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国民生活基礎調査(世帯)

健康支援と社会保障制度 / 公衆衛生・人口統計

解説

今回は国民生活基礎調査における世帯構造について解説します。

国民生活基礎調査とは

国民生活基礎調査とは、厚生労働省が国民の保健・医療・福祉・年金・所得などの基礎的事項を把握し、政策立案の基礎資料を得るために実施する基幹統計調査です。1986年(昭和61年)以降毎年実施されており、3年ごとに大規模調査、その間の年は小規模調査が行われます。世帯構造や平均世帯人員、高齢者世帯の状況など、看護師国家試験で頻出の統計値はこの調査から得られたものです。

世帯構造の6区分

世帯構造は次の6つに分類されます。①単独世帯(一人暮らし)、②夫婦のみの世帯、③夫婦と未婚の子のみの世帯、④ひとり親と未婚の子のみの世帯、⑤三世代世帯(祖父母・親・子が同居)、⑥その他の世帯、の6区分です。 このうち、②夫婦のみ、③夫婦と未婚の子のみ、④ひとり親と未婚の子のみの3つを合わせたものを核家族世帯といいます。三世代世帯は核家族には含まれない点に注意が必要です。

世帯構造の経年変化

戦後から現在にかけて、日本の世帯構造は大きく変化してきました。最も大きな流れは、単独世帯の増加三世代世帯の減少、そして夫婦のみ世帯の増加です。背景には、高齢化の進行による独居高齢者の増加、未婚化・晩婚化、少子化などがあります。 平成23年(2011年)の調査では単独世帯は約25.2%(およそ4分の1)でしたが、平成29年(2017年)には27.0%、令和に入ってもさらに増加傾向にあります。一方、かつて主流であった三世代世帯は大きく減少し、令和4年(2022年)には65歳以上の者がいる世帯のうち三世代世帯は7.1%まで低下しました。 なお、世帯構造の中で最も多いのは単独世帯となっており、これに夫婦のみ世帯、夫婦と未婚の子のみの世帯が続きます。

平均世帯人員の推移

平均世帯人員とは、1世帯あたりの平均人数のことです。1953年(昭和28年)には約5.0人でしたが、核家族化と少子化の進行に伴って減少を続け、1990年代には3人を下回りました。その後も低下傾向は続き、令和元年(2019年)には2.39人、令和4年(2022年)には2.25人まで低下しています。世帯の小規模化が一貫して進行している点を押さえておきましょう。

65歳以上の者のいる世帯

65歳以上の者のいる世帯とは、世帯員に1人でも65歳以上の高齢者がいる世帯を指します。この割合は1986年には26.0%でしたが、その後一貫して上昇し、平成30年(2018年)には48.9%(約半数)、令和4年(2022年)には約50.6%と、全世帯のおよそ半数を占めるまでになりました。約30年で2倍近くに増加した計算になります。 65歳以上の者のいる世帯の内訳をみると、令和4年では夫婦のみが32.1%、単独が31.8%、親と未婚の子のみが20.1%、三世代が7.1%となっており、高齢者の夫婦のみ世帯と単独世帯が多数を占めています。これは独居高齢者や高齢夫婦のみの世帯が増えていることを示しており、看護や介護の現場で重要な意味を持ちます。 また、児童(18歳未満の未婚者)のいる世帯は減少傾向にあり、令和4年には全世帯の**18.3%**にとどまっています。

高齢化率との違い

「65歳以上の者のいる世帯の割合」と「高齢化率」はよく似ていますが、別の指標である点に注意が必要です。高齢化率とは、総人口に占める65歳以上人口の割合をいいます。世帯単位ではなく人口単位で算出される点が異なります。 高齢化率による社会の分類は次の通りです。7%以上で高齢化社会、14%以上で高齢社会、21%以上で超高齢社会と呼ばれます。日本は1970年に高齢化社会、1994年に高齢社会、そして2007年に超高齢社会に突入しました。令和4年時点での高齢化率は約29.0%であり、世界でも最高水準にあります。 「世帯」の半数に65歳以上がいることと、「人口」の約3割が65歳以上であることは別の事実であり、混同しないように整理しておきましょう。

看護への含意

単独世帯の増加、特に独居高齢者の増加は、看護・介護の現場に大きな影響を及ぼします。家族による支援が得られにくい高齢者が増えるため、地域包括ケアシステムや訪問看護、社会的孤立の予防、見守り体制の構築が一層重要となります。これらの統計値は、地域看護や在宅看護の根拠資料として国家試験でも頻繁に問われます。

まとめ

国民生活基礎調査は厚生労働省が毎年実施する基幹統計で、3年ごとに大規模調査が行われます。世帯構造は単独、夫婦のみ、夫婦と未婚の子のみ、ひとり親と未婚の子のみ、三世代、その他の6区分に分けられ、核家族は夫婦のみ・夫婦と未婚の子のみ・ひとり親と未婚の子のみの3つです。直近では単独世帯が最も多く、平均世帯人員は2.25人まで低下しています。65歳以上の者のいる世帯は約半数を占め、その多くが高齢者夫婦のみまたは単独世帯です。世帯単位の指標と人口単位の高齢化率(2007年に21%を超え超高齢社会入り)を区別しつつ、独居高齢者支援の視点も含めて理解しておきましょう。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    国民生活基礎調査はが1986年以降毎年実施している基幹統計で、3年ごとに大規模調査が行われる。

  2. 2.

    世帯構造のうち、夫婦のみの世帯、夫婦と未婚の子のみの世帯、ひとり親と未婚の子のみの世帯の3つを合わせてという。

  3. 3.

    令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における平均世帯人員は人である。

  4. 4.

    令和4年において、65歳以上の者のいる世帯は全世帯の約%を占め、およそ半数となっている。

  5. 5.

    65歳以上の者のいる世帯の内訳で最も多いのはであり、次いで単独世帯が多い。

  6. 6.

    総人口に占める65歳以上人口の割合が21%を超えた社会をといい、日本は2007年にこの段階に入った。

  7. 7.

    総人口に占める65歳以上人口の割合をといい、国民生活基礎調査でいう「65歳以上の者のいる世帯の割合」とは異なる指標である。

  8. 8.

    戦後から続く世帯構造の大きな変化として、単独世帯の増加との減少が挙げられる。

  9. 9.

    令和4年の国民生活基礎調査において、児童のいる世帯の割合は全世帯の%であり、減少傾向にある。

国民生活基礎調査(世帯)」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。