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胃瘻管理の家族指導〜白湯フラッシュがなぜ必要か〜

看護師国家試験 第111回 午前 第71問 / 地域・在宅看護論 / 在宅療養生活を支える看護

国試問題にチャレンジ

111回 午前 第71問

チューブ型の胃瘻の管理について、介護する家族に看護師が指導する内容で正しいのはどれか。

  1. 1.「栄養剤の注入後に白湯を注入してください」
  2. 2.「胃瘻のチューブはご家族で交換してください」
  3. 3.「胃瘻のチューブは同じ位置に固定してください」
  4. 4.「下痢のときは栄養剤の注入速度を速めてください」

対話形式の解説

博士 博士

今日は在宅での胃瘻管理についてじゃ。経口摂取が難しくなった患者さんが、腹壁から胃へ直接チューブを入れて栄養を摂る方法、これが経皮内視鏡的胃瘻造設術、PEGじゃな。

サクラ サクラ

家族が毎日ケアするんですよね。看護師はどんなことを指導すればいいんでしょうか。

博士 博士

問題を見てみよう。チューブ型の胃瘻について、家族への指導内容で正しいものはどれじゃ?

サクラ サクラ

選択肢1の「栄養剤の注入後に白湯を注入してください」が正解だと思うんですが、他がなぜ違うのかも気になります。

博士 博士

正解は1じゃ。栄養剤はタンパク質や脂質を含むでの、チューブ内に残ると細菌繁殖や凝固で詰まってしまう。だから注入後に20〜30mLほどの白湯でフラッシュする必要があるんじゃ。

サクラ サクラ

なるほど、閉塞予防が主な目的なんですね。選択肢2の「チューブは家族で交換してください」はどうですか?

博士 博士

これは誤りじゃ。胃瘻チューブ交換は医行為で、原則として医師が行う。バンパー型なら4〜6か月、バルーン型なら1〜2か月が交換目安じゃが、家族が自分で交換することはできん。

サクラ サクラ

選択肢3の「同じ位置に固定してください」はなんとなく良さそうに聞こえますが…。

博士 博士

逆なんじゃよ。同じ位置で圧迫し続けると発赤、びらん、肉芽形成が起こる。さらに怖いのはバンパー埋没症候群じゃ。固定板を強く押し付け続けると、皮膚側の固定板が皮下に埋まってしまうんじゃ。

サクラ サクラ

怖いですね。では固定位置は毎回変えるんですね。選択肢4の「下痢のときは速度を速めて」は明らかに逆ですよね。

博士 博士

その通りじゃ。下痢は注入速度が速すぎる、温度が冷たい、浸透圧が高い、などが原因。対応は速度を遅くして常温で投与すること、必要なら半固形化栄養剤への変更も検討するんじゃ。

サクラ サクラ

注入時の体位でも注意点はありますか?

博士 博士

良い質問じゃ。上体を30〜45度挙上して注入し、終了後も30分から1時間は座位を保つ。これで逆流と誤嚥性肺炎を防ぐ。瘻孔周囲の清潔保持、発赤や漏れの観察も家族の大事な役割じゃな。

サクラ サクラ

胃瘻管理は単にチューブから栄養を入れるだけじゃなく、全身管理と皮膚管理の視点が大切だとよくわかりました。

POINT

チューブ型胃瘻の家族指導では、栄養剤注入後の白湯フラッシュによるチューブ閉塞予防が基本です。チューブ交換は医師の業務で家族は行えません。固定位置を毎回変えて皮膚トラブルを防ぎ、下痢時は注入速度を遅くするのが原則です。注入時の上体挙上や注入後の座位保持で誤嚥予防も行い、発赤や漏れは速やかに医療機関へ報告することを伝えます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:チューブ型の胃瘻の管理について、介護する家族に看護師が指導する内容で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。胃瘻(PEG)は経口摂取が困難な患者に対して腹壁から胃内に直接チューブを留置し、栄養剤や薬剤を投与するための経路です。在宅管理では家族が日常的なケアを担うため、看護師はチューブ閉塞予防・皮膚トラブル予防・合併症早期発見の3点を軸に指導します。栄養剤注入後に白湯(約20〜30mL)をフラッシュすることで、チューブ内腔に残存した栄養剤を洗い流し、細菌繁殖や凝固による閉塞を防ぐことができます。

選択肢考察

  1. 1.  「栄養剤の注入後に白湯を注入してください」

    栄養剤はタンパク質や脂質を含むためチューブ内に残留すると細菌の温床となり、また凝固して閉塞の原因になります。注入後に白湯でフラッシュすることは在宅管理の基本であり、家族指導として最も適切です。

  2. × 2.  「胃瘻のチューブはご家族で交換してください」

    胃瘻チューブの交換は医行為であり、原則として医師が行います。バンパー型は4〜6か月、バルーン型は1〜2か月を目安に交換しますが、家族による交換は認められていません。

  3. × 3.  「胃瘻のチューブは同じ位置に固定してください」

    同じ位置で固定し続けると圧迫による皮膚発赤・びらん・肉芽形成(バンパー埋没症候群のリスクも)を生じます。固定位置は毎回変え、皮膚を観察することが重要です。

  4. × 4.  「下痢のときは栄養剤の注入速度を速めてください」

    下痢は注入速度が速すぎる、栄養剤の温度が低い、浸透圧が高いなどで起こります。対応は速度を遅くし、常温で投与、必要に応じて半固形化や栄養剤の変更を検討します。

胃瘻管理で家族に伝える要点は、(1)注入前の残渣(胃内容物)確認、(2)上体を30〜45度挙上して注入、(3)注入後30分〜1時間の座位保持で逆流防止、(4)瘻孔周囲の清潔保持、(5)発赤・漏れ・チューブの抜去を認めたら速やかに医療機関へ連絡、です。バンパー埋没症候群は固定が強すぎるときに起こる重要な合併症です。

在宅胃瘻管理における家族指導内容を問う問題。チューブ閉塞予防としての白湯フラッシュが基本であることを理解しているか問われています。