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片麻痺患者の上衣交換の基本

看護師国家試験 第111回 午後 第20問 / 必修問題 / 日常生活援助技術

国試問題にチャレンジ

111回 午後 第20問

左片麻痺患者の上衣の交換で適切なのはどれか。

  1. 1.左腕から脱がせ、左腕から着せる。
  2. 2.左腕から脱がせ、右腕から着せる。
  3. 3.右腕から脱がせ、左腕から着せる。
  4. 4.右腕から脱がせ、右腕から着せる。

対話形式の解説

博士 博士

今日は片麻痺患者の衣服着脱を学ぶぞ。左片麻痺患者の上衣交換で適切なのはどれじゃ?

アユム アユム

脱健着患ですよね。左が患側だから、健側の右から脱がせて患側の左から着せる…3ですね。

博士 博士

正解じゃ。健側から脱がせて患側から着せる、これが脱健着患の原則じゃ。

アユム アユム

なぜこの順番なんですか?

博士 博士

衣服を着るときは関節可動域が制限されるため、制限のある患側を先に袖に通した方がスムーズじゃ。無理な力がかからず、関節や皮膚の損傷を防げるんじゃよ。

アユム アユム

脱ぐときも健側からというのは?

博士 博士

健側を先に脱がせても、患側はまだ袖に残っておるから動きに余裕がある。逆に患側を先に脱がすと、健側が袖に引っかかって患側を無理に動かさざるを得ないんじゃ。

アユム アユム

1の左腕から脱がせ、左腕から着せるはどうして違うんですか?

博士 博士

脱ぐときに患側の左腕から始めておる。これは患側に無理な力がかかる恐れがある。

アユム アユム

2の左腕から脱がせ、右腕から着せるは?

博士 博士

脱ぐのは患側から、着るのは健側からで、脱健着患と全く逆じゃ。最も不適切なパターンじゃな。

アユム アユム

4の右腕から脱がせ、右腕から着せるは脱ぐ側は正しいですよね。

博士 博士

その通りじゃが、着るときも健側右から始めている。着るときは患側左からが原則じゃから誤りとなる。

アユム アユム

点滴が入っている患者でも同じ原則ですか?

博士 博士

基本的には同じじゃ。点滴側を患側と同じように扱い、点滴側を後に脱がせ先に着せる。ルートを無理に引っ張らないように注意が必要じゃぞ。

アユム アユム

片麻痺患者の看護で他に注意すべきことはありますか?

博士 博士

残存機能を最大限活用し、患者自身ができることはやってもらう自立支援の視点が重要じゃ。また、患側の関節拘縮予防のための他動運動、良肢位の保持も欠かせない。

アユム アユム

片麻痺は脳卒中後の患者さんに多いですよね。

博士 博士

その通り。脳梗塞・脳出血後の片麻痺患者は多いぞ。ADL動作の指導では、更衣・食事・移乗・排泄など、一つ一つの動作で残存機能と患側の特性を踏まえる必要がある。

アユム アユム

脱健着患は語呂で覚えると忘れませんね。

博士 博士

よい方法じゃ。脱ぐときは健側、着るときは患側、この基本を体で覚えれば臨床でも自然に手が動くようになるぞ。

POINT

本問は片麻痺患者への上衣交換時の原則を問う必修問題です。左片麻痺の患者では健側が右、患側が左のため、脱健着患の原則に従い、右腕から脱がせて左腕から着せるのが適切です。着るときは関節可動域が制限されるため、先に患側を通すことで無理な力が患側にかかるのを防げます。残存機能の活用と自立支援の視点も踏まえた援助が重要であり、点滴ルート側の扱いも同様の考え方で行います。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:左片麻痺患者の上衣の交換で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。麻痺のある患者の衣服の着脱では、脱健着患が基本原則です。すなわち、脱ぐときは健側から、着るときは患側から行います。左片麻痺の患者では、健側が右、患側が左になるため、右腕から脱がせて左腕から着せるのが正しい方法です。この順序を守ることで、健側の可動性を最後まで活かし、患側の関節への負担を最小限に抑えることができます。

選択肢考察

  1. × 1.  左腕から脱がせ、左腕から着せる。

    患側である左腕から脱がせている点が誤りです。脱ぐときは健側右腕から行うのが原則です。

  2. × 2.  左腕から脱がせ、右腕から着せる。

    脱ぐときに患側左腕から始め、着るときに健側右腕から始めており、脱健着患と逆の順序のため誤りです。

  3. 3.  右腕から脱がせ、左腕から着せる。

    健側右腕から脱がせて患側左腕から着せており、脱健着患の原則に合致しています。患側の負担が少なく適切です。

  4. × 4.  右腕から脱がせ、右腕から着せる。

    脱ぐ側は正しいものの、着る側が健側右腕となっており、患側から着せる原則に反するため誤りです。

脱健着患の原則は、衣服を着るときには関節可動域が制限されるため、制限のある患側を先に袖に通した方がスムーズで、無理な力がかからず関節や皮膚の損傷を防げるという理由に基づきます。脱ぐときも同様に、残る袖は健側にある方が動作が容易です。輸液ルートが入っている場合も同様に、点滴側を後に脱がせ先に着せるのが原則です。片麻痺の患者への援助では、残存機能の活用と自立支援の視点も重要です。

片麻痺患者への衣服着脱の原則脱健着患を理解し、具体的な手順に適用できるかを問う問題です。