関節リウマチと自助具を考える
看護師国家試験 第113回 午前 第46問 / 成人看護学 / 慢性疾患とリハビリテーション看護
国試問題にチャレンジ
自助具を図に示す。 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)によって肩関節に痛みがある患者の関節への負担を軽減する自助具で適切なのはどれか。
-
1.
-
2.
-
3.
-
4.
対話形式の解説
博士
関節リウマチで肩が痛む患者さんに、自助具を選ぶとき何を考えるべきかの?
アユム
痛みのある肩関節をなるべく動かさずに済む道具を選ぶことが大事だと思います。
博士
その通りじゃ。では選択肢の万能カフはどんな場面で使うかの?
アユム
手指の握力が弱くても、スプーンなどを固定して食事できるようにする道具ですよね。
博士
うむ。肩の負担軽減とは目的が違うのう。長柄ブラシはどうじゃ?
アユム
柄が長いので腕をあまり上げずに頭や背中まで届き、肩関節の動きが少なくて済みます。
博士
まさにそれが肩関節保護のポイントじゃ。コップホルダーは?
アユム
コップを安定して持てるようにする握力補助の道具で、手指用ですね。
博士
ボタンエイドは?
アユム
ボタンを留める細かい動作が困難な場合に使う、手指巧緻動作の補助具です。
博士
よく整理できておる。関節リウマチの関節保護の原則も押さえておこう。
アユム
大きな関節を使い、負担を分散して、長時間同じ姿勢を避けることですよね。
博士
そうじゃ。痛む関節に応じて自助具を選ぶ視点が看護師には求められるぞ。
アユム
部位ごとの自助具を覚え、患者の生活動作に合わせて提案できるようにします。
POINT
関節リウマチで肩関節痛がある患者には、肩の挙上を最小限にできる長柄ブラシが適しています。万能カフ・コップホルダー・ボタンエイドは手指機能の補助であり、目的が異なります。関節保護の原則は、大きな関節で力を分散し負担を軽くすることです。障害部位に応じた自助具を提案することでADL自立と関節保護を両立させる看護が求められます。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:自助具を図に示す。 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)によって肩関節に痛みがある患者の関節への負担を軽減する自助具で適切なのはどれか。
解説:正解は2です。柄の長いブラシは肩関節を大きく挙上せずに頭や背中へ届くため、肩の可動域と関節負担を最小限に抑えられます。
選択肢考察
-
× 1.
万能カフはスプーンや歯ブラシなどを手に固定する自助具で、握力低下や手指変形のある患者に有用ですが、肩関節の負担軽減は目的ではありません。
-
○ 2.
長柄ブラシは柄を伸ばして頭や背中まで届かせる自助具で、肩の挙上や外転を最小限にでき、肩関節痛を抱える関節リウマチ患者の整容・清潔動作に適しています。
-
× 3.
コップホルダーは握力低下や手指の変形でコップが持ちにくい患者を支援する道具であり、肩関節への負担には直接関与しません。
-
× 4.
ボタンエイドは手指の巧緻動作が困難な患者が更衣のボタン操作を行うための自助具で、肩関節の動作軽減とは目的が異なります。
関節リウマチでは朝のこわばりや多関節痛により日常生活動作が制限されるため、罹患関節に応じた自助具を選択することが重要です。肩関節には長柄ブラシ・長柄櫛・長柄スポンジ、手指には太柄のスプーン・ボタンエイド・万能カフ、下肢にはソックスエイド・長柄シューホーンなどを組み合わせます。関節保護の原則は、大きな関節を使う・負担を分散する・力を入れすぎないことです。
関節リウマチで障害される関節部位に応じて、最適な自助具を選択できるかを問う問題です。
「慢性疾患とリハビリテーション看護」の関連記事
-
関節が固まる前に!ROM訓練の基本原則
ROM訓練の原則『ゆっくり・痛みなく・健側から・MMTに応じた方法選択』を理解しているかを問う問題。他動運動の基本…
112回
-
廃用症候群の全身的変化
廃用症候群で生じる全身的な機能低下の内容、特に骨・筋・呼吸・循環・代謝への影響を理解しているかを問う問題です。
111回
-
ADL評価指標を使い分けよう
各種評価指標が何を測るためのものかを区別して理解しているかが問われる知識問題です。
110回
-
自己効力感とは?成人のセルフケアを支える『できる』という確信
セルフケア行動という自律的な保健行動を支える心理学的概念を問う問題。『自分でできる』という認知=自己効力感が…
109回
-
慢性疾患の自己管理 習慣化という最強の武器
慢性疾患の自己管理支援の基本原則を問う。長期継続のための習慣化、患者主体の目標設定、成功体験と過程の評価、が…
109回