急性リンパ性白血病の診断・治療期看護
小児看護学 / 小児血液・腫瘍・その他
解説
今回は急性リンパ性白血病の診断・治療期の看護について解説します。
急性リンパ性白血病とは
急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia:ALL)とは、骨髄でリンパ系の白血球が腫瘍化し、未熟な細胞(芽球)が無制限に増殖する血液のがんです。小児がんの中で最も頻度が高く、2〜5歳の小児に好発します。正常な造血が抑制されるため、赤血球減少による貧血(顔色不良、倦怠感)、血小板減少による出血傾向、正常白血球の減少による感染症や発熱などが初発症状として現れます。診断は末梢血検査と骨髄検査(骨髄穿刺)による芽球の確認で行われます。
治療の流れ
治療は化学療法が中心で、大きく寛解導入療法、強化療法(地固め療法)、維持療法の3段階に分けられます。寛解導入療法は複数の抗癌薬を組み合わせて投与し、骨髄中の白血病細胞を一気に減少させる治療です。多量の抗癌薬を確実に投与するため、中心静脈カテーテルが留置されます。維持療法は寛解後も再発を防ぐために2〜3年継続され、主に6-MP(6-メルカプトプリン)やMTX(メトトレキサート)の内服を外来通院で行います。
腫瘍崩壊症候群への対応
抗癌薬投与開始後12〜72時間以内に注意すべき合併症が腫瘍崩壊症候群です。これは大量の白血病細胞が一斉に破壊されることで、細胞内の尿酸・カリウム・リンが血中に放出され、高尿酸血症、高カリウム血症、高リン血症、低カルシウム血症、急性腎障害を引き起こす病態です。尿酸結晶が腎尿細管に沈着し腎機能を著しく障害するため、その予防が重要となります。予防策として、1日2,500〜3,000mL/m²の大量輸液による尿の希釈と尿量確保、尿酸生成抑制薬であるアロプリノールや尿酸分解酵素薬であるラスブリカーゼの投与が行われます。学童期の患児には、点滴の必要性を「腎臓を守るため」など本人の理解度に合わせて説明するプレパレーションが大切です。
家族への経済的支援
小児がんは長期入院と高額な治療を要するため、家族の経済的負担が大きくなります。急性リンパ性白血病は小児慢性特定疾病の対象疾患であり、医療費助成制度を利用できます。申請窓口は都道府県・指定都市・中核市で、医師の意見書を添えて申請し、認定されると世帯所得に応じた自己負担上限額が設定され、入院時食事療養費の半額も助成されます。
維持療法期の学校生活
維持療法期は寛解状態にあるため、過度な制限は不要で、給食や体育を含む通常の学校生活を継続することが推奨されます。同年代との集団生活は心理社会的発達に欠かせず、復学支援は学校・家族・医療者が連携して進めます。ただし好中球減少時期は感染対策として手洗い・うがい・マスク着用を指導し、感染症流行時には速やかに医療機関へ連絡できる体制を整えます。
まとめ
急性リンパ性白血病の治療期看護では、寛解導入療法時の腫瘍崩壊症候群予防のための大量輸液の意義を患児に理解できる言葉で伝えること、小児慢性特定疾病による医療費助成など家族の経済的不安に応じた社会資源の情報提供、維持療法期に過度な制限を設けず学校生活を継続する支援が重要なポイントです。
確認問題(穴埋め)
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- 1.
急性リンパ性白血病で骨髄から無制限に増殖する未熟な細胞をという。
- 2.
急性リンパ性白血病の確定診断にはが行われる。
- 3.
抗癌薬投与後12〜72時間以内に高尿酸血症や急性腎障害を引き起こす合併症をという。
- 4.
腫瘍崩壊症候群の予防のために行う大量輸液の主な目的は、尿を希釈してを防ぐことである。
- 5.
腫瘍崩壊症候群の予防に用いられる尿酸生成抑制薬はである。
- 6.
急性リンパ性白血病は医療費助成制度のあるの対象疾患である。
- 7.
小児慢性特定疾病の医療費助成の申請窓口は(指定都市・中核市)である。
- 8.
急性リンパ性白血病の治療で、寛解後の再発予防のために2〜3年継続される治療段階をという。
- 9.
治療内容を子どもの理解度に合わせて説明し、主体的に治療に参加できるよう支援することをという。
