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糖尿病性腎症の食事療法を押さえよう

看護師国家試験 第108回 午後 第83問 / 成人看護学 / 泌尿器・性・生殖器系

国試問題にチャレンジ

108回 午後 第83問

糖尿病性腎症の(diabetic nephropathy)食事療法で制限するのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.脂質
  2. 2.塩分
  3. 3.蛋白質
  4. 4.炭水化物
  5. 5.ビタミン

対話形式の解説

博士 博士

今日は糖尿病性腎症の食事療法で制限するものを考えるぞ。

サクラ サクラ

糖尿病性腎症は糖尿病三大合併症のひとつですよね。網膜症・腎症・神経障害の「し・め・じ」で覚えました。

博士 博士

よく覚えておるな。腎症は糸球体障害からアルブミン尿、やがてネフローゼ、最後は透析導入に至る恐ろしい合併症じゃ。

サクラ サクラ

そうなると食事療法も腎臓を守るのが目的になりますね。

博士 博士

そのとおり。蛋白質を摂りすぎると糸球体過剰濾過が起こり腎症が進行するので、蛋白制限が基本になるのじゃ。

サクラ サクラ

どれくらい制限するんですか?

博士 博士

病期によるが、3期以降で0.8〜1.0g/kg/日、4期では0.6〜0.8g/kg/日を目安にするぞ。

サクラ サクラ

塩分も制限するんですよね。

博士 博士

そうじゃ。塩分過多は血圧を上げ腎臓への負担を増やすので、食塩6g/日未満に抑えるのが標準じゃ。よって正解は2と3となる。

サクラ サクラ

1の脂質はどうでしょう?

博士 博士

脂質制限は膵炎や胆石症で行うもので、腎症では逆に蛋白を減らした分のエネルギーを脂質と炭水化物で補う必要があるのじゃ。

サクラ サクラ

だから4の炭水化物も制限しないんですね。

博士 博士

そのとおり。エネルギー不足になると体蛋白が分解されて窒素負荷が増え、かえって腎臓に悪いのじゃ。

サクラ サクラ

5のビタミンは?

博士 博士

ビタミンは代謝に必要不可欠で制限する理由はない。むしろ食事量が減ることで不足しがちなので配慮が必要じゃ。

サクラ サクラ

腎症の食事療法は「蛋白と塩を減らしてエネルギーは確保」が合言葉ですね。

博士 博士

そのとおり。さらに進行するとカリウムやリンの制限も加わる。病期に応じた細やかな調整が透析回避の鍵じゃ。

POINT

糖尿病性腎症の食事療法では蛋白質と塩分の制限が基本です。蛋白質は糸球体過剰濾過を防ぐため0.6〜1.0g/kg/日に、塩分は高血圧予防のため6g/日未満に抑えます。エネルギーは炭水化物と脂質で十分確保し、ビタミンも制限しません。病期に応じてカリウムやリンの制限が追加されることもあります。

解答・解説

正解は 2 3 です

問題文:糖尿病性腎症の(diabetic nephropathy)食事療法で制限するのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 2 と 3 です。糖尿病性腎症は糖尿病三大合併症の一つで、持続する高血糖により糸球体が障害されアルブミン尿から始まり最終的に腎不全へ進行します。病期が進むと糸球体濾過量が低下するため、腎臓の負担を減らす目的で蛋白質を制限し、高血圧と浮腫を防ぐため塩分(食塩)を制限します。

選択肢考察

  1. × 1.  脂質

    脂質制限は膵炎や胆石症、高脂血症などで行われるもので、糖尿病性腎症の食事療法の必須項目ではありません。

  2. 2.  塩分

    腎症では高血圧と浮腫の悪化を防ぐため食塩を6g/日未満に制限し、腎機能低下の進行を抑制します。

  3. 3.  蛋白質

    過剰な蛋白質は糸球体過剰濾過を引き起こし腎症を進行させるため、病期に応じて0.6〜0.8g/kg/日程度に制限します。

  4. × 4.  炭水化物

    蛋白制限により不足するエネルギーは炭水化物と脂質で補うため、炭水化物は制限せず十分に摂取する必要があります。

  5. × 5.  ビタミン

    ビタミンは代謝調節に必要であり制限する理由はなく、むしろ不足しないよう配慮します。

糖尿病性腎症の食事療法は病期分類(1〜5期)に応じて調整されます。第3期以降は蛋白0.8〜1.0g/kg/日、食塩6g/日未満、エネルギー25〜30kcal/kgが目安で、第4期ではさらに蛋白質を0.6〜0.8g/kg/日へ厳格化します。カリウム制限が追加される場合もあります。

糖尿病性腎症の食事療法における制限項目を問う問題で、腎機能保護のための蛋白質制限と高血圧予防のための塩分制限を理解しているかがポイントです。