シェーグレン症候群はどこが狙われる病気か
看護師国家試験 第113回 午後 第84問 / 成人看護学 / 血液・免疫系
国試問題にチャレンジ
Sjögren<シェーグレン>症候群(Sjögren syndrome)でリンパ球が浸潤して障害が起こるのはどれか。2つ選べ。
- 1.胸腺
- 2.涙腺
- 3.甲状腺
- 4.唾液腺
- 5.副甲状腺
対話形式の解説
博士
今日はシェーグレン症候群の標的臓器の問題じゃ。どこが狙われると思うかの?
アユム
涙腺と唾液腺ですよね。
博士
そのとおり。ドライアイとドライマウスを起こす自己免疫性の外分泌腺炎じゃ。
アユム
リンパ球がどっと押し寄せて腺を壊すのですね。
博士
病理的には腺房周囲にCD4陽性T細胞を中心としたリンパ球集簇巣が見られる。これをfocus scoreで評価するんじゃ。
アユム
抗SS-A/Roや抗SS-B/La抗体が出るのが特徴ですよね。
博士
そう、口唇の小唾液腺生検と自己抗体が診断の二本柱じゃ。
アユム
選択肢の胸腺、甲状腺、副甲状腺はいずれも違うのですね。
博士
胸腺は重症筋無力症、甲状腺は橋本病やバセドウ病など別の自己免疫疾患の主戦場じゃ。
アユム
甲状腺病変は合併することがあると聞きましたが。
博士
その通り。橋本病を合併する症例はあるが、主病変は涙腺・唾液腺じゃから覚え違いせんように。
アユム
患者さんが訴える症状はどんなものが多いですか?
博士
目がゴロゴロする、口が乾く、パンが飲み込みにくい、う蝕が急に増えた、などじゃ。
アユム
看護では人工涙液や人工唾液、こまめな水分摂取の指導が大切ですね。
博士
加えて口腔ケアをしっかりすること。唾液が出ないとう蝕や口腔カンジダが増えるからの。
アユム
中年女性に多く指定難病で、悪性リンパ腫のリスクが上がることも知っておきたいです。
博士
ご明察。定期的な耳下腺触診や血液検査でリンパ節腫脹やM蛋白の出現をチェックするんじゃ。
POINT
シェーグレン症候群は涙腺と唾液腺にリンパ球が浸潤する自己免疫性外分泌腺炎で、ドライアイとドライマウスが二大症状です。抗SS-A/SS-B抗体と口唇生検で診断し、人工涙液・人工唾液、口腔ケアが基本ケアとなります。悪性リンパ腫リスクが高いため長期フォローが重要です。
解答・解説
正解は 2 ・ 4 です
問題文:Sjögren<シェーグレン>症候群(Sjögren syndrome)でリンパ球が浸潤して障害が起こるのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は2(涙腺)と4(唾液腺)です。シェーグレン症候群は自己免疫性外分泌腺炎で、涙腺と唾液腺にリンパ球(特にCD4陽性T細胞)が慢性的に浸潤し、乾性角結膜炎(ドライアイ)と口腔乾燥(ドライマウス)を呈します。
選択肢考察
-
× 1. 胸腺
胸腺はT細胞の成熟の場で、重症筋無力症では胸腺過形成や胸腺腫が関与しますが、シェーグレン症候群の主標的ではありません。
-
○ 2. 涙腺
リンパ球浸潤により涙液分泌が低下し、乾性角結膜炎(KCS)が出現します。Schirmer試験や角膜染色で評価します。
-
× 3. 甲状腺
甲状腺は橋本病で自己免疫性の障害を受けますが、シェーグレン症候群の主な標的ではありません(合併しやすいとは言われます)。
-
○ 4. 唾液腺
耳下腺・顎下腺などの大唾液腺にリンパ球が浸潤し唾液分泌が低下、口腔乾燥、う蝕多発、耳下腺腫脹などを来します。
-
× 5. 副甲状腺
副甲状腺はカルシウム代謝を司る内分泌腺であり、シェーグレン症候群の病変部位ではありません。
シェーグレン症候群は中年女性に多く、指定難病に認定されています。抗SS-A/Ro、抗SS-B/La抗体や口唇生検でのリンパ球集簇(focus score ≥1)が診断根拠となります。関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病に合併する二次性と、単独の一次性があります。悪性リンパ腫のリスクが上昇することでも知られます。
シェーグレン症候群の病変標的臓器が外分泌腺(涙腺・唾液腺)であることを、内分泌腺や免疫器官と区別できるかを問う設問です。
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