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もやもや病とてんかん

成人看護学 / 脳・神経

解説

今回はもやもや病とてんかんについて解説します。

もやもや病とは

もやもや病とは、原因不明の進行性脳血管閉塞症で、別名をウィリス動脈輪閉塞症といいます。国の指定難病22に登録されている疾患で、日本人に多くみられます。家族内発症が10〜20%にみられ、RNF213遺伝子多型などの遺伝的要因が指摘されています。男女比では女性にやや多く、小児期と成人期の二峰性に発症するのが特徴です。

病変部位ともやもや血管

もやもや病の主な病変は、くも膜下腔を走るウィリス動脈輪周囲にあります。具体的には両側内頸動脈終末部の進行性の狭窄・閉塞が起こり、これに伴って血流不足を補うために脳底部に異常な側副血行路が形成されます。この細く脆い側副血管網が、脳血管造影で「煙のように」「もやもや」と見えることからもやもや血管と呼ばれ、病名の由来になっています。診断には脳血管造影(DSA)やMRA(磁気共鳴血管撮影)が用いられ、両側内頸動脈終末部から前・中大脳動脈近位部にかけての狭窄・閉塞と、もやもや血管の描出が確認されれば確定診断となります。

二峰性の臨床像

もやもや病は発症年齢によって症状の出方が異なり、これを二峰性といいます。

小児期:虚血型

小児期では脳の血流不足による虚血型が多く、一過性脳虚血発作(TIA)として現れます。特に有名なのが過換気誘発性TIAです。これは、熱い麺をフーフー吹いて冷ます、激しく泣く(啼泣)、ハーモニカやリコーダーなどの吹奏楽器を吹くといった過換気をきっかけに、血液中の二酸化炭素濃度が低下(低炭酸ガス血症)し、脳血管が収縮して虚血発作を起こす現象です。症状としては脱力発作、片麻痺、構音障害、けいれんなどが一過性に出現します。

成人期:出血型

成人期では、長年の血流不足を補ってきた脆弱なもやもや血管が破綻し、脳出血を起こす出血型が多くなります。突然の頭痛や意識障害、麻痺などで発症します。

治療

治療は病型により異なります。虚血型に対しては外科的な血行再建術が行われ、頭皮の浅側頭動脈を脳の中大脳動脈に直接縫い合わせる直接吻合(STA-MCAバイパス)や、血流豊富な組織を脳表面に置いて自然に血管新生を促す間接吻合(EDAS、EMSなど)、あるいはこれらの複合術が選択されます。出血型に対しては再出血予防のための厳重な血圧管理が中心となります。看護では過換気の回避が最も重要で、小児を激しく泣かせない、吹奏楽器の使用に注意する、熱いものを冷ますときにフーフー吹かせないなどの生活指導を行います。発作時には頭蓋内圧亢進症状の観察も欠かせません。

てんかんとは

てんかんとは、大脳皮質ニューロンの突発的で同期的な異常放電により発作を繰り返す慢性の脳疾患です。原因によって、明らかな脳病変がない特発性てんかんと、脳腫瘍・頭部外傷・脳血管障害などはっきりした脳病変が原因となる症候性てんかんに分類されます。発作型は、意識障害を伴わない単純部分発作、意識障害を伴う複雑部分発作、両側大脳半球が同時に巻き込まれる全般発作などに分けられます。

てんかん発作時の対応

発作中の対応では、まず周囲の危険物を取り除き、転倒や打撲を防ぎます。衣服やベルトを緩めて呼吸を楽にし、嘔吐物による誤嚥を防ぐために側臥位にします。 重要なのは、舌を噛むのを防ぐ目的で口の中に物を入れてはいけないことです。窒息や歯牙損傷、介助者の指の損傷を招く危険があり、現在では禁忌とされています。発作の様子と持続時間を観察し記録します。 発作が5分以上持続する場合、または意識が回復しないまま発作を繰り返す場合はてんかん重積状態と呼ばれ、生命に関わる救急事態です。この場合はジアゼパムの静脈内注射などによる速やかな抗けいれん薬投与が必要となります。

まとめ

もやもや病はウィリス動脈輪閉塞症とも呼ばれる指定難病で、両側内頸動脈終末部の狭窄ともやもや血管の形成を特徴とし、小児では過換気を契機とする虚血型、成人では出血型の二峰性を示します。看護では過換気の回避が要点です。一方、てんかんは大脳ニューロンの異常放電による慢性疾患で、発作時は側臥位にして口に物を入れず、5分以上続く重積状態にはジアゼパム静注で対応することが国試で問われる最重要事項です。

確認問題(穴埋め)

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  1. 1.

    もやもや病の別名はであり、指定難病に登録されている。

  2. 2.

    もやもや病では、の進行性の狭窄・閉塞と、その周囲に形成される異常な側副血行路を特徴とする。

  3. 3.

    もやもや病の小児期に多くみられ、熱い麺をフーフー吹く・啼泣・吹奏楽器などのを契機として一過性脳虚血発作(TIA)を起こす。

  4. 4.

    もやもや病は小児期に虚血型、成人期にが多いという二峰性の臨床像を示す。

  5. 5.

    もやもや病の虚血型に対する外科的血行再建術として、浅側頭動脈と中大脳動脈を直接縫合するなどが行われる。

  6. 6.

    てんかんは大脳皮質ニューロンの突発的で同期的なにより発作を繰り返す慢性疾患である。

  7. 7.

    明らかな脳内病変がなく原因が特定できないてんかんをといい、脳腫瘍や脳血管障害など明らかな脳病変によるものを症候性てんかんという。

  8. 8.

    てんかん発作時は誤嚥防止のためにし、衣服を緩めて気道確保を行う。

  9. 9.

    てんかん発作時、舌の咬傷を防ぐ目的でことは、窒息や歯牙損傷の危険があるため行ってはならない。

  10. 10.

    てんかん発作が5分以上持続する、または意識回復しないまま発作を繰り返す状態をといい、ジアゼパムの静脈内注射などで緊急対応する。

もやもや病とてんかん」の過去問演習

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。