減感作療法は長期戦、でも副作用対応は短期勝負
看護師国家試験 第113回 午前 第43問 / 成人看護学 / 血液・免疫系
国試問題にチャレンジ
減感作療法を受ける患者への説明で適切なのはどれか。
- 1.「治療期間は1か月です」
- 2.「静脈内注射でアレルゲンを投与します」
- 3.「治療後はアレルゲンを気にせず生活できます」
- 4.「投与後30分はアナフィラキシー症状を観察します」
対話形式の解説
博士
今日はアレルゲン免疫療法、いわゆる減感作療法について解説するぞ。
サクラ
花粉症やダニアレルギーの治療で聞きますね。
博士
うむ。アレルゲンを少量から投与し、徐々に増量して免疫寛容を誘導する治療法じゃ。
サクラ
投与経路は何ですか?
博士
皮下注射のSCITと、舌下のSLITがある。静脈内投与はリスクが高すぎて行わない。
サクラ
治療期間はどのくらいかかりますか?
博士
導入期・増量期・維持期を経て3〜5年継続するのが標準じゃ。1か月ではとても効果が出ない。
サクラ
治療後はアレルゲンを気にしなくてよくなるんですか?
博士
症状軽減は期待できるが完治保証はない。治療後もアレルゲン回避の基本は続けるよう指導する。
サクラ
最大の注意点は何ですか?
博士
アナフィラキシーじゃ。アレルゲンを直接投与するのだから、当然リスクがある。
サクラ
発症までの時間は?
博士
多くは投与後30分以内。だから院内で30分観察し、アドレナリン筋注の準備をしておくのじゃ。
サクラ
観察項目は皮疹や呼吸困難、血圧低下などですね。
博士
そうじゃ。投与後2時間は激しい運動・入浴・飲酒を避けるよう説明する。
サクラ
舌下法でも初回は医療機関で実施するんですよね。
博士
うむ。自宅投与は2回目以降からじゃ。本問では「投与後30分のアナフィラキシー観察」が正しい説明なので④が正解じゃ。
POINT
減感作療法はアレルゲンを少量から皮下注射または舌下投与し、免疫寛容を誘導する3〜5年の長期治療です。最大のリスクはアナフィラキシーで、多くは投与後30分以内に発症するため、院内で経過観察しアドレナリン筋注の準備をします。治療後もアレルゲン回避指導と、運動・入浴・飲酒制限の説明が看護のポイントです。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:減感作療法を受ける患者への説明で適切なのはどれか。
解説:正解は 4 です。減感作療法(アレルゲン免疫療法)ではアレルゲンを体内に取り込むため、投与後にアナフィラキシーが発現する可能性があります。皮下注射の場合は少なくとも投与後30分間は医療機関内で経過を観察し、ショックに備えることが必須です。
選択肢考察
-
× 1. 「治療期間は1か月です」
減感作療法は導入期・増量期・維持期を経て3〜5年の継続が必要とされる長期治療です。1か月では免疫寛容の誘導には不十分で、説明として誤りです。
-
× 2. 「静脈内注射でアレルゲンを投与します」
投与経路は皮下注射(SCIT)または舌下錠・舌下液(SLIT)です。静脈内投与は重篤なアナフィラキシーの危険が高く行われません。
-
× 3. 「治療後はアレルゲンを気にせず生活できます」
減感作療法はアレルギー症状を軽減する効果はありますが、完全に除去するものではなく、効果にも個人差があります。治療後もアレルゲン回避や環境整備は必要です。
-
○ 4. 「投与後30分はアナフィラキシー症状を観察します」
皮下注射でのアレルゲン投与後、アナフィラキシーの多くは30分以内に出現します。皮疹・喘鳴・血圧低下などの観察とアドレナリン筋注の準備を行い、院内で待機してもらいます。
減感作療法はスギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎、ハチ毒アレルギーなどで保険適応があります。皮下注射法(SCIT)は週1〜2回から開始し、維持期は月1回程度に減ります。舌下法(SLIT)は自宅投与が可能ですが、初回は医療機関で実施し投与後30分は院内観察します。服用・注射後2時間は激しい運動・入浴・飲酒を避け、アナフィラキシー発症リスクを下げます。
減感作療法(アレルゲン免疫療法)の投与経路・治療期間・副作用観察、特に投与後30分の経過観察の必要性を理解しているかを問う問題です。
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