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加齢黄斑変性で中心が見えなくなる 黄斑のしくみから学ぶ

看護師国家試験 第109回 午後 第83問 / 成人看護学 / 感覚器・運動器系

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第83問

加齢黄斑変性( age-related macular degeneration )の症状はどれか。

  1. 1.羞明
  2. 2.霧視
  3. 3.飛蚊症
  4. 4.眼圧の亢進
  5. 5.中心視野の欠損

対話形式の解説

博士 博士

今日は高齢者の視覚を奪う代表的疾患、加齢黄斑変性を取り上げるぞ。

サクラ サクラ

名前は聞きますが、具体的にどこが障害される病気なのか分かっていません。

博士 博士

網膜の中心部にある黄斑という直径約2mmの領域じゃ。ここは錐体細胞が密集しており、色覚や細かい視力を担当している。

サクラ サクラ

視力の一番大事な部分なんですね。

博士 博士

そうじゃ。加齢でこの黄斑に老廃物(ドルーゼン)が溜まったり、異常な新生血管が伸びてきたりすると、黄斑が障害される。

サクラ サクラ

症状はどう現れますか?

博士 博士

見たいものが見えにくくなる、つまり中心視野の欠損・中心暗点、そして線がゆがんで見える変視症が代表的じゃ。周辺はまだ見えているのに中心だけ真っ暗、という訴えが典型例。

サクラ サクラ

羞明や霧視ではないんですね。

博士 博士

そう、羞明は白内障、眼圧亢進は緑内障、飛蚊症は硝子体混濁や網膜剥離の前兆。これらと混同しないように。

サクラ サクラ

タイプもあるんですか?

博士 博士

萎縮型(ドライ型)と滲出型(ウェット型)の2種類。日本では滲出型が多く、進行が速いが、抗VEGF薬の硝子体内注射で進行を抑えられるようになった。

サクラ サクラ

注射で治療するって、目に直接打つんですか?

博士 博士

うむ、局所麻酔下で眼球内に薬液を注入する。患者の不安が強いので看護師の心理的支援が重要じゃ。

サクラ サクラ

早期発見の工夫はありますか?

博士 博士

アムスラーチャートという格子模様の表を片眼ずつ見て、線がゆがんでいないかを自宅でチェックできる。

サクラ サクラ

予防には何が有効ですか?

博士 博士

禁煙、サングラスでの紫外線防御、緑黄色野菜・魚を含むバランス食、ルテイン・亜鉛を含むサプリなど。特に喫煙は最大の予防可能因子じゃ。

サクラ サクラ

生活習慣の改善がそのまま眼の健康を守るんですね。

POINT

加齢黄斑変性は網膜中心部の黄斑が加齢に伴い障害される疾患で、変視症と中心視野の欠損を主症状とします。萎縮型と滲出型があり、後者では脈絡膜新生血管が出血や浮腫を起こし急速に視力が低下するため、抗VEGF薬の硝子体内注射が標準治療となっています。羞明・霧視・飛蚊症・眼圧亢進といった他の眼症状は別の疾患に由来するため、症状の違いを整理しておくことが国試対策で重要です。看護師は禁煙指導、紫外線対策、アムスラーチャートによる自己チェック教育など、予防的な生活支援にも関わります。

解答・解説

正解は 5 です

問題文:加齢黄斑変性( age-related macular degeneration )の症状はどれか。

解説:正解は 5 の中心視野の欠損です。加齢黄斑変性は、網膜中心部にある黄斑部が加齢により障害される疾患で、ドルーゼン蓄積を特徴とする萎縮型(ドライ型)と、脈絡膜新生血管が発生する滲出型(ウェット型)に分類されます。黄斑は視力の中心を担うため、障害されると物がゆがんで見える変視症や、視野中心が暗く見える中心暗点、著しい視力低下を生じます。見たい対象ほどよく見えないのが特徴です。

選択肢考察

  1. × 1.  羞明

    光をまぶしく感じる症状で、白内障やぶどう膜炎、角膜疾患などで生じる。加齢黄斑変性の主症状ではない。

  2. × 2.  霧視

    視界全体がかすむ症状で、水晶体混濁を来す白内障や角膜混濁、硝子体混濁などで起こる。加齢黄斑変性では中心部が欠ける点が特徴。

  3. × 3.  飛蚊症

    視野内に黒い点や糸くずが動いて見える症状。硝子体混濁や網膜剥離の前兆として現れる。加齢黄斑変性の主症状ではない。

  4. × 4.  眼圧の亢進

    房水の流出障害で生じ、緑内障の主徴。加齢黄斑変性では眼圧は正常である。

  5. 5.  中心視野の欠損

    黄斑部の障害により視野中心が見えにくくなり、変視症や中心暗点を呈する。加齢黄斑変性の代表的症状。

加齢黄斑変性は日本人中高年の中途失明原因の上位に位置し、滲出型には抗VEGF薬の硝子体内注射(ラニビズマブ、アフリベルセプトなど)が標準治療となっている。自己チェックには格子状のアムスラーチャートが有用で、線のゆがみや欠損で早期発見できる。危険因子は加齢、喫煙、紫外線曝露、高脂肪食、遺伝因子などで、ルテインや亜鉛、抗酸化ビタミンを含むサプリメント(AREDS処方)が進行抑制に用いられる。

眼科の代表的加齢性疾患の主症状と、緑内障・白内障・網膜剥離など他疾患症状との区別を問う問題。