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尿路結石の治療と再発予防

成人看護学 / 腎・泌尿器

解説

今回は尿路結石の治療と再発予防について解説します。

尿路結石とは

尿路結石とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道といった尿の通り道に結石(固い結晶のかたまり)が形成される疾患の総称です。発生部位によって腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石に分類されます。中高年男性に多くみられ、生活習慣病(メタボリックシンドローム・高尿酸血症など)との関連も深い疾患です。再発しやすいのが特徴で、5年再発率は約40〜50%と高く、治療後の生活指導が極めて重要となります。

結石の成分と特徴

尿路結石は成分により複数のタイプに分類されます。最も多いのはシュウ酸カルシウム結石で、全体の約80%を占めます。次いでリン酸カルシウム結石、尿酸結石(約5〜10%)、感染が原因となるリン酸マグネシウムアンモニウム結石(感染結石)、遺伝性のシスチン結石などがあります。 結石の成分により画像所見も異なります。カルシウム含有結石はX線で白く描出されますが、尿酸結石はX線透過性であり、単純レントゲンには写りにくいという特徴があります。尿酸結石は酸性尿で結晶化しやすく、痛風や高尿酸血症と関連します。

症状

尿路結石の代表的な症状は、突然発症する激しい疝痛発作です。側腹部から下腹部、鼠径部・陰部にかけての放散痛が特徴で、患者は冷汗や悪心嘔吐を伴うことがあります。結石が尿路粘膜を傷つけるため血尿(顕微鏡的または肉眼的)が高頻度にみられます。膀胱付近に結石が下降すると頻尿・残尿感などの膀胱刺激症状も出現します。

急性期の治療

急性期の最大の目的は除痛です。鎮痛にはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が第一選択であり、尿管平滑筋の収縮による疼痛と炎症を抑えます。あわせて抗コリン薬で尿管の蠕動を抑え、十分な水分摂取や補液で利尿を促して自然排石を促進します。 尿路結石の急性期マネジメントは「3S」として整理されます。すなわち、Stone size(結石の大きさを評価)、Stop pain(NSAIDsで除痛)、Stream(水分摂取と利尿で排石を促す)の3つです。

サイズによる治療方針

結石のサイズは治療方針を決定する重要な指標です。長径10mm以下の結石は自然排石が期待できるため、保存的治療(鎮痛・補液・経過観察)が選択されます。一方、10mmを超える結石は自然排石が困難であり、積極的治療が必要となります。代表的なのがESWL(体外衝撃波結石破砕術)で、体外から衝撃波を照射して結石を粉砕します。内視鏡を用いて尿管・腎内の結石を直接破砕・摘出するTUL(経尿道的尿管結石砕石術)などの内視鏡的砕石術も広く行われています。

再発予防の生活指導

尿路結石は再発率が高いため、退院後の生活指導が治療の要となります。共通する最重要事項は1日2L以上の水分摂取で、尿量2Lを目標とし尿を希釈して結晶化を防ぎます。 食事では動物性タンパク質・塩分・糖分の過剰摂取を避けます。カルシウムについては過度に制限せず適量を摂取することがポイントです。腸管内でシュウ酸と結合して便に排泄させるため、極端なカルシウム制限はかえって結石形成を助長します。シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草・タケノコ・チョコレート・紅茶・コーヒー)の過剰摂取は避け、摂取する際は茹でこぼしや乳製品との同時摂取が推奨されます。さらに夕食から就寝までの時間を十分にあけること、適度な運動を継続することも再発予防に有効です。

尿酸結石に特異的な予防

尿酸結石は酸性尿で形成されるため、予防には尿のアルカリ化が重要です。クエン酸製剤(ウラリットなど)を内服して尿pHを6.0〜7.0に保ちます。野菜・果物・乳製品などのアルカリ性食品の摂取を増やすことも有効です。 また尿酸産生を抑えるためプリン体を1日400mg以下に制限し、尿酸産生を促進するアルコールは節酒します。高尿酸血症が背景にある場合は、尿酸生成抑制薬であるアロプリノールなどを併用します。十分な水分摂取で尿酸を希釈することも基本です。

まとめ

尿路結石は腎・尿管・膀胱・尿道に結石を生じる疾患で、シュウ酸カルシウム結石が約8割を占めます。尿酸結石は酸性尿で形成されX線透過性である点が特徴です。急性期は疝痛発作に対しNSAIDsで除痛し、10mm以下は自然排石を、10mm超ではESWLやTULを選択します。再発率が高いため、1日2L以上の水分摂取・シュウ酸食品の制限・適量のカルシウム摂取が共通の予防策となります。尿酸結石ではクエン酸製剤による尿アルカリ化、プリン体制限、節酒、アロプリノールの併用が要点です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    尿路結石のうち最も頻度が高い成分は結石で、全体の約80%を占める。

  2. 2.

    酸性尿で形成されX線透過性のためレントゲンに写りにくい結石は結石である。

  3. 3.

    尿路結石の急性期において、疝痛発作の除痛に第一選択として用いられる薬剤はである。

  4. 4.

    結石サイズが以下の場合は自然排石が期待でき、保存的治療が選択される。

  5. 5.

    自然排石が困難な大きな結石に対して、体外から衝撃波を照射して結石を破砕する治療をという。

  6. 6.

    尿路結石の再発予防として、1日以上の水分摂取が指導される。

  7. 7.

    尿酸結石の再発予防として、尿をアルカリ化するために用いられる薬剤はである。

  8. 8.

    尿酸結石の予防では、プリン体摂取量を1日以下に制限する。

  9. 9.

    尿路結石の再発予防の食事指導では、ほうれん草・タケノコ・紅茶などに多く含まれるの過剰摂取を控える。

  10. 10.

    尿酸生成を抑制する薬剤で、尿酸結石や痛風の治療に用いられる代表的な薬剤はである。

尿路結石の治療と再発予防」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。