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血液製剤を二つに分けて理解する 輸血用と血漿分画

看護師国家試験 第114回 午後 第23問 / 必修問題 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第23問

輸血用血液製剤に分類されるのはどれか。

  1. 1.免疫グロブリン製剤
  2. 2.血液凝固因子製剤
  3. 3.アルブミン製剤
  4. 4.赤血球製剤

対話形式の解説

博士 博士

今回は血液製剤の分類について整理するぞ。大きく二つに分けられるのじゃが、わかるかの?

サクラ サクラ

えっと、「輸血用血液製剤」と「血漿分画製剤」ですよね。でも何がどっちか自信がありません。

博士 博士

ポイントは「血液成分そのものを使うか、血漿の特定タンパクを精製して使うか」じゃ。

サクラ サクラ

血液成分そのものというと…赤血球とか血小板ですか?

博士 博士

その通り。輸血用血液製剤には赤血球液、新鮮凍結血漿、濃厚血小板、そして全血製剤がある。これらは献血血液を分離して、必要な成分をそのまま製剤化したものじゃ。

サクラ サクラ

じゃあアルブミンや免疫グロブリンは?

博士 博士

それらは血漿中の特定のタンパク質だけを取り出して濃縮・精製した「血漿分画製剤」じゃ。アルブミン、免疫グロブリン、血液凝固因子、アンチトロンビンなどがある。

サクラ サクラ

なるほど、「成分丸ごと」か「特定タンパクだけ」かで分かれるんですね。

博士 博士

そういうことじゃ。今回の選択肢で輸血用血液製剤に該当するのは赤血球製剤だけじゃな。

サクラ サクラ

赤血球製剤ってどんなときに使うんですか?

博士 博士

慢性貧血や手術・外傷による急性出血で酸素運搬能が不足したときに投与する。Hb 7g/dL前後を目安に判断することが多いぞ。

サクラ サクラ

輸血の準備で気をつけることは?

博士 博士

血液型と交差適合試験の結果、患者氏名と製剤の番号を必ずダブルチェックすること。開始15分はベッドサイドで観察し、発熱・蕁麻疹・呼吸困難などの副作用を見逃さないようにする。

サクラ サクラ

保管温度も製剤ごとに違うんですよね?

博士 博士

よく覚えておるな。赤血球は2〜6度の冷蔵、新鮮凍結血漿は−20度以下の冷凍、血小板は20〜24度で振盪保存じゃ。室温に出した時間も管理が必要じゃ。

サクラ サクラ

血漿分画製剤はウイルス感染のリスクはどうなんですか?

博士 博士

ウイルス不活化処理が施されており、輸血感染のリスクは極めて低い。ただしアナフィラキシーやTRALI(輸血関連急性肺障害)など免疫学的副作用には注意が必要じゃ。

サクラ サクラ

製剤の分類が、保管も投与も全部つながっているんですね。

POINT

血液製剤は、献血血液から血球や血漿を分離・精製した「輸血用血液製剤」と、血漿中の特定タンパク質を取り出した「血漿分画製剤」に大別されます。前者には赤血球液、新鮮凍結血漿、濃厚血小板、全血製剤が含まれ、後者にはアルブミン、免疫グロブリン、凝固因子製剤などが該当します。輸血用血液製剤は成分ごとに保管温度が異なり、ABO・Rh血液型と交差適合試験、患者・製剤の照合といった安全確認が必須です。血漿分画製剤はウイルス不活化処理が行われリスクは低いものの、アナフィラキシーやTRALIなどの副作用観察は欠かせません。製剤の分類を理解することは、適応・保管・投与時観察を一貫して把握するための基盤になります。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:輸血用血液製剤に分類されるのはどれか。

解説:正解は 4 です。血液製剤は大きく「輸血用血液製剤」と「血漿分画製剤」の二系統に分類される。輸血用血液製剤は献血血液から血球や血漿といった成分を分離・精製したもので、赤血球液(RBC)、新鮮凍結血漿(FFP)、濃厚血小板(PC)、全血製剤がこれに含まれる。一方、血漿分画製剤は血漿中の特定タンパク質を精製・濃縮して製剤化したもので、アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、血液凝固因子製剤などが該当する。赤血球製剤は前者の代表である。

選択肢考察

  1. × 1.  免疫グロブリン製剤

    血漿中のIgGなどを精製して作る血漿分画製剤。重症感染症や免疫不全、自己免疫疾患の治療に用いられる。

  2. × 2.  血液凝固因子製剤

    第VIII因子・第IX因子などを精製した血漿分画製剤で、血友病などの凝固因子欠乏症に投与される。

  3. × 3.  アルブミン製剤

    血漿中のアルブミンを精製した血漿分画製剤。低アルブミン血症や循環血液量減少時の血漿膠質浸透圧維持に使用される。

  4. 4.  赤血球製剤

    献血血液を遠心分離し、白血球除去・保存液添加を経て作られる輸血用血液製剤。慢性貧血や急性出血に対する酸素運搬能の補充に用いる。

輸血用血液製剤は冷蔵(赤血球は2〜6度)または冷凍(FFPは−20度以下)、室温振盪(血小板は20〜24度)といった成分ごとに保管条件が厳格に定められる。投与前にはABO・Rh血液型、交差適合試験、患者氏名・製剤番号のダブルチェックが必須で、開始15分は重篤な副作用を見逃さないようベッドサイドで観察する。血漿分画製剤はウイルス不活化処理が施されており、感染リスクは低いが、ショックやアナフィラキシーなどの副作用には注意する。

血液製剤の二大分類を理解しているかを問う必修問題。「輸血用=血球・血漿そのもの」「血漿分画=特定タンパクを精製」と覚える。