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健康寿命

健康支援と社会保障制度 / 公衆衛生・人口統計

解説

今回は健康寿命について解説します。

平均寿命と健康寿命

平均寿命とは、0歳児が今後何年生きられるかを示す平均余命のことで、その国の保健水準を表す代表的な指標です。これに対して健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間、すなわち「日常生活に制限のない期間の平均」を指します。 平均寿命と健康寿命の差は、寝たきりや要介護など、何らかの形で日常生活に制限を受けて過ごす期間(不健康な期間)にあたります。超高齢社会を迎えた日本では、単に長く生きること以上に、この差をいかに小さくして自立した生活を送れる期間を延ばすかが大きな課題となっています。

健康寿命の概念とWHOの提唱

健康寿命は、世界保健機関(WHO)が2000年に提唱した概念で、英語ではHealthy Life Expectancy(HALE)と表記されます。寿命を「生きている長さ」だけでなく「健康に過ごせる長さ」で評価しようとする考え方であり、生活の質(QOL)を重視する現代の健康観を反映しています。

日本における算出方法

日本における健康寿命は、3年ごとに実施される国民生活基礎調査の結果をもとに算出されます。具体的には「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という設問への回答を用いて、生命表とあわせて計算します。 国際比較ではWHOがDALY(障害調整生命年)を用いて算出する方法を採用しています。日本ではこのほかに、「自分が健康であると自覚している期間の平均」や「日常生活動作が自立している期間の平均」といった指標も用いられ、合計3つの観点から評価されます。

日本の健康寿命の現状

2019年の日本の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳で、同年の平均寿命(男性81.41歳、女性87.45歳)との差は男性で約8.7年、女性で約12.1年でした。女性のほうが平均寿命は長い一方で、不健康な期間も長くなる傾向にあるのが特徴です。この差の短縮こそが、近年の健康増進政策の中心的な目標となっています。

健康寿命を延ばす予防の考え方

健康寿命の延伸には、疾病予防の3段階を理解することが重要です。一次予防は生活習慣の改善やワクチン接種などによって、そもそも病気にならないようにする取り組みです。生活習慣病予防はここに位置づけられます。 二次予防は健康診査やがん検診による早期発見・早期治療で、病気の進行を食い止める段階です。三次予防はすでに発症した疾患の重症化を防ぎ、リハビリテーションによって機能回復や社会復帰を目指す段階です。健康寿命を延ばすうえでは、特に一次予防の重要性が強調されています。

重点となる予防対象

日常生活動作の制限や要介護状態の主要な原因は、がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病などの生活習慣病です。これらの予防に加えて、高齢者では介護予防、転倒予防、認知症予防が重要な柱となります。とりわけ脳血管疾患や認知症は要介護の主要原因であり、健康寿命を脅かす代表的な疾患として国試でも問われます。

健康日本21との関係

健康寿命の延伸は、厚生労働省が推進する国民健康づくり運動である健康日本21の中核的な目標です。第二次(2013〜2022年度)では「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」が掲げられ、現在進行中の第三次(2024年度〜)にもその理念は引き継がれています。生活習慣病予防や社会環境の整備などを通じて、平均寿命と健康寿命の差を縮めることが目指されています。

まとめ

健康寿命とはWHOが2000年に提唱した概念で、健康上の問題で日常生活が制限されることなく過ごせる期間の平均を意味します。日本では国民生活基礎調査を基に算出され、2019年時点では男女ともに平均寿命と約9〜12年の差がありました。この差を縮めるため、生活習慣病予防を中心とする一次予防、健診による二次予防、リハビリによる三次予防が重視され、健康日本21の主要目標として位置づけられています。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間をという。

  2. 2.

    健康寿命はが2000年に提唱した概念で、英語ではHealthy Life Expectancy(HALE)と表記される。

  3. 3.

    日本における健康寿命は、3年ごとに実施されるの結果をもとに算出される。

  4. 4.

    平均寿命と健康寿命の差は、日常生活に制限を受けて過ごすな期間を表し、この差の短縮が健康増進政策の中心課題となっている。

  5. 5.

    生活習慣の改善などによって発症そのものを防ぐ取り組みをといい、健康寿命延伸の中心となる。

  6. 6.

    健診やがん検診によって疾病を早期発見・早期治療する取り組みをという。

  7. 7.

    すでに発症した疾患の重症化予防やリハビリテーションによる機能回復はに位置づけられる。

  8. 8.

    健康寿命の延伸と健康格差の縮小を主要目標とする、厚生労働省の国民健康づくり運動をという。

  9. 9.

    日常生活動作の制限や要介護状態の主要原因であり、健康寿命延伸のために予防が最重視されている疾患群をという。

健康寿命」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。