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慢性副鼻腔炎の合併症に注意

看護師国家試験 第105回 午前 第46問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第46問

慢性副鼻腔炎(chronic sinusitis)についての説明で適切なのはどれか。

  1. 1.1週間の内服で症状が軽減すれば受診の必要はない。
  2. 2.発症後1週は空気感染の危険性がある。
  3. 3.眼窩内感染を起こす危険性がある。
  4. 4.透明の鼻汁が特徴的である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は慢性副鼻腔炎の問題じゃ。副鼻腔と周囲臓器の解剖を押さえると選びやすいぞ。

アユム アユム

副鼻腔って鼻の周りの骨の空洞ですよね?

博士 博士

そうじゃ。上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞の4つがあり、それぞれ頬の奥、眼と鼻の間、額、頭の中央にある。慢性副鼻腔炎は3か月以上炎症が続く状態を指すんじゃ。

アユム アユム

治療はどのようにするんですか?

博士 博士

マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が基本じゃ。通常3か月程度継続し、鼻処置やネブライザー療法も併用する。難治例では内視鏡下副鼻腔手術、ESSを行うこともある。

アユム アユム

選択肢を見ていきましょう。1番「1週間で症状軽減なら受診不要」は?

博士 博士

慢性副鼻腔炎は長期治療が基本じゃから、1週間で中断したら再燃する可能性が高い。定期受診で経過観察が必須じゃ。

アユム アユム

2番「発症後1週は空気感染の危険」は?

博士 博士

慢性副鼻腔炎は細菌・アレルギー・解剖学的要因が重なる局所疾患で、人から人への空気感染はせん。

アユム アユム

4番「透明の鼻汁」は?

博士 博士

慢性副鼻腔炎の鼻汁は膿性で黄色〜緑色、粘稠性が強いのが特徴じゃ。透明な鼻汁はアレルギー性鼻炎やウイルス性鼻炎の所見じゃな。

アユム アユム

ということで正解は3番の「眼窩内感染を起こす危険性がある」ですね。

博士 博士

正解じゃ。特に篩骨洞は眼窩と紙様板という薄い骨だけで隔てられておる。炎症が波及すると眼窩蜂窩織炎や眼窩膿瘍、視力障害を起こす。眼瞼腫脹・眼球突出・眼球運動障害が出たら緊急対応じゃ。

アユム アユム

副鼻腔炎から眼や脳に広がるのは怖いですね。

博士 博士

さらに重症化すると髄膜炎や脳膿瘍に至ることもある。患者指導では、頭痛悪化や視力障害、高熱などが出たら速やかに受診するよう伝える必要があるな。

アユム アユム

好酸球性副鼻腔炎というのも最近聞きますが?

博士 博士

鼻茸・嗅覚障害・気管支喘息を合併する難治性副鼻腔炎で、2015年から指定難病になっておる。生物学的製剤デュピルマブなどの新しい治療も登場しておるぞ。

アユム アユム

解剖と合併症の視点で覚えると理解が深まりますね。

POINT

慢性副鼻腔炎は3か月以上持続する副鼻腔炎症で、膿性鼻汁・鼻閉・後鼻漏・嗅覚障害・頬部痛などを呈します。副鼻腔は眼窩や頭蓋と薄い骨板で接するため眼窩内感染や髄膜炎への波及リスクがあり、マクロライド少量長期療法や内視鏡下手術が治療の中心です。透明鼻汁や空気感染は特徴ではなく、眼症状出現時は緊急受診を要します。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:慢性副鼻腔炎(chronic sinusitis)についての説明で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。慢性副鼻腔炎は副鼻腔(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)の持続する炎症で、3か月以上続くものを指します。副鼻腔は眼窩・頭蓋底・脳と薄い骨を隔てて隣接するため、炎症が波及すると眼窩蜂窩織炎・眼窩膿瘍・視神経炎などの眼窩内感染、さらには髄膜炎や脳膿瘍といった重篤な合併症を起こしうるのが最大の特徴です。

選択肢考察

  1. × 1.  1週間の内服で症状が軽減すれば受診の必要はない。

    慢性副鼻腔炎の治療はマクロライド系抗菌薬少量長期投与(3か月前後)が標準で、症状軽快後も継続観察と定期受診が必要です。1週間で中断すると再燃や手術適応化のリスクがあります。

  2. × 2.  発症後1週は空気感染の危険性がある。

    慢性副鼻腔炎は細菌・真菌感染やアレルギー、解剖学的異常などが複合する局所疾患で、人から人への空気感染は起こしません。感染経路を理由とした隔離は不要です。

  3. 3.  眼窩内感染を起こす危険性がある。

    上顎洞・篩骨洞は眼窩と紙様板など薄い骨板のみで接し、炎症が波及すると眼窩蜂窩織炎や眼窩膿瘍、視力障害を引き起こす可能性があります。眼瞼腫脹や眼球運動障害が出現した場合は緊急対応が必要です。

  4. × 4.  透明の鼻汁が特徴的である。

    慢性副鼻腔炎の鼻汁は膿性・粘稠性で黄色〜緑色を呈するのが典型です。透明な水様性鼻汁はアレルギー性鼻炎や急性期のウイルス性鼻炎の特徴です。

慢性副鼻腔炎の症状は鼻閉、後鼻漏、嗅覚障害、頬部〜前額部の圧迫感、頭痛などです。治療は鼻処置、ネブライザー療法、マクロライド少量長期療法が基本で、難治例や鼻茸合併例では内視鏡下副鼻腔手術(ESS)が行われます。近年は好酸球性副鼻腔炎(難病指定)の概念も重要で、鼻茸・嗅覚障害・気管支喘息合併が特徴です。眼症状や髄膜刺激症状が出たら緊急受診を指導します。

慢性副鼻腔炎の特徴と重篤化する可能性のある合併症(眼窩内感染)を理解しているかを問う問題です。