もやもや病は『ウィリス動脈輪がゆっくり詰まっていく』日本発の指定難病
看護師国家試験 第109回 午前 第85問
国試問題にチャレンジ
もやもや病(moyamoya disease)で正しいのはどれか。3つ選べ。
- 1.指定難病ではない。
- 2.遺伝的要因が関与する。
- 3.病変はくも膜下腔にある。
- 4.進行性の脳血管閉塞症(cerebrovascular occlusion)である。
- 5.ウイルス感染によって誘発される。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
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博士POINT
もやもや病の疾患概念・病変部位・成因・指定難病の位置づけを問う基本問題。『ウィリス動脈輪閉塞症』『過換気でTIA』『小児は虚血・成人は出血』をキーワードに整理する。
解答・解説
正解は2です
問題文:もやもや病(moyamoya disease)で正しいのはどれか。3つ選べ。
解説:正解は 2、3、4 です。もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)は指定難病22に指定されている原因不明の進行性脳血管閉塞症で、両側内頸動脈終末部の進行性狭窄・閉塞と、その周囲に側副血行路として形成されるもやもや血管を特徴とする。病変部位はくも膜下腔のウィリス動脈輪周囲の血管である。家族内発症を10〜20%に認め、RNF213遺伝子多型などの遺伝的要因の関与が明らかになっている。
選択肢考察
- ×1. 指定難病ではない。
もやもや病は指定難病22に登録されており、医療費助成の対象疾患。日本人を中心に東アジアで多く報告されており、日本で最初に疾患概念が確立された。
- ○2. 遺伝的要因が関与する。
家族内発症が10〜20%に認められ、RNF213遺伝子の感受性多型(p.R4810K)が日本人で高頻度に同定されている。ただし単純なメンデル遺伝ではなく、多因子が関与する多遺伝子疾患と考えられる。
- ○3. 病変はくも膜下腔にある。
狭窄・閉塞する血管はウィリス動脈輪周辺の主幹動脈であり、これらはくも膜下腔を走行している。代償性に形成されるもやもや血管もくも膜下腔内の穿通枝である。
- ○4. 進行性の脳血管閉塞症(cerebrovascular occlusion)である。
内頸動脈終末部の狭窄は徐々に進行し、対側にも波及することが多い。小児は脳虚血症状(過換気誘発性TIA、脳梗塞)、成人は脳出血(もやもや血管破綻による脳室内出血・脳内出血)で発症する傾向がある。
- ×5. ウイルス感染によって誘発される。
ウイルス感染と直接結びつける成因は証明されていない。原因は不明だが、遺伝的素因に加えて慢性炎症など複数の因子が関与すると考えられている。
もやもや病の特徴的な臨床所見として、小児では熱い麺をフーフー吹いて冷ますなどの過換気で低炭酸ガス血症となり脳血管が収縮、一過性脳虚血発作(脱力発作・片麻痺・構音障害)を誘発する『過換気誘発性TIA』がある。診断は脳血管造影(DSA)またはMRA。両側内頸動脈終末部〜前・中大脳動脈近位部の狭窄・閉塞と、周囲のもやもや血管の存在で診断。治療は、虚血型では外科的血行再建術(直接吻合:STA-MCA bypass、間接吻合:EDAS、EMSなど、または複合吻合)が有効。出血型は厳重な血圧管理と再出血予防。看護では過換気回避(泣かせない、吹奏楽器に注意、過呼吸発作時の対応)と頭蓋内圧亢進症状の観察が重要。
もやもや病の疾患概念・病変部位・成因・指定難病の位置づけを問う基本問題。『ウィリス動脈輪閉塞症』『過換気でTIA』『小児は虚血・成人は出血』をキーワードに整理する。
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