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骨粗鬆症のリスク、本当の犯人を見つけよう

看護師国家試験 第104回 午後 第97問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第97問

次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(68歳、女性)は、2年前に高血圧症(hypertention)と診断され、カルシウム拮抗薬を服用している。高血圧をきっかけに、喫煙を1日30本から5本に減らし、飲酒を週3回から1回に減らした。また、減量に取り組み、2年間でBMIが25.5から22.9に変化した。Aさんは町の健康診査で骨密度が低下していることが分かり、整形外科を受診し骨粗鬆症(osteoporosis)と診断された。Aさんは「子どもができなかったし、夫もすでに亡くなりました。1人暮らしで家事は自分で行っているので、骨折や寝たきりの状態は困ります」と話した。 Aさんの骨粗鬆症(osteoporosis)の要因として最も考えられるのはどれか。

  1. 1.肥満
  2. 2.喫煙
  3. 3.出産経験がないこと
  4. 4.カルシウム拮抗薬の服用

対話形式の解説

博士 博士

今日は骨粗鬆症の危険因子を整理するぞい。

サクラ サクラ

Aさんは68歳女性で閉経後ですね。

博士 博士

女性は閉経でエストロゲンが急減し、骨吸収が亢進する。これだけでもハイリスクじゃ。

サクラ サクラ

肥満は要因ですか。

博士 博士

肥満はむしろ骨に荷重がかかり骨密度を下げにくい。やせの方がリスクじゃ。BMI22.9なら標準じゃのう。

サクラ サクラ

喫煙はどう影響するんですか。

博士 博士

ニコチンが骨芽細胞を抑制し、カルシウム吸収やビタミンD代謝も悪くする。閉経も早めるんじゃ。

サクラ サクラ

Aさんは減らしたとはいえ1日5本吸っていますね。

博士 博士

禁煙ではないから影響は続いとる。最も寄与する因子じゃ。

サクラ サクラ

出産経験がないことはどうですか。

博士 博士

妊娠授乳期に一時的に骨は減るが、出産歴の有無自体は独立した危険因子とはされんのう。

サクラ サクラ

カルシウム拮抗薬は骨を弱くしますか。

博士 博士

あれは血管のカルシウムチャネルに作用する薬で、骨代謝には影響せんぞい。

サクラ サクラ

治療薬にはどんなものがありますか。

博士 博士

ビスホスホネート、活性型ビタミンD、SERM、デノスマブ、テリパラチドなど病態に応じて使い分ける。

サクラ サクラ

生活指導では運動と栄養も大切ですね。

POINT

閉経後骨粗鬆症ではエストロゲン低下が基盤ですが、修正可能な因子として喫煙が骨芽細胞抑制・カルシウム吸収阻害・閉経促進などを介して大きく寄与します。Aさんは減煙できたものの継続喫煙者であり、これが最も主要な危険因子です。肥満・出産歴なし・カルシウム拮抗薬は骨密度低下の直接要因とは考えにくく、減量達成や薬剤継続は今後も評価していくべきです。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(68歳、女性)は、2年前に高血圧症(hypertention)と診断され、カルシウム拮抗薬を服用している。高血圧をきっかけに、喫煙を1日30本から5本に減らし、飲酒を週3回から1回に減らした。また、減量に取り組み、2年間でBMIが25.5から22.9に変化した。Aさんは町の健康診査で骨密度が低下していることが分かり、整形外科を受診し骨粗鬆症(osteoporosis)と診断された。Aさんは「子どもができなかったし、夫もすでに亡くなりました。1人暮らしで家事は自分で行っているので、骨折や寝たきりの状態は困ります」と話した。 Aさんの骨粗鬆症(osteoporosis)の要因として最も考えられるのはどれか。

解説:正解は2の「喫煙」です。Aさんは1日30本から5本に減ったとはいえ依然として喫煙習慣があり、喫煙はカルシウム吸収阻害、ビタミンD代謝障害、エストロゲン低下の促進、骨芽細胞抑制などを介して骨密度低下を強く促す独立した危険因子であるため、最も寄与する要因として選択されます。

選択肢考察

  1. × 1.  肥満

    現在のBMIは22.9で標準範囲です。むしろ過度のやせが骨粗鬆症のリスクであり、肥満は要因として該当しません。

  2. 2.  喫煙

    喫煙はカルシウム吸収抑制、ビタミンD代謝低下、エストロゲン早期減少、骨芽細胞機能抑制を介して骨密度を下げます。Aさんは現在も継続しており最も影響しています。

  3. × 3.  出産経験がないこと

    妊娠・授乳は一過性の骨量減少を起こしますが、出産経験の有無自体は閉経後骨粗鬆症の独立した危険因子ではありません。

  4. × 4.  カルシウム拮抗薬の服用

    カルシウム拮抗薬は血管平滑筋細胞のカルシウムチャネルに作用するもので、骨代謝には影響しません。

閉経後骨粗鬆症の危険因子はエストロゲン低下、加齢、低体重、喫煙、過度の飲酒、運動不足、カルシウム・ビタミンD不足、ステロイド使用、家族歴など。治療は活性型ビタミンD、ビスホスホネート、SERM、デノスマブ、テリパラチドなど病態と重症度で選択します。

骨粗鬆症の危険因子を生活習慣・薬剤・出産歴の中から正しく特定できるかを問う問題です。