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在宅胃瘻ケア——家族が知っておくべき4つのポイント

看護師国家試験 第114回 午後 第42問 / 地域・在宅看護論 / 在宅療養生活を支える看護

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第42問

胃瘻からの経管栄養を行う在宅療養者の家族に説明する内容で正しいのはどれか。

  1. 1.流動(ミキサー)食は注入できる。
  2. 2.注入前に胃瘻の瘻孔部を消毒する。
  3. 3.胃瘻カテーテルは週に1回交換する。
  4. 4.注入中は体位を15度のFowler<ファウラー>位にする。

対話形式の解説

博士 博士

今日は在宅で胃瘻管理をする家族への指導内容を整理するぞ。胃瘻はPEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)で作られた、腹壁と胃をつなぐ栄養ルートじゃ。

アユム アユム

最近は半固形栄養剤やミキサー食が増えていると聞きました。

博士 博士

その通り。選択肢1「流動(ミキサー)食は注入できる」はまさに正解で、家族の食事をミキサーにかけて注入することは在宅では一般的じゃ。家族と同じ味を共有でき、心理的にも栄養面でも利点が大きいのう。

アユム アユム

でも注意点もありますよね?

博士 博士

うむ、粘度が高すぎるとカテーテルが閉塞するし、逆に水っぽいと逆流しやすい。注入後は白湯でフラッシュして閉塞を防ぐのが鉄則じゃ。

アユム アユム

選択肢2の「瘻孔部を消毒する」はどうですか?

博士 博士

これは誤り。瘻孔が完成した後は消毒薬は皮膚刺激になるし、不良肉芽の原因にもなる。1日1回石けんで洗って乾かすだけでよい。入浴も問題ないぞ。

アユム アユム

え、入浴できるんですか?

博士 博士

造設後2週間ほど経って瘻孔が安定すれば、シャワー・入浴は普通にOKじゃ。家族にとってはこの「特別扱いしなくていい」という事実が大きな安心になるのう。

アユム アユム

選択肢3の「週1回交換」はどうでしょう。

博士 博士

これは間違い。バルーン型なら1〜2か月、バンパー型なら4〜6か月が交換時期じゃ。交換は医師が行うのが原則で、家族が日常的に交換することはない。

アユム アユム

最後の体位「15度ファウラー位」は…低すぎますか?

博士 博士

その通り。15度は半分仰向けで、胃から食道への逆流・誤嚥のリスクが高い。注入中および注入後30分〜1時間は30〜45度を保ち、座位に近づけられるならその方が安全じゃ。

アユム アユム

誤嚥性肺炎を防ぐために体位は超重要なんですね。

博士 博士

うむ。在宅胃瘻患者の最大の死因は誤嚥性肺炎じゃからな。注入速度をゆっくりにする、半固形栄養剤を使う、注入後すぐ寝かせない——この3点で誤嚥リスクは大きく下がる。

アユム アユム

もし家族がカテーテルを誤って抜いてしまったら?

博士 博士

瘻孔は数時間で閉じ始めるから、すぐに病院に連絡し受診させる。応急的に同サイズのカテーテルを瘻孔に挿入して通り道を保つよう指導することもあるぞ。

POINT

在宅胃瘻管理で家族に説明する内容として正しいのは「流動(ミキサー)食は注入できる」です。胃瘻からは経腸栄養剤に加えてミキサー食や半固形栄養剤も注入可能で、家庭の味を共有でき胃食道逆流の軽減も期待できます。瘻孔部は消毒不要で1日1回の洗浄で十分、カテーテル交換はバルーン型1〜2か月・バンパー型4〜6か月が目安、注入時の体位は30〜45度のファウラー位以上が原則です。看護師は家族の不安を和らげながら、誤嚥予防・スキンケア・トラブル時の対応という3本柱で指導することが求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:胃瘻からの経管栄養を行う在宅療養者の家族に説明する内容で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 「流動(ミキサー)食は注入できる。」です。胃瘻(PEG)は腹壁から胃内へ直接カテーテルを留置するため、市販の経腸栄養剤だけでなく、家族と同じ食事をミキサーにかけてペースト状にした「ミキサー食」も注入可能です。家庭の味を共有でき、自然な食材の栄養を摂れる、医療費が抑えられるといった利点があります。ただしカテーテル閉塞を防ぐため適切な粘度に調整し、注入後は十分な微温湯フラッシュを行います。

選択肢考察

  1. 1.  流動(ミキサー)食は注入できる。

    胃瘻ではミキサー食の注入が可能で、近年は半固形化栄養剤とともに広く活用されている。胃食道逆流や下痢の軽減、家族と同じ食事を共有できる利点がある一方、衛生管理とカテーテル閉塞予防が課題となる。

  2. × 2.  注入前に胃瘻の瘻孔部を消毒する。

    瘻孔が形成された後は消毒は不要で、むしろ消毒薬は皮膚刺激や肉芽形成の原因になる。1日1回程度の石けん洗浄と乾燥が基本で、入浴時に普通に洗ってよい。

  3. × 3.  胃瘻カテーテルは週に1回交換する。

    交換頻度はカテーテル種別による。バルーン型は1〜2か月に1回、バンパー型は4〜6か月に1回が目安で、週1回交換は誤り。交換は基本的に医師が行う。

  4. × 4.  注入中は体位を15度のFowler<ファウラー>位にする。

    15度では低すぎ、胃食道逆流・誤嚥のリスクが高い。注入中および注入後30分〜1時間は30〜45度(セミファウラー位〜ファウラー位)を保ち、可能なら座位に近い姿勢が望ましい。

胃瘻カテーテルは「胃内固定」と「体外固定」の組み合わせで4種類に分類される——バルーン・チューブ型/バルーン・ボタン型/バンパー・チューブ型/バンパー・ボタン型。在宅では交換が容易なバルーン・ボタン型が用いられることが多い。家族指導では、注入速度(成人で200〜400mL/時程度)、注入後の白湯フラッシュ、瘻孔周囲のスキンケア(発赤・滲出液・肉芽の観察)、誤抜去時の対応(瘻孔閉鎖を防ぐためすぐ受診)を伝える。

在宅胃瘻管理における家族指導の正誤を問う問題。注入物・瘻孔ケア・カテーテル交換頻度・注入時体位の4要素を整理する。