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多職種連携と訪問看護の役割

地域・在宅看護論 / 訪問看護・在宅看取り

解説

多職種連携と訪問看護の役割とは、在宅で療養する利用者の生活と医療を支えるため、訪問看護師を中心に医師・介護支援専門員・訪問介護員・理学療法士・作業療法士・薬剤師などが互いの専門性を活かして協働する仕組みを指します。今回は多職種連携と訪問看護の役割について解説します。

訪問看護師の役割

訪問看護師は、主治医の指示書に基づき在宅で医療処置や全身管理を行うとともに、利用者の生活の場におけるあらゆる側面を支援する専門職です。役割は大きく医療処置生活リハビリテーション観察と健康管理療養指導の四つに整理できます。

医療処置では、点滴管理、褥瘡処置、気管カニューレや吸引の管理、ストーマケア、在宅酸素療法、経管栄養、カテーテル管理などを担います。生活リハビリテーションでは、主治医の指示のもと関節可動域訓練、起立歩行訓練、ADL指導などを実施し、日常生活動作の維持向上を図ります。観察では、バイタルサインに加え、食事・排泄・睡眠・皮膚状態・口腔内・服薬状況などを総合的に評価し、異常の早期発見につなげます。療養指導では、利用者本人だけでなく家族介護者に対しても、介護技術や緊急時対応を含めた教育を行います。

多職種連携の枠組み

在宅療養の支援は単独の職種では完結せず、それぞれが補完的に役割を担います。**介護支援専門員(ケアマネジャー)**はケアプランを作成し、サービスの調整と給付管理を行います。**訪問介護員(ホームヘルパー)**は身体介護や生活援助といった日常生活の直接的な支援を担当します。理学療法士・作業療法士は運動機能や生活動作の評価と機能訓練を行い、主治医は医学的管理と訪問看護指示書の交付を、薬剤師は服薬管理や在宅での薬学的管理指導を担います。

訪問看護師はこれらの職種の中間に位置し、医療と生活の双方の視点から情報を統合する調整役を担います。たとえば直近の入院理由が誤嚥性肺炎であれば、再発予防が最優先課題となり、口腔ケア、頸部前屈位での摂食、とろみ調整、食後の座位保持、嚥下訓練、肺炎球菌ワクチン接種などをケアプランに反映するようケアマネと共有することが求められます。

フォーマルサービスとインフォーマルサポート

地域包括ケアシステムは、専門職が提供するフォーマルサービスと、家族・友人・近隣住民・ボランティアなどによるインフォーマルサポートの両輪で成り立ちます。インフォーマルサポートの代表例には、近隣住民による家事援助や見守り、ボランティアによる外出支援などがあります。これらは自発的かつ柔軟である一方、安定供給に課題があるため、フォーマルとインフォーマルを組み合わせて生活を支える視点が必要です。

援助の主体に着目した分類として、自助・互助・共助・公助があります。自助は自分自身や家族の力による生活維持、互助はインフォーマルな相互扶助、共助は医療保険や介護保険などの社会保険、公助は生活保護や行政サービスを指します。

訪問看護と外来看護の連携

在宅と医療機関の間で継続性のあるケアを提供するためには、訪問看護師と外来看護師の情報共有が不可欠です。利用者が使用している医療材料の情報、たとえば吸引カテーテルのサイズ、ストーマ装具の種類、経管栄養セット、在宅酸素機器の流量、各種カテーテルや褥瘡処置材料などを共有することで、外来受診時の処置や物品準備が円滑になります。

連携の手段としては、看護サマリー、連絡ノート、電話やファクスのほか、近年は医療介護連携ICTの活用も進んでいます。個人情報を扱うため、利用者本人や家族からの同意取得、情報の匿名化、必要最小限の共有を徹底することが原則です。

優先度の判断

多職種で情報を共有する際は、観察事項、判断、ケアの方向性の順で簡潔に伝えることが望まれます。優先度の判断では、直近の入院理由が最優先課題となる点を押さえておく必要があります。また高齢者は口渇感が鈍く脱水を自覚しにくいため、口唇や腋窩の乾燥、皮膚ツルゴール低下、微熱、頻脈、尿量減少などの脱水サインを早期に捉え、訪問介護担当者と水分摂取の促しを共有することが重要です。脳梗塞既往者では脱水が再発リスクとなるため、一日あたり千〜千五百ミリリットル程度の水分摂取が目安となります。

まとめ

訪問看護師は医療処置だけでなく生活リハビリテーションや観察、教育を担い、ケアマネジャーや訪問介護員、理学療法士、主治医、薬剤師などと協働して在宅療養を支えます。フォーマルとインフォーマル、自助・互助・共助・公助の枠組みを理解し、看護サマリーやICTを活用した情報共有を通じて継続性のあるケアを実現することが、多職種連携における訪問看護の本質的な役割となります。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    地域包括ケアにおいて、家族・友人・近隣住民・ボランティアなどによる自発的な援助はと呼ばれる。

  2. 2.

    在宅療養者のケアプランを作成し、サービス全体を調整するのは(ケアマネジャー)である。

  3. 3.

    訪問看護師は主治医の指示のもと、関節可動域訓練や起立歩行訓練など生活的な関わりも行う。

  4. 4.

    誤嚥性肺炎の再発予防では、食事中は頸部位とし、食後は約2時間の座位保持を行う。

  5. 5.

    医療と介護をつなぐ情報共有のために用いられる、入院や退院時に作成される書面を看護という。

  6. 6.

    援助の主体による分類で、医療保険や介護保険などの社会保険はに分類される。

  7. 7.

    高齢者は口渇感が鈍いため、口唇乾燥や微熱、頻脈などのサインを早期に把握する必要がある。

  8. 8.

    訪問看護と外来看護の連携では、利用者が使用しているの情報を共有し継続性のあるケアにつなげる。

多職種連携と訪問看護の役割」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。