難病法と指定難病
健康支援と社会保障制度 / 福祉法・人権関連法
解説
今回は難病法と指定難病について解説します。
難病法とは
難病法とは、正式名称を「難病の患者に対する医療等に関する法律」といい、2015年(平成27年)1月に施行された法律です。それまで予算事業として行われていた難病対策を法律上に位置づけ、医療費助成を持続可能な制度として整備するとともに、調査研究の推進や療養生活の支援を総合的に進めることを目的としています。
難病の定義
難病法における「難病」とは、発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない希少な疾病であって、長期にわたる療養を必要とするものをいいます。原因がわかっていて治療法が確立している病気や、患者数の多い生活習慣病は含まれません。
指定難病の要件
難病のうち、医療費助成の対象となる疾病を指定難病といいます。指定難病に該当するためには、難病の定義に加え、患者数が本邦において人口のおおむね**0.1%**程度未満であること、客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が確立していることの2つの要件を満たす必要があります。整理すると、「発病機構が不明」「治療法が未確立」「長期の療養が必要」「患者数が人口の約0.1%未満」「客観的な診断基準が確立」の5要件として理解しておくとよいでしょう。指定難病は段階的に拡大され、現在は300以上の疾病が対象です。代表例として、パーキンソン病、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、クローン病、筋萎縮性側索硬化症、再生不良性貧血などがあります。
国と都道府県の役割
難病法では国と都道府県の役割が明確に分けられています。国(厚生労働大臣)は、難病に係る医療等の総合的な推進のための基本方針を策定し、発病機構・診断・治療に関する調査研究を推進します。一方、都道府県知事(または指定都市の市長)は、指定医療機関の指定、難病指定医の指定、特定医療費の支給認定など実務を担当します。「国=基本方針と研究推進」「都道府県=指定と支給認定」と覚えると、選択問題で取り違えを防げます。
医療費助成の仕組み
指定難病と診断された患者が医療費助成を受けるには、難病指定医が作成した臨床調査個人票(診断書)を添えて、居住地の都道府県または指定都市に申請します。認定されると特定医療費受給者証が交付され、指定医療機関での自己負担が軽減されます。対象は、指定難病と診断され、症状の程度が一定の重症度分類を満たす患者です。自己負担上限額は世帯の所得に応じて区分され、人工呼吸器装着など特に重症度の高い患者には軽減措置が設けられています。
療養生活の支援
難病法では医療費助成のほか、各都道府県に難病相談支援センターを設置し、療養生活上の相談、就労支援、患者会の紹介などを行うことが規定されています。また、地域の関係機関が連携するための難病対策地域協議会の整備も定められています。
まとめ
難病法は2015年に施行され、発病機構が不明・治療法が未確立・長期療養が必要な希少疾病を難病と定義し、患者数が人口の0.1%未満で客観的診断基準が確立したものを指定難病として医療費助成の対象とします。国は基本方針策定と調査研究推進、都道府県知事は指定と支給認定を担います。要件と役割分担、申請主体を整理して押さえることが国試攻略のポイントです。
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- 1.
難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)は年1月に施行された。
- 2.
難病法における「難病」とは、発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない希少な疾病であって、の療養を必要とするものをいう。
- 3.
難病のうち、患者数が人口のおおむね%程度未満で、客観的な診断基準が確立しているなどの要件を満たし、医療費助成の対象となる疾病を指定難病という。
- 4.
難病法において、難病に係る医療等の総合的な推進のための基本方針を策定するのはである。
- 5.
難病法において、指定医療機関の指定や難病指定医の指定、特定医療費の支給認定を行うのは(指定都市の市長)である。
- 6.
指定難病の医療費助成を申請する際に必要な臨床調査個人票(診断書)は、が作成する。
- 7.
患者や家族の療養生活上の相談、就労支援などを行う機関として、難病法に基づき各都道府県に設置されているのはである。
- 8.
指定難病に該当する血液疾患で、造血幹細胞の減少により汎血球減少をきたす疾患はである。
