- 2.
保健師助産師看護師法第5条において、看護師の業務は「療養上の世話」との2つと定められている。
- 3.
保健師助産師看護師法第条では、看護師は主治の医師または歯科医師の指示があった場合のほか、衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならないと定められている。
- 4.
医師でなければ行ってはならず、医師の指示があっても看護師が行えない行為をという。
- 5.
医師の指示のもとで看護師が診療の補助として行える医行為をという。
- 6.
平成14年の厚生労働省通知により、医師の指示のもとで看護師が診療の補助として実施できることが明確化された行為はである。
- 7.
医師法第19条第2項により診察した医師のみに認められており、看護師が医師の指示を受けても作成・交付できない文書はである。
- 8.
2015年に開始された特定行為研修を修了した看護師は、医師があらかじめ作成したによる包括的指示のもとで特定行為を実施できる。
- 9.
特定行為研修の対象となる特定行為はと定められている。
